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話題の育児書を読んでみた!子育てブックレビュー

「しつけない」しつけって一体何?話題の「非認知能力」を育てるには?”ほどよい親”でいるための実践アイデア満載☆必読の書

「しつけない」しつけって一体何?話題の「非認知能力」を育てるには?”ほどよい親”でいるための実践アイデア満載☆必読の書
子どものワガママ、どこまで受け入れればいい?イヤイヤに手が付けられない!そんな「しつけ」に関する悩み、抱えていませんか?「非認知能力を育てる『しつけない』しつけのレシピ 0歳〜5歳児の生活習慣が身につく」(講談社刊)は、そんな悩みを持つ親にこそおすすめの本。子育て中のライター・河瀬さんがさっそく読んでみました!
目次

「うちの子、危ないことばかり」
「2歳を過ぎても指しゃぶりしてる」
「またきょうだいケンカ!」

…4歳と2歳の娘たちを育てながら、日々悩みを抱えている筆者。
どこまで子どもたちの言動を許すべきか、どこからどう注意すべきかと…。

いっぽう、短気な夫は、「やめなさい!」「静かに!」と子どもたちに躊躇なく怒っていて、それもどうなのかと気になっていました。

『非認知能力を育てる「しつけない」しつけのレシピ 0歳~5歳児の生活習慣が身につく』(講談社刊)は、まさにそんなわが家のための本かと思えるほど、ピンポイントでこれらの悩みへの親の向き合い方や子どもへの対処法が書かれている育児書。

「しつけ」に悩むすべての家庭にオススメします!

※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

「いいこ」の型にはめるのは逆効果!“しつけないしつけ”を

この本では、いま話題の「非認知能力」を踏まえた0歳から5歳児のしつけ方について書かれており、第1部ではそもそも非認知能力ってなに?しつけってどういうこと?というところからわかりやすく解説されています。

本によると、現代は、核家族化で親だけが子育てを担ったり、「これが正しい」という情報に振り回されやすく、親にとっては子育てをするのが大変な時代。しつけストレスがたまるのも当然だといいます。

一般論でいうところの「しつけ」とは、集団生活で規律を守ったり正しい礼儀作法ができるように訓練すること…という感じでしょう。でもそれがしつけなら筆者としては「うちの子、全然ダメだ」となってしまいます。
どうにかして、「いいこ」でいられるようにとしつけをがんばるものの、子どもは全然言うことを聞かない…。

しかし、それは「当然」のことだとこの本ではいうのです。
なぜなら、乳幼児期は個人差や個性が大きく、子ども一人ひとりのペースがあるから。
いざこざを通して人とのつき合い方を学び、ワガママを通して自分の気持ちとの折り合いのつけ方を知り、いたずらを通して未知の世界を探索するものなのです。

だからこそ、「いいこ」の型にはめる「強制型のしつけ」ではなく、

  • 共感する
  • 待つ・見守る
…といった姿勢の「共有型のしつけ」をこの本は提案しています。

その結果、「こうしなさい」と強制しなくても、子ども自身が自分で気持ちをコントロールして行動を変えていけるとのこと。

これこそが「しつけない」しつけ。
親の子どもへの向き合い方こそがしつけそのものなのだと気づかされます。

「非認知能力」が育つ親のかかわり方とは?

「自分の気持ちを自分でコントロールできる」ことは、「非認知能力」のひとつ。

「非認知能力」とは、

  • あきらめずにやりぬくこと
  • 他者とのコミュニケーションが取れること
  • 自尊心や自信を持つこと
など、目には見えにくい心や社会性の育ちのこと。

乳幼児期からこの力を持つことが、大人になってからの幸福度や経済状態にまで影響を与えるのだそう。

では、親は子どもにどのように関わっていくべきなのでしょうか。
第2部ではそれを困りごと別に具体的に解説しています。

①「生活の基本」編では、

  • 全然食べてくれない
  • 寝てくれない
  • お風呂や歯みがきを嫌がる
  • 危ないことばかりする
  • へんな癖が直らない

などの困りごとに関して、やさしく「そういうときはこう言うこと」と子どもの発達段階の解説と親の受け止め方を解説してくれています。

まさにわが子への困りごとだったことへのアドバイスばかりで、一気読み!

とくに、どこまで問題視すればいいのかわからなかった次女・2歳の指しゃぶりの癖(指にタコができるほど…)についても、子どもにとっては意味があるもの。親は見守ってあげて、とあり、気持ちが楽になりました。

子育ては気楽に。ママ・パパで共有したいメッセージがたくさん

他にも、②「人とのかかわり」編では、

  • きょうだいげんか
  • すぐに大騒ぎする
  • 嘘をつく
などのコミュニケーションに関する困りごとについて。

③「育ちと学び」編では、

  • 家庭学習は必要か
  • スマホやゲームの与え方
  • とても弱虫
  • 落ち着きがなく、飽きっぽい
など、乳幼児期の学びや発達段階における気になるこごとについて、たくさん取り上げられています。

収録されていることはすべて一貫して「非認知能力」を育てるために大切にしたい「子どものペース」を尊重した親のかかわり方についての解説。
ですが、それがどれも親にも無理のない提案になっているので、読んでいてホッとさせられます。

また、途中で挿入されている「それって『甘やかし?』」というコラムには、まさにわが家で抱えていた課題に対する答えが書かれていて、非常に勉強になりました。

「甘え」と「甘やかし」の違い、「甘え」は自立を育むもの、「支援的なかかわり」
…これは、子どもの甘えについキツい言い方をしてしまう夫にも読んで勉強してもらわねば!

まずは、親の「機嫌」も意識してみて

そして一冊を通して印象的だった言葉がありました。

―「ほどよい母親」であることが大切、母親が機嫌よくいることが子どもの成長によい影響を与える―

もちろん、これは母親だけでなく、父親にとっても同じことがいえますよね。
わが家も子どもたちに振り回され、イライラすることがそれなりにありつつも、うまく肩の力を抜いて子どもたちを「見守って」いきたいと思います。

夫婦で子育て観が違うご家庭にもオススメの、親の心構えを教えてくれる一冊です!

『非認知能力を育てる「しつけない」しつけのレシピ 0歳~5歳児の生活習慣が身につく』
著:大豆田 啓友、大豆田 千夏
発行:講談社
定価:単行本(ソフトカバー)1,540円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,430円(税込)

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【わたし的評価】
満足度   ★★★★☆
実践度   ★★★★☆
読みやすさ ★★★★★
わかりやすさ★★★★★

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執筆者

ライター 河瀬 みこと

大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。
2023年春より、念願の「食堂+寺子屋 nuinu(ぬいぬ)」開業。

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