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原坂さん教えて!おやこのお悩み相談室

思い通りにいかないとすぐに怒るわが子…その理由と親の寄り添い方を徹底解説

思い通りにいかないとすぐに怒るわが子…その理由と親の寄り添い方を徹底解説
こどもコンサルタントの原坂一郎さんに、子育ての悩みを相談するこの連載。今回のテーマは「怒りっぽいわが子」。怒りの感情をコントロールできないとちょっと心配になるもの。でもなぜ怒っているのか、の理由がわかるとちょっと見え方も変わってきます。
目次

おやこのお悩みvol.5

ゲームに負けるなど、気に入らないこと・思い通りにいかないことがあるとすぐに怒ってしまいます。
食べようとした料理が熱かった…など、そんなに大したことではないと思うようなことでも怒るのですが、どのように対応したらよいのでしょうか?

何かを言うと怒り、何かをしてあげてもすぐ怒る・・・そんな子どもはけっこう多くいます。
特に2歳から6歳くらいまでの子どもに多いようです。
何をしても怒るので、子どもと毎日向き合うお母さんはほとほと困ってしまいますよね。

どうして子どもはすぐに怒るのでしょうか?
それは・・・お母さんが大好きだからです。

誰よりも自分を受け止めてくれる存在だからこそ…

すぐに怒る子どもは、わがままのように見えるときがありますが、そのころの子どもは、みんな自己中心性が強く、基本わがままです。
周りの迷惑は考えず、心のまま動こうとします。
それが子どもです。

その怒りの矛先を一番向けられやすいのが"お母さん"です。
どうしてだと思いますか?

それは、「お母さんは世界で一番甘えられる人」「だれよりも自分を受け止めてくれる人」ということを子どもは知っているからです。

赤ちゃん時代は、「おっぱいがほしい」と泣いただけでそれをわかってもらえたお母さん。
おしめが濡れて泣いていると、即座におしめを替えてくれたお母さん。
止まったオルゴールをもう一度聞きたくて「アンアン」と言って指さすと、それだけでもう一度かけてくれたお母さん。

これまでの人生で、そんなある種わがままとも言える欲求にことごとく応えてくれ、なんだかんだ言いながらも、自分のすべてを受け止めてくれたお母さん。

それは子どもの意識の中にすっかり刷り込まれ、お母さんだけは何を言ってもわかってくれる、何をしても許してくれる、と思い込んでしまっているのです。

そのような関わり方をしていたなら、お母さんだけでなく、もちろんお父さんもそうなります。

わがままを通そうとしているのではなく"甘えているだけ"

子どもが怒るのは、決して性格がわがままなのではなく、甘えているだけなのです。
子どもというのは、自分の甘えをしっかり受け止めてくれる人にしか甘えません。

これまでもっとも自分の甘えを受け止めてくれた人と言えば・・・そう、パパとママです。
だから子どもはパパとママを世界一信頼し、世界で一番大好きになるのです。

たとえばお店の人や園バスの運転手さんなど、パパとママ以外の人にもすぐに怒る、というのであれば、「わがままな性格」と言えるかもしれませんが、実際は決してそうではないはずです。
それは、彼らはパパやママのように、自分の甘えを受け止めてくれないので怒っても無駄、ということを子どもは知っているからです。
すぐに怒る子どもは、パパやママを信頼している証拠、大好きな証拠・・・そう思って、これからは子どもが怒るたびに喜んでほしいと思います。

でも、実際に子どもが駄々をこねたり怒ったりしているときには、とてもそんな気持ちにはなれないかもしれませんね。
では、子どもが怒ったときはどうすればいいのでしょうか?

その訴えをまずは"認める"

子どもが怒っているときは、そのほとんどが「何かを訴えている」ときです。

その「訴え」は、
①「それはいやだ」「したくない」という拒否の訴え
②「もっとほしい」「あれがやりたい」と希望の訴え
③「どうしてそんなことをする(言う)の?」という抗議の訴え
④思うようにいかなかった悔しさの訴え
この4つのどれかであることがほとんどです。

そういった自分の気持ちを大人のように言葉でうまく言えない子どもは、年齢が小さくなるほど、泣く・怒るといった方法で訴えます。

子どもがぐずったり怒ったりしたときは、大人はつい否定的な言葉や態度を取ってしまいやすいものです。
その訴えがなんであれ、否定するのではなく、むしろそれを認めるような言葉や態度を示すと、子どももこれまでとは違った反応を示すようになります。

たとえば、公園で「帰ろうか」と言っただけで泣いて怒ったときは、「もう連れてこないよ」などと言わず、「楽しかった?」「もっと遊びたかったね」と、子どもの気持ちを代弁し、飲んだお茶が熱いと怒ったときは「いきなり飲むからでしょ!」などと言わず、「熱かったねえ」とその訴えを認めるのです。

自分の気持ちをわかってもらえると人は嬉しく、気持ちも落ち着きます。
すると、相手の言うことにも耳を傾けることができるようになるのです。

そのあと、「○○だから帰ろうね」「フーフーさましてから飲もうね」と言いたいことを言えば、素直に従うことが必ず増えていきます。
仮にそれでまだ怒っていたとしても、怒りのボルテージはかなり下がっています。

そういうやりとりを毎日繰り返すうちに、親への信頼感はさらに募り、やがて怒らずに自分の気持ちや希望を訴えてくるようになったりします。

子どもは確かによく怒ります。
でも、「すぐに怒る」のはママの方、と子どもの方こそ思っているかもしれません。
子どももママも、怒るのはお互い事情があるようです、ね。

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執筆者

こどもコンサルタント 原坂 一郎

1956年、神戸市生まれ。関西大学社会学部卒業。神戸市内で23年間6か所の保育所勤務を経て、2004年「こどもコンサルタント」に。笑いと笑顔をキーワードに、子どもおよび子育てに関するさまざまな研究・執筆・講演を全国で展開。『読むだけで子育てがうんと楽しくなる本』(春陽堂)、『男の子のしつけに悩んだら読む本』(すばる舎)ほか著書多数。 Facebook:@IchiroHarasaka
http://harasaka.com/

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