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話題の育児書を読んでみた!子育てブックレビュー

モンテッソーリ教師がわが子の声かけに使うテクニックとは?3児のママも「すごい…!」と震えた子育てに役立つワークブック

モンテッソーリ教師がわが子の声かけに使うテクニックとは?3児のママも「すごい…!」と震えた子育てに役立つワークブック
どうしたら子どもに親の言いたいことがしっかり伝わるの?SNSで人気の子育てインフルエンサーであるモンテッソーリ教育 あきえさんの新刊『モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック』を3児の母であるライターがレビューします。
目次

子どもを叱るとき、「あ、伝わってないな」と感じることはありませんか?
感情をぶつけずに、落ち着いてわかりやすく言うべきだとわかってはいるけど、いざその場面になると難しい…と悩んでいるママ・パパは多いのではないでしょうか。

「子どもにかけるべき言葉」を具体的に教えてくれる参考書があればいいのに…と思っていた、3人育児に奮闘するママライター・タキザワが「これはすごい!」と震えた一冊『モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック』をご紹介します!

※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

おやこに上も下もない!モンテッソーリ流「親の在り方」

「この子が外で『恥ずかしい』と思われないように、ちゃんとしつけなくちゃ…」
親ならきっと誰しもが、そう考えたことがあるもの。

しかし親として責任感を強く持つあまり、無意識のうちに「育ててあげている」と、子どもを下に見てはいないでしょうか。

本書はそんな衝撃的な一言で始まります。

著者であるモンテッソーリ教師 あきえさんは元保育士で、2児の母。Instagramでモンテッソーリ教育を日々の子育てに落とし込んだ情報を配信し、9万人以上のフォロワーを有する人気子育てインフルエンサーです。

一般的な教育では、子どもは「育てられる存在」。大人が指示を出し、子どもはそれに従います。しかしモンテッソーリ教育では、「主役はあくまで子ども」だとあきえさんは言います。子どもは自ら育つ力を持っているので、自由が保証された環境の中で自分でやることを選択し、自らを発達させていくのだとか。

ここでポイントなのは、この「自由」は制限が伴う自由だということ。「自由にさせなきゃ!」と何でもかんでも許していたら、もちろん危険なことも…。なので、危険を知っている大人が「ここまではOKだけど、ここからは危ないからだめ」と見守ることが大切なんです。

「子どもをちゃんとしつけなきゃ!」と必要以上に責任感を感じることはない!
発達の主役はあくまで子ども。大人は子どもが自ら育っていくのを見守り、支える「ガイド役」に徹することがモンテッソーリ流の親の在り方なんですね。

モンテッソーリ流 5つの「声かけのキホン」

では子どもが明らかに危険なことや、いけないことをしていたら、「だめ!!」と言っていいのでしょうか。その答えはもちろんYESですが、同時にNOでもあるんだそう。
どういうことかというと…声かけする言葉の問題なんです。

「だめ!!」と言われると、子どもはびっくりして行動が止まりますが、その後「どうすればいいのか」というフォローがないとまた繰り返してしまいます。なのに「何回言ったらわかるの!」とまた怒られる…親にはちょっと耳が痛い"負のループ"ですよね。

じゃあ具体的にどうすればいいのかというと…?本書ではあきえさんが子どもへの5つの「声かけのキホン」を提唱しています。

  • 否定を肯定に変える
  • 子どもにわかる具体性
  • 脱・命令でお願い&提案
  • 「褒め」「おだて」を認めるに
  • 「怒る」「叱る」は伝えるに
  • くわしくはぜひ本書をチェックしていただきたいのですが、たとえば、「走らないで!」などつい否定形にしてしまいがちなところを「歩こう」など肯定形にする。
    「ちゃんとして!」という抽象的な表現だと伝わらないので、「ここは車が来て危ないから、手をつないで歩こうね」などの具体的な伝え方に変える。
    など、「たしかに…」「そうだよなぁ」と、ついふだんの子どもとのやり取りを思い返して反省してしまうことばかり。

    決して難しいことはなく、子どもが理解できて、前向きに取り組めるような伝え方の工夫をするだけで、変わるんですよね。

    本書には、この「声かけのキホン」を前提に、朝・昼・夜で起こりがちなシチュエーションをイメージして、具体的かつ効果的な声かけが記載されています。そのシチュエーションはまさに「あ~、あるある…」と言ったものばかりで、さっそく役に立ちそう!

    さらに「こんな時どうする?」と題し、子どもが嘘をついたときや、何度言っても聞かないときなど、ママ・パパが抱えがちな悩みに対して、効果的な声かけや考え方を提案したコラムもあり、まさに「こういうのが欲しかった!」という1冊になっています。

    「子どもを変える」のではなく、「大人が変わる」

    本書の魅力は、モンテッソーリ流の声かけが具体的に学べることだけではありません。著者、あきえさんの悩めるママ・パパに寄り添う姿勢が心に染みるんです。

    本書を読み始めたとき、筆者は正直「それはわかっているんだけど、できないから困ってるんだよ~!」と頭を抱えてしまったのですが、読み進めていくうちに、あきえさんの「この『声かけ』を実行する前に、まずは大人の心身を整えることが大切」というメッセージが強く響きました。

    子どもの育ちを助けることは、心身の膨大なエネルギーが必要です。子ども優先で、自分を犠牲にし続けることで、感情のコントロールに使うエネルギーがなくなってしまい、子どもを怒鳴ってしまって、自己嫌悪するという負のループ…。

    そんなときは、本書の「自分を優先することは後ろめたいことなんかじゃない」というメッセージを思い出したいと思います。

    ママだって、自分の体と心を満たすことにエネルギーを使っていいんです!むしろ大人が自分の時間を楽しむ姿を見て、子どもは自分のことを大切にすることを学ぶといいます。

    「子どもを変える」のではなく、「大人が変わる」。子ども、そして自分の捉え方を変えることで、物事もポジティブに変化していきます。
    「そんなこと言っても、趣味もないし、子育てでいっぱいいっぱいだし…」という人には、巻末のワークブックがおすすめ。自分の好きなこと、子どもとしたいこと、文字で書き出すことで、自分や子どもとの向き合い方が見えてきますよ!
    この「モンテッソーリ流声かけ」で子どもが、そして自分がどう変わっていくのかが楽しみです。                                                                                 

    『モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック』
    著者:モンテッソーリ教師 あきえ
    発行:宝島社
    定価:単行本1,320円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,069円(税込)
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    【わたし的評価】
    満足度   ★★★★☆
    実践度   ★★★★☆
    読みやすさ ★★★★★
    わかりやすさ★★★★☆

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執筆者

ライター タキザワミユキ

何にでも興味津々なやんちゃな3兄妹を育てるママライター。留学・語学学校での勤務経験を活かし、さまざまなテーマで執筆しています。子供たちの笑顔が毎日の癒し!子供の成長はあっという間だなと実感する日々です。

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