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「非認知能力って?」どこよりもわかりやすく解説!

あなたのほめ方大丈夫?"からっぽのほめ方"では、"ほめて育てる"が台無しに!

あなたのほめ方大丈夫?"からっぽのほめ方"では、"ほめて育てる"が台無しに!
「非認知能力」とは、これからの時代を生き抜くために欠かせない、幼児期から意識して伸ばしていきたい力。教育方法学の専門家・岡山大学の中山芳一先生に、非認知能力についてやさしく教えていただく連載。今回のテーマは「ほめ方」について。
目次

教育方法学の専門家・岡山大学の中山芳一先生に非認知能力についてやさしく教えてもらうこの連載。
これまで、子どもの非認知能力を伸ばすため、親は心の中によく磨いた「非認知能力レンズ」を持ち、わが子のステキな場面をキャッチすることが大切だと学んできました。

今回は、そんなステキな場面をキャッチしたとき、子どもに「それはとても価値あることだよ!」と的確に伝えるためのお話です。
ご自分の「ほめ方」をいま一度振り返ってみませんか。

あなたはわが子にとって"ほめられたい存在"ですか?

非認知能力レンズに磨きをかけてわが子のステキな場面を見取ったとしても、それを「価値あること」としてわが子と共有できなければ「見取り損」ですね。
つまり、見取った後に、ほめるとか、喜ぶとか、感謝するなどの表現をわが子にすることで、初めてお互いがその価値を共有できるわけです。

そのため、わが子をほめるということに関しては、いろいろな子育て情報が提供されています。ある意味では、子育ての中で「ほめて育てる」ということは最も重要な柱になるのかもしれません…。

しかし、注意も必要です。
ハウツーとしての「ほめ方」だけ誰かのマネをしてみたところで、「からっぽ感」がどうしても子どもに伝わってしまい、ほめられてうれしくもなければ、価値を共有したいとも思えないでしょう。

そもそも、「あなたは、わが子にとってほめられたい人なのか?」が問われているわけですから…。

ほめるときに大切な"子どもに伝わりやすい表情"!

そのため、基本的な信頼関係はもちろん大切です。
ただし、信頼関係がなければほめられないということでもありません。ほめることと信頼関係とはどちらが先かというものではなく、お互いに影響し合っているのです。

また、とてもきれいなほめ言葉をわが子に投げかけられたらよいですが、きれいな言葉だからほめられてうれしいわけでもありません。むしろ、言葉はないけれども満面の笑みだけ浮かべてくれている方が伝わる場合だってあります。

その点では、「表情」というのはとても大切ですね。

心理学領域では、言葉そのものや声のトーンなどよりも表情から認識される割合の方がはるかに大きいという実験結果もあります(アルバート・メラビアンによる実験)。

とくに、幼児期から小学生低学年頃にかけての子どもは、対人関係において”わかりやすさ”を好みますので、伝わりやすい表情はなおさら大切です。

「どうやってほめようかしら…」と悩むよりは、「どんな表情をしようか」に意識を向けた方が、表情筋のトレーニングにもつながりそうですね!

子どもに響く2つのタイミングを知っておこう

そして、あとは「タイミング」です。

結婚だって、お互いの職業や収入以上に影響を与えるといわれているのがタイミングです。わが子のステキな場面を見取ったうえで、"どんなタイミングでほめるか"なんです! 

「いま、ここ」のタイミングがわかりやすく、伝わりやすい

みなさんが一番ほめやすくて、子どもにとっても一番わかりやすいタイミングは、「いま、ここ」のタイミングになります。

例えば、ハサミの持ち手をこちら側に向けてハサミを渡してくれた瞬間を見取った親が、すぐさまそこで「えぇっ!〇〇ちゃん!すごい!上手に渡してくれたねっ!」とほめてみてください。
わが子も「これかっ!これがすごいことなんだっ!」と容易に価値を共有できます。

そのためにも、こちらからすると「見取ったら即!」を心がけるわけです。

ちなみに、このときの声かけは「それっ!ナイス!」「ありがとね!」など、シンプルでよいですからね。なんでしたら言葉はなくても満面の笑みっていうのもアリかもしれません。すぐに伝えている分、説明はいりません。

ということで、ほめやすくてわかりやすい…これを「即時的フィードバック」と呼んでいます。

過去を振り返って伝えることで響くことも

さらに、わが子が大きくなっていくにつれて、重要なイベントの前後などで、例えば「あのとき、あなたは、何度コマなし自転車を乗るのに失敗して転んでも、あきらめずに乗れるようになったよね。だから、今回もあきらめないで…」などと過去に見取ったエピソードを伝えるようなときがくるかもしれません。

そのときだから、より一層響きやすい(価値を共有しやすい)適したタイミングというのもあります。まるでドラマのワンシーンのような…。

このようなときにわが子と共有できるようなエピソードを持っておくことも未来を見据えた子育ての楽しみの一つになりそうです!

ちなみに、これを「適時的フィードバック」と呼んでいます。

「やさしくわかる非認知能力」今回までのポイントまとめ

  • 子どもの非認知能力を伸ばすには、親は心の中に「非認知能力レンズ」を意識してもち、子どもが非認知能力を発揮しているステキな場面をキャッチしよう
  • キャッチしたら、わが子が「これは、すごいことなんだ!」とわかるように、フィードバックしてあげよう
  • フィードバックする際は「子どもに伝わりやすい表情」で「もっとも響くタイミングで」が大切
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執筆者

岡山大学准教授 中山 芳一

1976年岡山県生まれ。岡山大学 全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のためのキャリア教育に取り組むとともに、幼児から小中高学生の各世代の子どもたちが非認知的能力やメタ認知能力を向上できるように尽力している。9年間没頭した学童保育現場での実践経験から、「実践ありき」の研究をモットーにしている。『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(ともに東京書籍)ほか著書多数。最新刊は監修をつとめた『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』(東京書籍)。

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