年長~小学校3年生ごろに起こる「中間反抗期」とは?特徴や男女別の傾向・NGな接し方を元教員が解説

年長~小学校3年生ごろに起こる「中間反抗期」とは?特徴や男女別の傾向・NGな接し方を元教員が解説
2歳ころのイヤイヤ期と思春期の反抗期の間にやってくるのが、中間反抗期。小学校入学前の年長のころから始まると言われています。中間反抗期への対応、男の子・女の子の違いを元小学校教員のライターが解説します。
目次

長かったイヤイヤ期を乗り越えて落ち着いたと思っていたのに、最近口答えや反抗的な態度がひどくて困っている…もしかしたら中間反抗期の時期を迎えたのかもしれません。

幼稚園や保育園の年長から小学校中学年ごろの子どもに見られる「中間反抗期」。一体どのような特徴があるのでしょうか。

中間反抗期の特徴や子どもとの関わり方、NGな接し方まで、元小学校教員の秋野みんみが解説します。

中間反抗期とは?


「中間反抗期」とは、年長から小学校中学年ぐらいの子どもの反抗期のことです。

2~3歳頃のイヤイヤ期と呼ばれる「第一次反抗期」と、思春期の「第二次反抗期」との間に訪れるため、「中間反抗期」と呼ばれています。

第一・二次反抗期はもちろん、中間反抗期も訪れる時期や具合はさまざま。中間反抗期がないまま思春期を迎える子どももいます。

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中間反抗期が起こる理由は?

中間反抗期が起こる原因は、「自我の発達」が大きく関係しています。

小学校入学から中学年ごろは、子ども達の人間関係が大きく広がっていく時期です。
これまで、子どもの人間関係の中心は保護者やその家族でしたが、成長とともに子ども同士の繋がりが広がってきます。子ども同士での関わりを深めていく中で、「何でも自分で決めたい」という自我への思いが高まり、自己主張が強くなることが反抗的な態度に見えてしまうのです。

また、学校や習い事などでの集団生活や人間関係のストレスが反抗や暴言などで表れる場合も。小学生とはいえ人間関係はなかなかシビアなものですし、集団生活にはどうしても我慢がつきもの。学校や習い事で我慢している分、ストレスやイライラを保護者にぶつけてしまっているのです。

中間反抗期の特徴

中間反抗期にはどのような特徴があるのでしょうか。具体的には以下の5つのような行動や言動が挙げられます。

1.口答えをする

いつも通り注意すると、急に口答えや屁理屈をを言うようになった…それは中間反抗期を迎えた証拠かもしれません。

家庭以外の場所でさまざまな価値観に触れるようになる中で、だんだんと考える力がついてきます。すると、保護者の言うことがすべてではない!と気付き始めるのです。「前はこう言ってたじゃん!」「お母さんもやってるよ?」など矛盾や間違いを指摘されることもあるでしょう。

2.無視をしたり嘘をついたりする

保護者の言うことに対して無視をしたり、「もうやったよ!」と嘘をついたりすることも特徴の1つです。反抗的な口答えはしないものの、無視や嘘で反抗心を表す子どももいます。

3.家族よりも友だちを優先する

家族よりも友だちを優先するようになり、友だちとの約束や付き合いを大切にするようになります。そのため、保護者から友だちと遊ぶ約束を延期させられたり、友だち関係に口を出されたりするとより反発が強くなります。

4.保護者からの指示や干渉を嫌がる

保護者から「〇〇をしなさい」と指示されることや学校や友だちのことを聞かれることを嫌がるようになります。

これまでは学校や友だちの話をしてくれていたのに急に何も話してくれなくなると不安になりますよね。しかし、ここで根ほり葉ほり聞こうとするのは、子どもとの関係悪化につながる可能性があります。

5.反抗期なのは家庭だけ

家庭以外の場所では良い子でいるというのも中間反抗期の大きな特徴です。保護者から話を聞くまであの子が反抗期だなんて気付かなかった…ということは、学校の教育現場で本当によくあることです。

家庭以外の場所で良い子に頑張っている分、安心できる家庭でイライラやストレスから反抗心が出てしまうというのはある意味健全なのかもしれません。
反対に、学校では反抗的な態度なのに家では良い子というのはかなり心配なケースです。

中間反抗期には男女差がある?

中間反抗期に見られる態度には、あくまで傾向ではありますが男女で特徴があります。それぞれよくあるケースを紹介します。

男の子の中間反抗期

男の子の場合、反抗心を暴言や暴力などで現わす傾向があります。これは、同時期の女の子と比べると男の子は言語の発達が乏しい場合が多く、思いをうまく言葉で表せないためです。
また、何かに夢中になると周りが見えにくくなるという子も多く、本人が何かに集中しているときにそれを妨げる行為は反発に繋がりやすくなります。

例えばゲームに夢中になっているときに「ゲームばっかりするのはやめなさい!」と感情的に叱ったり、読んでいたマンガ本を急に取り上げたりすることは、大人への不信感につながります。

