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「非認知能力って?」どこよりもわかりやすく解説!

非認知能力を伸ばすために必要な「心のレンズ」。わが子の姿を目的なくぼ~っと見ていませんか?

非認知能力を伸ばすために必要な「心のレンズ」。わが子の姿を目的なくぼ~っと見ていませんか?
「非認知能力」とはこれからの時代を生き抜く子どもたちに欠かせない、幼児期から意識してつけていきたい力。教育方法学の専門家・岡山大学の中山芳一先生に、いま注目のキーワード・非認知能力について、連載でやさしく教えていただきます。
目次

子どもの非認知能力を伸ばすための親の関わり方を、岡山大学の中山芳一先生にやさしく教えていただいているこの連載。

前回は、わが子をあいまいで雑にほめることのないように子どものステキな姿をしっかりキャッチする、つまり「見取ること」が大切で、そのために「レンズ」を持ちましょうという確認をしました。
今回はその「心のレンズ」についてのお話です。

「ステキな場面を見つけよう」という目的意識が大切

みなさんは"レンズを持ってわが子のステキな姿を見取る”とはどういうことか、イメージできますか? 

例えば、「まちがい探し」をしたことがありますよね。
2枚の同じような絵や写真を見比べながら、違っているところはどこだろうかと探すあれです。「こちらの絵の花瓶にはお花が3本なのに、こっちは4本だ…」などと間違いを見つけていきます。

この間違いを「見つける」ことと、ステキなところを「見取る」ことは、とても似ているといえるでしょう。

なぜなら、いずれも「まちがいを見つける」という意識と「ステキなところを見取る」という意識が働いているからです。つまり、これらは、ともに目的意識があることがわかります。

この目的意識がなければ、見つけることも見取ることもできないわけです。

みなさんは、車やバッグなどを新しく買おうとして「よしっ!これを買おう!」とか「どっちを買おうかな…」などと考えていると、やたらとその車やバッグを発見することがありませんか?
実は、これは気になっているものへ目的意識が芽生え、注意を向けているからなのです。ちなみに、専門用語ではこれを「選択的注意」とよんでいます。

ふだんの暮らしの中で、子どもたちが私たちに見せてくれるさまざまな姿を、ただ目的なくぼ~っと見ているのか、「ステキな場面はないだろうか」と目的意識を持って見取ろうとしているのかでは、当然のことながら発見する量も中身も、その差は歴然でしょう。

レンズを持ってわが子のステキな姿を見取るためには、「わが子のステキな姿を見つけよう」という目的意識を持つことから始まるのです。

親がどんなことに価値を見出しているかが問われる

さて、ここで思い出してみてください。
私たちは、何のためにわが子のステキな場面を見取って、わが子とそれをシェアするのでしょう?

「その行動はとても価値あること(=非認知能力)なんだよ!」「だから、その非認知能力をこれからも伸ばしていってほしいな!」と確かめ合うためですよね。

ママやパパと確かめ合うことで、子どもが「これからもっとこのチカラ(=非認知能力)を伸ばしていきたい!」と思えたらよいですね!

そのために、私たちはわが子とステキな場面をシェアするんです。

つまり、わが子とシェアしたいステキなところとは、みなさん自身が「価値あること」として認識しているものなんです。

例えば、みなさんにとって、特に努力をしなくてもテストで100点を取ることに価値があれば、その価値をシェアしていくことになります。
一方、仮にテストで100点を取れなかったとしても、それまでの間粘り強く努力してきたことに価値を置いているとすれば、きっとその価値をわが子とシェアできるでしょう。

…ということは、親のみなさんがどんなことに価値があると認識しているのかが問われてくるわけです。

まずは親が自分の価値観を振り返ってみよう

さあ、改めて考えてみましょう。
日々の子育ての大変さも、お仕事や家事の大変さもいろいろあって、なかなか落ち着いて自らを振り返ることは難しいかもしれませんが、それでもやはりそんな時間は必要なんです! 

みなさんは単なる結果以上に、そこに到るまでの過程にこそ価値があると思っていますか?
そして、その中で子どものどんな姿にビビッときますか?

A:しんどいことがあってもグッと我慢しようとしている姿
B:やる気いっぱいにいろんなことに挑戦しようとしている姿
C:友だちと教え合ったり、助け合ったりして一緒にやろうとしている姿

それとも…
もちろん、ひとつだけでなくてもOKです。

大切なことは、いま、このとき、わが子のステキな姿にはどんな価値があるのかを、親自身がはっきりさせられているかどうかなんです!

だからこそ、みなさんの中の価値を改めて考えてみてください!!

みなさんの中の価値あることが非認知能力と関わってくればくるほど、わが子の価値ある姿を見取ってシェアすることで、子どもはその非認知能力をぐんと伸ばしていってくれるでしょう。

次回は、この「非認知能力レンズ」にさらに磨きをかけるにはどうしたらいいのか、ご紹介していきます。

「やさしくわかる非認知能力」今回のポイントまとめ

  • 子どもを見守るとき「ステキな場面を見つけそう」と目的意識をもつことが大切
  • 親が、自分がどんなことに価値を見出しているのか、はっきりさせておくことが大切
  • 親が価値があると思っている"子どものステキな姿"を見つけて、親子で確かめ合うことで非認知能力を伸ばしていける


子育てに役立つ名言を集めた、おやこのくふうインスタグラムは @oyako_kufu

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執筆者

岡山大学准教授 中山 芳一

1976年岡山県生まれ。岡山大学 全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のためのキャリア教育に取り組むとともに、幼児から小中高学生の各世代の子どもたちが非認知的能力やメタ認知能力を向上できるように尽力している。9年間没頭した学童保育現場での実践経験から、「実践ありき」の研究をモットーにしている。『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(ともに東京書籍)ほか著書多数。最新刊は監修をつとめた『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』(東京書籍)。

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