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ガミガミ叱る毎日に疲れたら…怒りたくなる場面をチャンスに変える!子どもも納得する【叱り方】3つの心得

ガミガミ叱る毎日に疲れたら…怒りたくなる場面をチャンスに変える!子どもも納得する【叱り方】3つの心得
人気教育系YouTuberの葉一(はいち)さんと教育方法学の研究家・中山芳一先生のコラボ連載。今回は葉一さんに、子どもを叱りたくなる場面で心がけている3つのことをご紹介いただきます。
目次

YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」の登録者数136万人!
人気YouTuberの葉一さんは、小学1年生と年少の2人の息子さんを育てるパパでもあります。ふだん実践している"シンプル子育て"には、葉一さん流の子育てのポイントがたくさん!

今回は「子どもを叱りたくなる場面で心がけている3つのこと」について。ガミガミ叱ることも多い毎日、叱り方で悩む人も多いのではないでしょうか?

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こんにちは、葉一です!

葉一さん 葉一

子育て歴7年目の私にとって、子育ての場で毎日のように反省を繰り返しているのですが、その中でも「つい言い過ぎてしまった」という場面が多々あります。

親だって人間ですから、当然、感情の動きがありますよね。気分がいいときもあれば、虫の居所が悪い日もある。仕方ない部分も多分にあるかと思いますが、それでも筋の通っていない理不尽な叱りは子どもにとって納得いかない面はあるはずです。

そこで、私は叱るということについて3つのルールを決めています。

1.「ダメ」より「ヤダ」を使う

「〜やったらダメ!」「この前もダメだって言ったでしょう!」
つい反射的に出てしまう言葉ですよね。

ですが、これを読んでくださっている方の中でこのように感じている方もいるのではないでしょうか。

「使えば使うほど、ダメの効果が効かなくなっていく」と。

これは塾講師時代から感じていたことですが、子どもたちは「ダメ」を多用する人を避けます。
ダメって自分を否定されているように感じてしまうんですよね。大人側は「〜することはダメなんだよ」と伝えているつもりでも、「お前はダメなやつだ」と子ども側が受け取ってしまうわけです。そうなると反抗したくなる気持ちも少し分かっていただけるかな、と思います。

それを避けるために「〜したらパパはヤダな」という言い方をわが子には使うようにしました。基本的に子どもたちはママ・パパのことが大好きです。小さいうちから自分の親を傷つけたいと思っている子はいません。だからこそ、この伝え方は子どもたちに届きやすいように感じています。

ちなみに、細かいところですが「パパも○○の嫌なことはしないようにしたいから、されて嫌なことがあったら言ってね」という声かけもよく行なっていました。
子どもと対等な関係を築くことでこちらの思いが届きやすいという点と、「嫌なことは嫌と言えるようになって欲しい」という私の願いが込められています。

ただし、ここまで読んでいただくと「ダメ」という言葉を使っちゃいけないように感じさせてしまったかもしれませんが、そうは思っていません。

例えば、「人に手を出す」「悪口を言って他人を傷つける」など私にとってNGのものについては「ダメ」を使います。強い言葉だからこそ、いざというときに使うイメージです。このNGはご家庭の方針やルールによっても変わると思いますが、ぜひダメという言葉を使う場面をコントロールしてみてください。

2."何を注意したいのか"をクイズ形式にしてしまう

「〜したらヤダ」という伝え方を紹介しましたが、これも多用していると効果は薄くなってきます。それでも、子どもたちは同じミスを繰り返すこともありますよね。

そういったときには、子どもに注意されるところを答えさせる方法が有効です。

「問題です。パパは何を注意しようとしているでしょうか!」

これは普段、私がよく使っているフレーズです。子ども自身が何を注意されようとしているのかを自ら気づくことは、親が注意するよりも効果がありますし、子ども自身の自主性も育むことができると思っています。
それに、自分自身で気付くことができると「おお、正解!自分で気づけてすごいじゃん!次もよろしくね!」というような声かけができるので、お互いに前向きな気持ちでやりとりを終えることができるのも良いところです。

声を大にして叱る場面は出来るだけ少ない方がいいですよね。
親にとっても叱るのって疲れますし…。

ですから、自分の力で気づけるように、1やこれから紹介する3の内容なども参考にしてみてください。

3.お叱りタイムはとにかく短く

これはとてもシンプルで、叱っている時間は短く済ませることが大切です。

大人でも叱られることが好きという人はなかなかいないと思います。できれば叱られずに日々を過ごしたいものです。そして、それは子どもたちも一緒です。

ですが、子どもたちは失敗をします。それは大人よりもいろいろな経験や体験が少ないので、仕方のないことです。ただ、それを叱る場面で、クドクドと話が長くなったとします。そうすると子どもたちは「次は失敗しないように気をつけなきゃ」という思いから「早くこの時間が過ぎないかな」という思いにシフトしてしまうのです。

それなりの年齢になれば、悪知恵も付いてきます。
「こういう風に謝れば、この時間が早く終わるからテキトーに聞いて謝ればいいや」と思う子も当然出てきます。私も学生の頃を思い出すと身に覚えがあります…。

皆さんは何のために子どもを叱りますか?

多くの方は、わが子のことを思い、子どもが同じ失敗をしないようにするためと考えていると思います。ですが、クドクドと叱ってしまうと「この失敗がいけなかった」という一番大切なポイントがぼやけてしまって子どもに伝わらなくなってしまうのです。

ですから、雷を落として重要なポイントを伝えたら、あとはすぐフラットな気持ちに戻してあげましょう。子どもは自分自身でその場の重たい空気を戻すことはできませんから、ぜひ、大人側が空気を戻してあげてください。

ちなみに、私が雷を落としている場面を見ていただくと、二重人格なのかと思われるくらいに切り替えています。
ちょっとやり過ぎに見えるかもしれませんが、子どもたちに「怒られている時間」と「そうじゃない時間」の区別をはっきり感じて欲しいのでそのようにしています。


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「ダメ」を連発してしまったり、つい感情のままに怒ってしまいクドクド言ってしまったり…心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
すぐに実践できそうなこの3つ、さっそく取り入れてみてはいかがでしょう。

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監修者

岡山大学准教授 中山 芳一

1976年岡山県生まれ。岡山大学 全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のためのキャリア教育に取り組むとともに、幼児から小中高学生の各世代の子どもたちが非認知的能力やメタ認知能力を向上できるように尽力している。9年間没頭した学童保育現場での実践経験から、「実践ありき」の研究をモットーにしている。『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(ともに東京書籍)ほか著書多数。最新刊は監修をつとめた『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』(東京書籍)。

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執筆者

教育YouTuber 葉一

1985年、福岡県生まれ。東京学芸大学卒業後、教材販売会社勤務、学習塾講師を経て、2012年から小学校3年生から高校生向けの学習動画を配信。経済的事情から望む教育が受けられない教育格差の解消を目指す。最新刊に『塾へ行かなくても成績が超アップ!自宅学習の強化書』(フォレスト出版)。2男の父。
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