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今こそ!シンプル子育てのすすめ

幼児期の学習には大きな落とし穴アリ!「親の顔色をうかがいながら」になっていませんか?

幼児期の学習には大きな落とし穴アリ!「親の顔色をうかがいながら」になっていませんか?
人気教育系YouTuberの葉一(はいち)さんと教育方法学の研究家・中山芳一先生のコラボ連載。今回のテーマは気になる幼児教育について。
目次

YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」の登録者数136万人!
人気YouTuberの葉一さんは、小学1年生と年少の2人の息子さんを育てるパパでもあります。ふだん実践している"シンプル子育て"には、葉一さん流の子育てのポイントがたくさん!

今回は「幼児期の学び」について。読み書きに計算、英語…最近は早くから取りかかる家庭も多く、それらを見てわが子にもつい小さなうちから色々なことを教えたくなりますが…

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こんにちは、葉一です!

葉一さん 葉一

「幼児教育が大事」と様々なところでいわれるようになってから久しいですよね。多くの方がそう思い、いろいろな情報収集をされていると思います。

幼児期からいろいろなものに触れさせるのは大きな価値があります。それは経験(キャンプの経験、虫に触る経験など)という意味でもそうですし、学習においてもいえることです。

ただ、私は学習において目的を間違うと大きな落とし穴にお子さんを突き落とすことにもなり得ると思っています。

※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

子どもに「やりたい」という気持ちがなければただの苦痛に…

英語学習を例にあげると、幼児期からネイティブの方の発音に多く触れておくと、リスニング力が上がります。これは事実です。ただ、それを「将来に役立つから」という理由で学習を押し付けてしまうのは話が変わってきます。だって、子どもたちにとっては「将来役立つ」なんて、微塵も価値を見いだせないのですから。

これは前回書かせてもらった記事の"興味と辞める選択肢"に関わることですが、学習において子どもたちの興味、もっというと「英語を勉強したい」という気持ちがなければ、学習がただの苦痛でしかありません。

しかも、子どもたちは子どもたちなりに親の顔色を見ているので「やめるって言ったらお母さんが悲しむ」と思いながら続ける子も少なくありません。

話が少しそれてしまいましたが、私は幼児期に必要なのは「いろいろな知識を得ること」自体ではなくて「新しい知識を得ることへのポジティブイメージ」だと思っています。

「自分の名前を書けるようになったらママにほめられた」
「新しいことを覚えることってかっこいいんだ」

学習だけに限ったことではありませんが、その行為自体にポジティブイメージがあるかどうかで人の成長速度は大きく変わってきます

「パパに怒られないために勉強しなきゃ」
「英語教室で恥ずかしい思いしたくないから宿題やらないと」

こういったマイナスを回避するためにする学習は成長速度が遅く、なおかつ早い段階で壁にぶつかってしまいます。そうではなく、プラスのイメージを子どもたちに持たせてあげることが一番大切だと思うのです。

親御さんの言葉って、ご自身が思っている以上に子どもたちにエネルギーを与えます。ママがうれしそうなだけで子どもはうれしくなるのです。

ですから、ギクシャクしながら学んでいくのではなく、親も子どもの成長を楽しみながら前に進んでいって欲しいです。

だって、昨日書けなかったひらがなが書けていたら感動しません!?

そうやって小さな成長を噛みしめつつ、まずはご自身が楽しんで教育について向き合っていただけたら幸いです。


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幼児期にするべきことは先の長い学びの旅への土台作り、知識の詰め込みではなく、学びで得られる楽しさを知る時期。 小さな頃にポジティブなイメージを持てれば、これから先も主体的に学びに向かっていくことができそうですね。

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監修者

岡山大学准教授 中山 芳一

1976年岡山県生まれ。岡山大学 全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のためのキャリア教育に取り組むとともに、幼児から小中高学生の各世代の子どもたちが非認知的能力やメタ認知能力を向上できるように尽力している。9年間没頭した学童保育現場での実践経験から、「実践ありき」の研究をモットーにしている。『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(ともに東京書籍)ほか著書多数。最新刊は監修をつとめた『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』(東京書籍)。

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執筆者

教育YouTuber 葉一

1985年、福岡県生まれ。東京学芸大学卒業後、教材販売会社勤務、学習塾講師を経て、2012年から小学校3年生から高校生向けの学習動画を配信。経済的事情から望む教育が受けられない教育格差の解消を目指す。最新刊に『塾へ行かなくても成績が超アップ!自宅学習の強化書』(フォレスト出版)。2男の父。
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