【小児科医監修】帽子も日焼け止めも嫌がる…子どもの紫外線対策はどこまで頑張ればいいの?

【小児科医監修】帽子も日焼け止めも嫌がる…子どもの紫外線対策はどこまで頑張ればいいの?
【小児科医監修】日焼けは骨を強くするといったママやパパが子どもの時代と変わり、現在では子どもの紫外線対策は必要とされています。では実際子どもの紫外線対策はどのように行えばいいのでしょうか。小児科医の黒澤照喜先生に聞きました。
目次

日焼けは骨を強くするといったママやパパが子どもの時代と変わり現代では必要以上に紫外線を浴びると、肌の老化を早めたりや皮膚がんのリスクを高めるなど、さまざまな弊害があることがわかっており、子どもの紫外線対策は大切であると考えられています。

でも元気いっぱいな子どもの紫外線対策は、なかなか難しいことも…。自身も3人のお子さんのパパであり、小児科医の黒澤照喜先生に子どもの紫外線対策のポイントを伺いました。

祖父母世代とは違う日焼けの価値観

ー祖父母世代では、「子どもは日光に当たらないと骨が丈夫にならない」と言う人もいますが、紫外線対策はどの程度必要なのでしょうか?

ひと昔前までは日光を浴びないと、くる病(骨軟化症)になると言われていました。しかし骨の成長に必要な日光は、日常生活の中で十分浴びることができます。1998年には、母子手帳の日光浴を推奨する文章が削除されているなど、時代の流れとともに紫外線に対する対応が変わっているので注意しましょう。

もちろん、行き過ぎた紫外線対策によって引き起こされる、「ビタミンD欠乏性くる病」も報告されてはいます。しかし子どもをずっと室内に閉じ込めておくような生活でない限り、心配しなくても大丈夫でしょう。神経質になりすぎず、できる範囲で紫外線対策をすることが大切です。

帽子やUVカット上着の選び方

ー今は、帽子やUVカットの商品もたくさん出ています。どんなものを選んだらよいでしょうか?

帽子はつばが7センチあれば約60%の紫外線をカットできるとされているので、できればかぶってほしいですよね。ただし帽子を選ぶときには、事故防止のために視野がしっかり確保されるものを選ぶことが大切です。

子ども向けのものは大きめのものを買いがちですが、転倒や衝突を防ぐためにもサイズに合ったものを選びましょう。

体は七分袖や襟付きのように、なるべく体を覆う部分の多い服を着たほうが紫外線から肌を守れます。 濃い色の生地のほうが紫外線の吸収はよいですが、熱中症を防ぐためには、白か淡い色のもので、織目や編目がしっかりした木綿かポリエステル・木綿の混紡素材のものを選ぶとよいでしょう。

子どもの紫外線対策は熱中症対策とのバランスが大切

ーそうはいっても、帽子を嫌がる子どもも多く、羽織りものを着ることによる熱中症も気になります。

紫外線対策と熱中症対策は一部で相反することがあるので、ケースバイケースで判断したいですね。暑い日に長袖は脱ぎたがる子が多いので、着せるのは難しいでしょう。

帽子は熱中症対策でも推奨されていますが、頭に熱がこもりやすいので、涼しい場所では外して風を通してあげるといいですね。

羽織りものや帽子が苦手な子は、日焼け止めによる対策やそもそも日差しが強い時間帯に外出しないなど、総合的に判断してください。

大人の日焼け止めを子どもに使ってもOK

ー日焼け止めは子ども向けのものもたくさん出ていますが、大人用は使わないほうがいいのでしょうか?

肌トラブルなどがなければ、子どもが大人用の日焼け止めを使っても問題ないことが多いでしょう。ただし気になる場合には低刺激性で作られている子ども用の日焼け止めがおすすめです。心配な場合には、少量を目立たない部分に試して塗ってから使うと安心です。

子どもの日焼け止めのSPFはどのくらい?塗る量や虫よけ・塗り薬との順序を知りたい!

ー日焼け止めの効果を表すSPFやPAはどのくらいのものを選んだらいいのでしょうか?