激しい暴力や暴言が続くと、保護者としても怒りがわいてしまうこともあるでしょう。しかし、ここで感情的に言い返すのは子どもの反抗心をヒートアップさせるだけ。伝えるべきことは、冷静に淡々と話すことが大切です。

女の子の中間反抗期

女の子の場合、男の子ほどの暴言や暴力は少ないものの口答えや無視が多い傾向があります。納得できないことにしつこく言い返したり、逆に無視を貫いたりと言葉や態度で反抗心を表します。こじらせると男の子の反抗期よりも対応が難しくなる可能性も…。

また女の子の場合、体の変化によるストレスや不安が反抗へと繋がっている場合もあるため、不安な気持ちをしっかりと汲み取り、ていねいに接していくようにしましょう。

中間反抗期の子供との接し方・向き合い方

中間反抗期の子どもの心は非常にデリケート。子どもが中間反抗期のような態度・言動をとったら、どのように対応するのがよいのでしょうか。

1.冷静に淡々と伝える

口答えや暴言が続くとついつい感情的になってしまいがち…。しかし、保護者が感情的になればなるほど、状況は悪くなることがほとんどです。伝えるべきことだけを淡々と伝え、過去のことをもちだして叱ったり感情をぶつけたりすることはやめましょう。

カッとなりそうになった時には、冷静になるまで子どものそばを離れるのも有効です。

2.子どもの思いを大切にする

子どもの思いを大切にし、信じて任せてみることが大切です。人を傷つけることや命に関わることはもちろん毅然とした態度で注意をします。それ以外のことは「この方法は失敗するのでは…?」と保護者が思ったとしても、「いいよ!やってごらん!」と信じて任せてみましょう。

中間反抗期の子ども達は「自分で決めたい!」という思いが非常に強いです。このような経験の積み重ねから自己肯定感が高まり、中間反抗期を抜けていくということも考えられるのではないでしょうか。

3.子どもの世界を大切にする

子どもには子どもなりの世界があります。友だち関係や家では見せない学校での顔など…必要以上に踏み込んで干渉することは、この時期の子どもには悪影響しかありません。子どもの友だちやグループを否定したり、子どもの好きなことを批判したりすることはやめましょう。

とはいえ、交友関係が広がっていく時期ですから心配になることもありますよね。保護者の心配事に対して子どもが話をしてくれないときには、担任の先生や習い事の先生に頼んで聞いてもらうのも1つの方法です。

4.一歩下がって見守る姿勢で関わる

どんな時にも「見守ってるよ」「大好きだよ」という姿勢 で子どもと関わることを忘れないようにしましょう。

中間反抗期の子どもの態度に、イライラしたり気持ちが疲弊したりすることもあるでしょう。しかし、子どもの反抗心は「ママ・パパなら受け止めてくれる」という保護者への甘えの表れです。関係が良くないときにも「おはよう」「いってらっしゃい」などの基本的な挨拶を大切にするようにしましょう。

そのような保護者の愛ある行動は、表情や態度に出なくとも子どもに必ず伝わっていますよ。

これだけは避けて!中間反抗期のNG対応

毎日の暴言や口答え、保護者もイライラすることが増えますよね。こうすべき!と分かっていても、なかなか理想通りの対応はとれないもの…そんな時でもこれだけは避けた方が良いというNG行動について紹介します。

  • 感情任せに子どもを叱る
  • 子どもの話を最後まで聞かない
  • 交換条件を出して親の指示に従わせる
  • 「勝手にしなさい」と子どもを完全に突き放す
  • 保護者自身が間違いに気付いたとき謝罪しない
  • 子どもをほかの子と比較して優劣をつける

どれも反抗期でなくとも、子どもと関わる上で大切にしたい行動ではありますが、特に反抗期には意識していきたい行動をピックアップしました。

よく聞かれるNG行為として、「ピアノの練習をしたらゲームを買ってあげる!」「弟の面倒をみたら、ゲームを1時間してもいいよ」のように交換条件を出して親の指示に従わせるというものがあります。

反抗期の子どもに言うことを聞かせたいときにはある意味らくな方法なのかもしれません。しかし反抗したら見返りがもらえることを子どもに覚えさせてしまうのは、長期的な目線で見ると精神的な成長の妨げになる危険性が高いのです。

また、保護者が間違った言動や行動をしたと気付いたときには、ごまかすことなくきちんと謝罪をすることが大切です。子どもは思っている以上に保護者の間違いやごまかしを見抜いています。保護者に対する不信感は、中間反抗期を長引かせてしまう原因になります。

***

中間反抗期は、子どもの成長過程において大切なステップの1つ。

「あんなに素直だったのに…」と子どもの急激な変化にショックを受けたママ・パパもいるかもしれませんが、「自分で考えたい」という子どもの自立心を伸ばしていくことは、将来子どもが生きていく上で非常に大切なことです。

かわいいわが子が少しずつ離れていくようで寂しいものですが、温かい心で見守ってあげてくださいね。

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執筆者

ライター 秋野みんみ

元小学校教員ライター。公立小学校で10年の勤務経験有り。 現在は転勤族の妻で息子の育児に奮闘中!教員経験を生かして、お役に立てる情報を発信してきます♩

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