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TERUさん直伝!男の子をぐぐっと伸ばす育児のコツ

【理解不能!?な男の子育児】危ないことばかりする、すぐにあきらめる…男の子のやる気をグンと伸ばすコツ

【理解不能!?な男の子育児】危ないことばかりする、すぐにあきらめる…男の子のやる気をグンと伸ばすコツ
【男の子育児がぐっとラクになる!】男の子を育てるときのコツを、家庭教育アドバイザーのTERUさんが解説。第1弾は失敗するとすぐ諦めてしまう、危ないこと・謎の行動が多い男の子にどう接すればいいかを解説します。
目次

男の子の子育てに大変さを感じているママの声は編集部にもよく届きます。
世の中の流れもあいまって、性差を気にせず子育てしたいという意見も多い一方で、明らかに女の子のお友だちとは異なる息子の理解しがたい行動に、どう接したらいいのか戸惑っているママたちも多い様子…。

そこで、とくに6歳までの未就学の男の子を育てるときのコツを、家庭教育アドバイザーのTERUさんに教えてもらいました。

もちろん、男の子全員に当てはまるわけではありませんが、母親にとって異なる性でもあり理解しづらい点も、傾向を知ることで育て方のヒントが見えてくるはずです。

困難にくじけそうなときは、うしろを振り返らせる

こんな”男の子あるある”にどう対処すべき?

  • 失敗するとすぐ諦めてしまう
  • できないとイライラして「もうやらない!」と投げ出してしまう
  • できそうなことばかりして挑戦をしない

これは前提として、最近の子育ての傾向で、できることばかりにチャレンジさせたり、失敗しそうなことを周りの大人が事前に取り除いたりしてしまっていることに原因があります。
性別問わず子どもの成長には困難が必要で、困難にぶつかり乗り越えていく経験をさせてあげることが大切です。

そのうえで、男の子の場合、困難にぶつかってくじけそうなとき、諦めてしまいそうなときには「うしろを振り返らせる」ようにしてください。男の子の脳はいい意味で単純で、前を向くと自分を待ち受ける困難が見えて、自信をなくしてしまうこともあります。そうではなく、うしろを振り返り、自分がこれまでどんなことを成し遂げてきたかを再認識させるのです。

息子を持つお母さまから「好きだったパズルの問題のレベルが上がってきたことで、解けない自分にイライラして『もうやりたくない!』と言うんです」と相談を受けたことがあります。そこで私は、これまでやってきたパズルの問題やプリントを持って面談に来てもらいました。

すると、男の子は自ら自慢げにプリントのことを話してくれたので、私は興味を持って「どれが一番大変だった?」「一番好きな問題はどれなの?」と質問し、いろいろなことを聞きました。そして最後に「これだけがんばれるすごい子だね、また見せてね」と伝えました。

するとその後、お母さまからその子は次の日からまたパズルをがんばり始めたと連絡がありました。

男の子は、言葉の発達が女の子より遅く、なかなか自分のことを上手に説明することができません。ですが、頭ではちゃんと考えています。

うしろを振り返ることができたら、あとは自分で考えることができるので、周りの大人は余計なことを言わず子どもに考える余地を与えることが大切です。自分ががんばってきたことを確認できれば、それがひとつの成功体験にもなるのです。

ダメ!の使い方を考えると男の子はぐんと伸びる!

こんな”男の子あるある”にどう対処すべき?

  • 危ないことばかりしようとする
  • 絶対できない無謀なことをやろうとする
  • 自由すぎる・理解できない行動ばかり…

自由奔放な男の子を育てていると、異性である母親には理解できない行動が多く、宇宙人のように見えてしまうのも仕方ありません。しかし、つい言ってしまう「ダメ!」の意味を親が考えていくと、男の子はぐんぐん伸びていきます。

男の子の成長には挑戦と失敗が欠かせません。
大きくなってからのやる気は、幼児期の挑戦の数で決まると断言できます。そして、その挑戦の結果は成功でも失敗でもどちらでもいいのです。

男の子は、その行為をしてみるまで何が起こるのかを理解していない・イメージができないことが多く、それゆえ、いろんなものに強い興味を示して後先考えずにやってみようとします。
特に、家の中のような安心できる環境ではこの性質が強く出ます。親からすると「それ絶対失敗するよ…?」というような無謀な行動も、男の子にはその無謀さがわかっていないことが多くあります。男の子の幼児期の行動のほとんどが、興味を探求しようとする行為なのです。

このやってみようという行為を「ダメ!」と止めると、本人はダメと言われる理由を体験できないまま終わってしまいます。そしてダメと制止され続けることで、「〇〇すると〇〇が起こるからダメ」という因果関係に基づいた考え方ではなく、「僕が何かをするのがダメ」というように「自分が」行動すること自体がダメだと勘違いしてしまいます。

その結果、小学生や中学生になって無気力になり、やりたいことがない子になってしまうこともあるのです。

「男の子には挑戦が大事」だと頭の中に置き、本当に危ないことでなければ「ダメ!」と言わず、まずやらせる・失敗させる・体験させることを大切にしてください。すると、自然にやる気のある子に育っていきます。

幼児期の男の子を自由にさせるのは大変ですが、大きくなってやる気のない人間になるほうがよっぽど大変です。ぜひ、挑戦体験ができる環境を整えてあげましょう。



■TERUさん本人が動画で完全解説!「男の子 子育て10ケ条」

***

何も考えていないように見えて…じつはちゃんと色々なことを考えている男の子。自分で考える力や探究の心を大切にして、その成長を見守りたいですね。
次回は、そんな男の子の"やる気をふくらませる声かけ"について、TERUさんに教えていただきます。

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お話を伺った方

家庭教育アドバイザー TERU

幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku

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執筆者

ライター 西方 香澄

徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。

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