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話題の育児書を読んでみた!子育てブックレビュー

「ちょっと待って」「こっちにしたら?」って言ってない!?いま話題の『天使の口ぐせ』を知ってますか?

「ちょっと待って」「こっちにしたら?」って言ってない!?いま話題の『天使の口ぐせ』を知ってますか?
子どもとのコミュニケーションに迷ったり、行き詰まったりしている親に向けた話題の一冊『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ』(マキノ出版)を、自身も子育て中のライター河瀬さんがレビュー。子どもについ言いがちな「悪魔の口ぐせ」の直し方がわかります!
目次

こんな"悪魔の口ぐせ"使っていませんか?
「何回も言ったよね?」
「こっちにしたら?」
「ちょっと待って」

本書の帯に書かれているこの文章に、ドキッ!
毎日のようにわが子に言っているけれど、これってダメなの…?

ダメならその理由も知りたい、と思って手に取った『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ』(マキノ出版)。Amazonの売れ筋ランキング「児童心理本」ジャンルで1位(2021年3月時点)と注目されている一冊です。

いったいどんな声かけなら、悪魔から天使になれるのか…探っていこうと思います!

衝撃!子どもへの言葉の選び方を間違えると自己肯定感を下げる

自身の子育て経験からコーチングの勉強にたどり着いた著者の白崎あゆみさんは、元アナウンサーで、言葉の重要性にもともと意識が高かったそう。それでも、子どもへの声かけに関しては「時間を巻き戻してやり直したい」ほどの失敗経験があると言います。

白崎さんが実体験を通して学んだことは、
●言葉の選び方が間違っていると、子どもに思いは伝わらない
●伝わらないどころか、ありのままの自分を受け入れる「自己肯定感」を大きく下げる
ということ!

子どもは親からのコミュニケーションを通して、自己肯定感を築いていきます。だからこそ、まずは親自身に自己肯定感を持ってほしいと白崎さんは語ります。

そのためにも、親の思い込みでネガティブなニュアンスになる「悪魔の口ぐせ」を、子どもに前向きな思いが伝わり行動を変えさせる「天使の口ぐせ」にすることが大切なんだとか。そして「天使の口ぐせ」を実践することで、親も子も自己肯定感を高めていけるそうなんです!

「悪魔の口ぐせ」には、親自身の「こうしたい」「こうあるべき」という思い込みが隠れている!

たとえば本書の帯に書いてあった「ちょっと待って」という言葉。
子どもに"気をつけて"という思いでよく言いますよね。どうしてこれが「悪魔の口ぐせ」なのでしょう?

その理由は、子どもの「やりたい気持ち」よりも、その場が「安全かどうか」といった親の守りたい気持ちが強く出てしまっているためだと、白崎さんは解説します。

また、親が「ちょっと待って」を繰り返しているうちに、チャレンジ精神旺盛だった子が、顔色を気にしながら「ママはどうしたいの?」「ママが決めて」と消極的な態度を取るようになってしまったという体験談も…。

白崎さんはこの「ちょっと待って」を「やってごらん、いつでも助けるよ」に言い換えることで、子どもの「やりたい」気持ちを奪わず、親からの応援を伝えられるといいます。

まさに、これこそが「天使の口ぐせ」!
親が子どもの自己肯定感を損なわずに、子どもが成長できるような行動に変えていける言葉なのです!

ほめる・怒る・励ます…シーン別の「悪魔の口ぐせ」「天使の口ぐせ」例がたくさん!

本書の中では、ほめる・怒る・励ます・促す・止めるという5つのシーン別の体験談で、「悪魔の口ぐせ」例とそれを言い換えた「天使の口ぐせ」を紹介しています。

たとえば、「怒る」シーン。
子どもに何回注意しても効果がないときによく出てしまう「何回も言ったよね?」は、悪魔の口ぐせ。
それを天使の口ぐせに言い換えると…「やるべきことを一緒に考えよう」

同じことを何回も言っても伝わらないのであれば、伝わるようにほかの方法を試すべき。親が一方的に指示を出すのではなくお互いが当事者になって考えることが大事!

それによって子どもの行動も変わると言います。

確かにこの言い方なら、親のストレスは減り、子どもにとっても「どうするのがいいのか」がわかりやすく伝わりますね!

ほかにも

●促すときの口ぐせ例
- 悪魔の口ぐせ:こっちにしたら?
(親の都合がいいものを勧める→「自分の意見は聞いてもらえない」)
- 天使の口ぐせ:それが欲しいんだね
(子どもの気持ちをまずは受け止める)

●止めるときの口ぐせ例
- 悪魔の口ぐせ:ダメだよ!
(一方的に禁止する)
- 天使の口ぐせ:どうなると思う?
(子ども自身に、今やっている行動について自覚を促す)

どれも身に覚えのあるシーンばかりで、読みながら「この言葉、子どもにはこう伝わっていたのか」「だから言うことを聞いてくれなかったのか」と、ハッとさせられることばかりです!

「天使の口ぐせ」を知っていくことで、ふだんの「なんで言うこと聞かないの!?」というイライラから解放されて、子どもとのやり取りがもっとスムーズになりそうです!

子どもに必要な力は"親の言葉"で身につく!

大規模な自然災害に、新型コロナによるパンデミック…私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。
本書のラストで、このような時代を生き抜くために身につけたいのは「自己決定力」だと白崎さんは語ります。

その自己決定力をつけるためには、親の決めつけや思い込みで子どもの選択肢を奪わないこと、そして、何が正解かわからない時代を生き抜くために、子どもが自分で考える力をつけることが大切だと言っています。 つまり、「悪魔の口ぐせ」を「天使の口ぐせ」に変えることで、そういう力が自然と子どもに身についていくということなんですね。

私たち親の「口ぐせ」に潜んでいる、子どもへの大きな影響力。
ステイホームで子どもと一緒にいる時間が長くなっている今だからこそ、その影響力の大きさに一刻も早く気づいて、見直していきたいですよね。
この一冊で、自分の子どもへの声かけの点検ができます!

そしてわが子には、生きづらい世の中にも柔軟に立ち向かっていってほしいと願うママやパパに必読の一冊と自信をもっておすすめします!

『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ』
著者:白崎あゆみ
発行:マキノ出版
定価:1,540円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,247円(税込)

【わたし的評価】
満足度   ★★★★☆
実践度   ★★★☆☆
読みやすさ ★★★★★
わかりやすさ★★★★☆

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執筆者

ライター 河瀬 みこと

大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。
2023年春より、念願の「食堂+寺子屋 nuinu(ぬいぬ)」開業。

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