また怒ってしまった、怒りすぎたかも…そんなときでも愛情をしっかり伝えられる【子どもの怒り方・子どもへの謝り方】

今回は、前回の「すぐわが子にイライラしてしまう」と悩むママへの回答の続きです。

⇒すぐに子どもを怒ってしまう…と悩んでいるママたちへ。「子どもを怒ってはいけない」と思い込んでいませんか？

ついイライラしてしまったとき、怒りたくなったときにどうすればいいか、子どもコンサルタントの原坂一郎さんに教えていただきます。
今回はママからのお悩みですが、もちろんパパが子どもを怒るときにも使えますよ。

＊＊＊

前回の記事で、"母親はわが子を世界一怒ってもよい人"とお伝えしました。

たとえそうであっても、子どもを怒った後って、気まずくなるときがありますよね。「ああ。また怒ってしまった」「ちょっと怒りすぎたかな」と…。

そんなときに知っていると役立つ対処法をご紹介します。

入浴時は子どもに気持ちを伝える絶好のチャンス

私が日本のお母さん方の大好きなところは、子どもをよく怒ってしまうのを自覚し、それを反省される方が多いことです。 子どもに謝るお母さんも多くいます。
でも、ちょっと残念なのは、子どもの寝顔に向かって謝る人が多いことです。「きょうは怒ってしまってごめんね」と。

子どもの寝顔に謝っても子どもには伝わりません。
おすすめはお風呂の中で謝ることです。

親子で入る湯船の中は心身共にとてもくつろいだ感じになりますよね。
そのときに突然でいいので切り出すのです。

「ねえ、ママって、よく怒る？」
するとたいていの子どもはかわいく「うん」と言います。
そこでこう言うのです。

「ママはね、あなたが大好きだから怒るの。大好きでいい子になってほしいから怒るの。きょうも怒っちゃってごめんね」

すると、子どもはいとも簡単に「いいよ」と言います。

ふだん子どもに面と向かってなかなかそういうことは言えなくても、湯船の中だととても言いやすいものです。 また、その言葉は、すべて本当のことだから心から言うことができます。

そのとき子どもは無表情を装ったりしますが、ママに大好きと言われてとてもうれしいものです。
そして「ママが怒るのは自分が好きだからなんだ」と理由もわかって安心もします。
次の日にまた怒られたとしても、いつもとは違う気分で受け止められるものです。

月に一度くらいはやってみてくださいね。

瞬時に怒る前に戻る「あれはあれ」作戦

怒ってしまった直後に、「怒りすぎたかな」と思うお母さんにおすすめしたいのは、「あれはあれ」作戦です。

それは、怒ったあと瞬時に怒る前のママに戻り、何事もなかったようにいつものやさしいママになる、ということです。

子どもは怒られたあと「ママに嫌われてしまったのでは」と心配しているものです。
そんな誤解を解くためにも、怒った後は、まさに「あれはあれ」の精神で、いつものやさしいママに。それだけで子どもは安心します。そのうれしさで「ママ〜」と、といつも以上に甘えてくることもあります。

これができるママは"感情的に怒っているのではない"という証拠です。
それができないときは、感情的になってしまっているかもしれないので、気を付けてくださいね。

愛情をしっかり伝えながら怒る

もうひとつ、抱っこしながら、または手をつなぎながら怒る、というのもおすすめです。
子どもは、「怒られているけど、ちゃんと愛されている」ことを感じます。

ママも、感情的になっているときは絶対にできないことなので、自分は感情的になっていないことを確認できます。

子どもが同じことをしても、怒るお母さんと全然怒らないお母さんがいますよね。
それは、それぞれの"心の余裕の差"などと言われることもありますが、母親業というのは誰でも大変なはずなので、心の余裕の差などではないように思います。

私はそれは「怒りの沸点の差」だと思います。

たとえば、前者のお母さんは、少々のことは「まあいいか」「仕方がないか」という見方で子どもを見てるものです。 すると怒りの沸点が高くなり怒る回数も自然と減ります。
一方、沸点の低い人は、子どもがちょっと何かをしただけで、すぐに怒ってしまう、というわけです。
子どもに対する考え方の違いとも言えるかもしれません。

この連載を読んでいただくと、子どもへの見方が変わり、沸点もだんだん高くできるように思います。これからもぜひご覧くださいね。