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話題の育児書を読んでみた!子育てブックレビュー

今すぐ「人に迷惑をかけるな」を「迷惑をかけるのはお互いさま」の言葉に変えてみて。それだけで子どもはグンと変わるはず!

今すぐ「人に迷惑をかけるな」を「迷惑をかけるのはお互いさま」の言葉に変えてみて。それだけで子どもはグンと変わるはず!
「迷惑をかけるな」「やめなさい」「やればできるよ」…ふだん子どもに向かって放つこれらの言葉が、もしかしたら子どもの自己肯定感を下げることにつながってるかも!?子どもの自己肯定感にも影響大の「親の声かけ」を正すためのバイブル『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』(SB新書)を子育て中ライター河瀬さんが読んでさっそく実践してみました!
目次

子育てしながら、子どもにガミガミ怒ったり、「何してるの!」とつい強くいってしまったりするのはしょっちゅう。

そして言ってしまった後に「言い過ぎた…」と反省しつつ、「何度言ったらわかってくれるの?」という気持ちも…。

そんな声かけの悩みを抱えるかた(筆者もです)にこそ読んでほしい一冊、それが『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』(SB新書)です。

著者は、映画化もされた『ビリギャル』こと『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の坪田信貴さん。
これまで1,300人以上の子どもに学習指導をしてきたベテラン塾講師であり、かつ1児の父でもあります。
坪田さんは、子どもは一つひとつの親の言葉をしっかり受け止めている、そして子どもは言葉ひとつで変わる、と言い切ります。

「人に迷惑をかけるな」ではなく、「迷惑をかけるのはお互いさま」

坪田さんによると、タイトルにもなっている「人に迷惑をかけるな」は、最初にやめたい声かけだといいます。

「人に迷惑をかけてはいけない」という思い込みの最大のデメリットは、「人に助けを求められなくなる」ということ。

しかし、人は迷惑をかけずに生きていけるわけはなく、それならば「人に迷惑をかけて助けてもらった分、誰かにお返ししていこう」と考えるほうが健全だといいます。
「人に迷惑をかけるな」ではなく、「迷惑はお互いさま。困っている人がいたら助けよう」という声かけを提案しています。
実際、「迷惑をかけるな」と子どもに教える国は日本ぐらいだそう…。

コロナの影響で他人の目が気になったり、窮屈な思いをしたりすることが増えている昨今、この「迷惑をかけるのはお互いさま」という寛容さは大人にとっても本当に必要な姿勢だと共感。
現実的には…皆が皆、こんな穏やかな気持ちで、わが子たちの暴走を受け止めてくれるのは難しいと思いつつも、少なくともわが子にはそう思えるように声かけしていきたいと思いました。

脳が育つ幼児期は、とくにポジティブな言葉をたくさんかけて

そもそも子どもは、親の声かけ、さらには怒りの表情やため息などから、「自分はダメなんだ」と思ってしまうものだと坪田さんはいいます。

「あなたは○○が苦手だね」と親がいえば、
「自分は○○が苦手なんだ」と思い始めてしまう。
そうして子どもたちの自己肯定感が下がり続けると、判断力を奪ってしまうことにも繋がるかもしれません。

とくに幼児期は言語を吸収して脳が育つ時期。

そう考えると、逆に、親が普段かける言葉をちょっと意識してポジティブに言い換えてみることで、将来子ども自身の自己肯定感をあげることに繋がるといっても過言ではないのです。

今まで無意識に、むしろ良かれと思って使っていた言葉にも、もしかしたら同じようなものがあるかも。改めて振り返ってみると良さそうです。

532回いっても伝わらない!?子どもがみずから動けるようになる声かけとは

この本の中では、「迷惑をかけるな」をはじめ、28の声かけ例を解説してあります。

  •  「やめなさい」→「周りの人がハッピーになるように行動しなさい」
  •  「やればできるよ」→「すごいやる気あるじゃん!」
  •  「何回言ったらわかるの?」→「今、やってみせた通りにやってみて」

など、それぞれにポジティブな言い換え例を示してくれています。

教育者の坪田さんだからこそ、子どもの「伸びる可能性」を摘まず、「自分で考え判断する」ことを引き出す声かけを提案しています。

個人的にとくに興味深かったのは、「何回言ったらわかるの?」の解説。
坪田さんいわく、「532回いわないとわからない」そう!
この「532回」というのは、ある実験結果によるものだそうですが、つまりそのくらい「言っても伝わらない」ということ。

何回いっても伝わらない理由は、子ども自身が親のいっていることのイメージがついていないから。
だから、「何回いったらわかるの?」という前に、親自身がやってみせて「この通りにやってね」といえばそれですんなり解決するそう。

実際に、わが家の4歳と2歳の子どもたちにも、脱いだ靴をきちんと並べるように「いう」から「ママがやるからマネしてみて」とやってみせると…ふだんのわたしの「いつもいってるでしょ!」は完全スルーだった子どもたちも、「ん?」という感じで立ち止まり、“靴を並べる”を初めてきちんと理解できた様子。
そして「こうでしょ!」とうれしそうにやってみせてくれて感激…! 子どもの目線に立った声かけなんだなあと痛感しました。

ネット社会、グローバル化…子どもたちのこれからに必要な声かけを

この一冊を通して、坪田さんは保護者の「子を思う気持ち」にも寄り添いながら、だからこそ間違った声かけを見直すように熱心に語っています。
親自身も完璧じゃなくてもいいし、今までの自分を責める必要はない。
子どもと一緒に、ポジティブな声かけを考えていけばいい、と。

ネットの世界が広がり選択肢が増え、グローバル化していく社会で、みずから選ぶ力、決める力がますます必要になっていきます。
「私はこう思う」と意見をいえるようになる子に育てるためにも、まずは親が「この声かけは子どもにちゃんと伝わるか」という意識を持つことが大切なんだとか。

ポジティブな声かけで育てられる子が増えれば、ネットのあちこちで炎上するこの社会が変わっていくのではないか、それこそが「教育」なのではないかと、読みながら気づかされます。
子どもたちが生きやすい社会にしていく――そういう意味でも、多くのかたに読んでほしい一冊です!

『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない」(SB新書)』
著:坪田信貴
発行:SB新書
定価:新書990円(税込)/Kindle版(電子書籍)891円(税込)

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【わたし的評価】
満足度   ★★★★☆
実践度   ★★★★☆
読みやすさ ★★★★☆
わかりやすさ★★★★★

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執筆者

ライター 河瀬 みこと

大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得し、起業に向けて準備中。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。

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