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話題の育児書を読んでみた!子育てブックレビュー

【育児マンガ】子どもを怒って自己嫌悪…そんなママたちに読んでほしい!いつも他人事な夫への対処法も

【育児マンガ】子どもを怒って自己嫌悪…そんなママたちに読んでほしい!いつも他人事な夫への対処法も
『子どもを叱りつける親は失格ですか?』(アベナオミ著/小川大介監修/KADOKAWA刊)は、3児のママである漫画家アベナオミさんのコミックエッセイ。「わかる!」「ホント!?」と共感と発見の嵐だったという、子育て中のライター河瀬さんのブックレビューです。
目次

仲良しのママ友と盛り上がるネタといえば、
「うちの子、全然言うこと聞かない!」
「うちの夫、全然わかってない!」
の2つが多いのではないでしょうか??

私たちと同じようにそんなストレスフルな毎日を送るママ漫画家・アベナオミさんが、教育のプロ・小川大介さんに「どうやったら子どもを叱らない親になれるのか?」をインタビューし、実践していく様子を描いたコミックエッセイが『子どもを叱りつける親は失格ですか?』(KADOKAWA)。

コミックだからとても読みやすく、そして内容は非常に濃く、すぐに試したくなる役立ちがたくさん詰まっていたんです!

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怒鳴るほど「叱る」のは、ママの限界のサイン

冒頭で、「アベさん」始め乳幼児&小学生の親である3人のママ友たちがそれぞれの悩みを教育のプロである小川さんに打ち明けていくのですが、聞き手の小川さんはその3人に対して、ひとこと。

「叱るとほめるは、実は同じなんです」

両方とも根っこにあるのは、「子どもが大事」だという想い。
それでも怒鳴ったりして「叱る」ことに走ってしまうのは、忙しすぎる現代のママたちのSOSのサイン。
怒るほど自分は危機的状況にあることを知って、「もう限界!!」というときには思い切って逃げてもいいと小川さんは続けます。

とはいえ、本書の中の登場人物のひとり「スズキさん」の夫は多忙で、子育てを妻の自分に任せきり。自分には逃げ場がないと訴えます。
そんな夫にSOSを出して理解してもらうためには…と一歩踏み込んだ小川さんのアドバイスにも読みごたえがありました!

確かに、私自身にも「どうしてこんなにイライラするの?」というぐらい、自分を抑えられないときがあります。
そういうときには「私は限界なんだ!」と自覚すれば、スッと楽になれる気が。そして子どもたちのためにも、「逃げてもいい」ということを知って気持ちが楽になり、少し肩の荷が下りたような気になりました。

子育ての知識があれば"イラッ"を減らせる!

読んでいて印象的だったのが、"一番大切なのは子どもを育てるための「知識」。どんなに愛情があっても、知識がなければ子どもは生きていけないし親は不安になる"というアドバイス。

その「知識」の一例はこちら。

イヤイヤ期のイヤは、自己主張
→むやみに怒らないで、ちょっとした"当たり前のこと"をほめていけばOK!

うそをつくのは、知性が育っている証拠
→だから、本気か遊びのうそかを見分けて対処。うそをついたことをなかなか子どもが謝らないのにも理由があることを知る。

「考えたらわかるでしょ」が通じるのは、9歳前後から!
→脳の働きがコロッと変わるのが9歳前後。この「9歳の壁」を知っておけば、注意の仕方も変わる。

根本的な「叱る」理由である、「子どもがなぜ言うことを聞かないのか」が明確に説明されているので、「こういうときはこうすればいい」という親の対処法に非常に納得!でした。

知識を持つと、単に子どもへの接し方が変わるだけではなく、親として心に余裕が生まれますね!

イライラの要因である夫に子育てを"自分事化"してもらうには?

最終章では、知識を新たに増やし子育てに挑み直した登場人物の3人のママたちが、今までと「ぜんぜん違います!!」と口をそろえて、叱らなくなったことを報告。

しかしここで飛び出すのが、「でも!! 気づいたんです…」「私たち、子どもじゃなくて実は夫にイライラしてるって!!」という言葉。

ワンオペ育児に追われている「スズキさん」が、「ウチの夫…私の話を聞かないんです」と小川さんに悩みをぶつけるシーンでは、読みながら自分も「そーだ、そーだ」と、またも共感を重ねてしまいました…。

それに対する小川さんのアドバイスは、「私は」ではなく、「私たちは」と夫に語りかけること
「私はワンオペで忙しい」ではなく、「私たちは子どもに安全にすごしてほしいよね」と語りかけることで、夫も自分事化して考えてくれるとのこと。

つい「大丈夫…」と言ってしまう妻。
その「大丈夫…」を鵜呑みにしてしまう夫。
それによって夫婦はすれ違ってしまうという解説には、心当たりが多いにありました…。

知識と実践で「叱ること」「叱ることへの自己嫌悪」から解放されよう

登場人物の「アベさん」ら3人のママたちが、次々と自分の悩みを代弁してくれる展開に引き込まれ、仕事や育児のスキマ時間だけであっという間に読み切ってしまいました!

また、アドバイスをする小川さんが「パパ」であり「男性」である点も納得度がありよかったです。
なぜ夫には通じないのか、どうすれば通じるようになるのかまで実践的に解説されています。

小川さんが提案するアドバイスは「こういうときはこう話を聞こう」とマンガの中で具体的に説明されていて、「うちの3歳児や夫にも試してみよう!!」と思える内容が盛りだくさん。

実際には、このマンガのようにすぐにうまくいくことばかりではないかも知れないけれど、ちょっと試してみて一つでもうまくいけば、大きな前進になるはず。
なにせ、子育ての道のりは長い…!
あと10何年か先まで余力を残すためにも、ぜひこの本の「知識」を「実践」して、子育てをもっと楽しんでいきましょう!


『子どもを叱りつける親は失格ですか?』
著者:アベナオミ
監修:小川大介
発行:KADOKAWA
定価:本体1,320円(税込)/単行本・Kindle版(電子書籍)1,188円
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【わたし的評価】
満足度   ★★★★☆
実践度   ★★★★☆
読みやすさ ★★★★★
わかりやすさ★★★★☆

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執筆者

ライター 河瀬 みこと

大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。
2023年春より、念願の「食堂+寺子屋 nuinu(ぬいぬ)」開業。

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