日常の生活ではSPF15~20、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安とされています。水遊びなどでは汗や水で落ちにくい、ウォータープルーフの製品であればなお効果的です。

肌トラブルを防ぐためにも、使用後はきちんと洗い落としましょう。普通の石けんやボディーソープで落とせるものがほとんどです。

ー日焼け止めを塗る量はどのぐらいですか?

クリーム状の日焼け止めはパール1個分、液状のタイプは、手のひらに1円玉大を出して額・鼻の上・両ほほ・あごにそれぞれパール1個分を乗せてまんべんなく伸ばします。

腕や足など広範囲に塗る場合には、直接容器から直線を描くように出して、くるくると伸ばしながらムラができないように塗ります。

ー重点的に塗ったほうがいい場所はありますか?

膝の裏や首など、アトピー性皮膚炎などで荒れやすいところは、日焼けによってダメージを受けて、より荒れやすくなってしまいます。肌が弱い子はとくに、荒れやすい場所に重点的に塗ってあげてください。

塗り薬や虫よけを一緒に使う場合には、「塗り薬→日焼け止め→虫よけ」の順で使います。

子どもが日焼け止めを嫌がる!どうしたらいい?

ー幼児期の子どもだと、日焼け止めを塗る間もじっとしていられず、ベタベタするのを嫌がる子も多くて…。

そうですよね。歯磨き・鼻吸引・予防接種、親が必要と考えても子どもにとって痛いこと、面倒なことは嫌がられるものです。年齢に応じてわかる言葉や人形遊びなどで説明すること、親自身が塗っているところを見せること、などが効果的かもしれません。

なお、紫外線のリスクの一つである皮膚がんの発症率は、日本人ではそんなに多くはありません。日焼け止めを無理強いしてまで塗る必要はなく、ほかの手段を考えてもいいでしょう。

保育園や幼稚園、外出中での塗り直しはしたほうがいい?

ー日焼けが気になって、保育園や幼稚園に行く前に塗っても「汗で落ちちゃったな」と思うことも。どのくらいの頻度で塗り直しが必要ですか?

日焼け止めは時間とともに効果が落ちたり、汗や水遊びによって流されたりします。したがって、理想的には2~3時間に1回程度塗りなおすのが良いとされています。でも、保育園や幼稚園に行っている間などはなかなか難しいですよね?

日焼け止めが落ちるまでは日焼け効果があるわけですから、やれる範囲でやっておく程度に考えておいた方が良いと思います。

ひどい日焼けは写真に撮っておくと受診もスムーズ!

ーきちんとした紫外線対策が難しいなか、日焼けしてしまうケースもありますよね。どう対処すればいいでしょうか?

日焼けは肌のやけどです。やけどと同様に冷やすのが基本。流水や氷水で冷やしたタオルなどを当てて冷やします。保冷剤を使ってもいいですが、冷やしすぎないように注意しましょう。水ぶくれができているようであれば、念のため皮膚科か小児科を受診します。

しっかり冷やしたあとは保湿剤でしっかり保湿しましょう。水ぶくれで皮がむけていなければ、お風呂に入ってもOKですが肌が温まることで痛みが出るので嫌がる子も。ぬるめのシャワーにするといいでしょう。あまり強いシャワーにすると、皮膚がむけてしまうことがあるので注意してください。

非常にまれですが、日光アレルギー(光線過敏症)を引き起こす病気もあるようです。赤くなったり、水ぶくれができる程度では病気とは言い切れませんが、心配であれば写真を撮っておくと診察に役立ちます。

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祖父母や親世代と違って、日焼けを防ぐことが大切になった近年。そうはいっても、完璧な紫外線対策は難しいので、神経質になりすぎず、少しずつ子どもに必要性を教えていくのが大切のようです。

参考:小児皮膚科学会「こどもの紫外線対策について」

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監修者

小児科医 黒澤 照喜

帝京大学医学部附属溝口病院勤務。小児科医。東京大学医学部卒業。同大学医学部附属病院小児科、都立小児総合医療センターなどを経て、2017年より現職。10歳・6歳・3歳の3人のお子さんのパパで、子育ての現実に沿った優しいアドバイスが魅力です。

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