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女の子を健やかに伸ばす育て方とは?

自分の意見をもち、自ら選択できる子に育てるために…令和時代に「女の子育児」で注意したい3つのポイント

自分の意見をもち、自ら選択できる子に育てるために…令和時代に「女の子育児」で注意したい3つのポイント
【女の子の特徴と育て方】女の子の子育てで気をつけたいことを、家庭教育アドバイザーのTERUさんに教えてもらいました。自己主張がしっかりでき、自ら選択していく力のある子に育てるためのポイントを紹介します。
目次

世の中の流れもあいまって、性差を気にせず子育てしたいという意見も多い一方で、明らかに男の子とは違う言動の女の子に対して、どのように育てていけばいいのか悩むママパパも多いのではないでしょうか。

大人の言動をよく見ていて、どんどん吸収する女の子。とくに母親は「自分に似てきた」とドキッとすることもあるかもしれませんね。

前回の記事「聞き分けのよい女の子だからこそ"失敗を恐れず挑戦する心"を持たせるための親の関わり方が大切だった!」では、失敗を恐れずに挑戦する心を育てるための親の関わり方を紹介しました。

今回のテーマは、女の子の個性を受け入れて伸ばしていく育て方について。
共感力が高いために自己主張を控えてしまったり、女の子だからとやりたいことをセーブしてしまったりしては残念ですよね。特にこれからの時代、女の子の成長を見守るうえのポイントを、家庭教育アドバイザーのTERUさんに教えてもらいました。

もちろんすべての女の子に当てはまるわけではありませんが、傾向を知ることでわが子の育て方のヒントが見えてくるはず!

気になる行動が出てきたときは親が自らの姿を振り返ってみる

女の子は細かいところまで親を見ていて、ドキッとすることがあります

おやこのくふう編集部 編集部

女の子は親の言動をよく見て、それを吸収して成長していきます。とくに同性である母親の姿はよく見ていて「女の子はお母さんの鏡である」ということもできるでしょう。

ですから、もし子どもに何か問題だと感じる言動が出てきたときは、まずは親自身が自分の姿を見直してみることが大切です。親のいい部分を子どもが吸収していってくれるように、日頃から言動に注意していきたいですね。

それから、子どもの性別に関係なく、私は「親が自分の人生を楽しむこと」「親が自己成長に取り組むこと」がとても大切だと考えています。

子どもは、親が自分の人生を楽しむ姿を見て、自分が生まれてきてよかったと潜在的に感じることができます。そして、親が日々自己成長のために勉強や読書に取り組む姿を見て、学ぶ楽しさや成長する楽しさを学びます。

これは子育てにおいて普遍的なことですが、特に女の子はそれを敏感に感じ取ることができ、親の幸せを自分の幸せだと感じることができるのです。ですから、女の子が親の姿や親の心を通して成長していくことを意識して、親も自分自身のことを大切にしていくことが大きなポイントになっています。

親の考えを無意識に押し付けない!本人の選択を大切にする

言動と同じように、考え方や好みも親に似てくるのでしょうか?

おやこのくふう編集部 編集部

前述のように、女の子は言動が親に似てくることがありますが、考え方や好みも親と同じになるかというと、そうではないことが多いです。
ですから、親が「自分と同じであるはず」と考えて親の趣味嗜好を押し付けてしまうと、子どもが自らの個性を主張する機会を失ってしまったり、自分が何が本当に好きなのかがわからなくなってしまうことがあります。

女の子は共感する力が強いので、親の気持ちをくんで「自分もそれが好き」となってしまいがちです。しかし心の中では「違うのになぁ」という想いを抱えていることもあります。そうならないためには、いろんなものを自分で選ばせていくことが大切です。

子どもは0歳から選択する力があると言われています。言葉でのやりとりが難しい年齢では簡単な指差しでの選択を、そして年齢が上がっていけば「今日どの洋服を着ていくか」「どの文房具やおもちゃを買うか」といった、日常の中で自らの意思で選択できる機会を意識して作っていくと、子どもの個性はどんどん伸びていきます。

自己選択の積み重ねは人生の岐路で生きてくる

そうして積み重ねた自己選択の機会は、さらに大きくなってから進路のような大きな選択をする場面で生きてきます。

親の大きな期待を背負った男の子にも言えることではありますが、じつは女の子はそういった大きな選択の場面で自分の気持ちよりも親の考えを優先してしまいがちです。そしてその経験が「自分の考えを聞いてもらえなかった」という被害者のような思いに変わってしまうこともあります。

選択の場面をネガティブな経験にしないためにも、女の子に接するときにはより意識して本人の選択を大切にし、大きな選択の場面でも自分の想いを主張できるような土壌を作ってあげることを意識してほしいと思います。

「女の子なのに」という考え方はナンセンス!

女の子っぽいことをあまり好まないと、親は気になってしまうこともありますよね

おやこのくふう編集部 編集部

女の子だからと言って、ここまでにお話したような傾向が全員に当てはまるわけではありません。「女の子なのに、おままごとよりも外でどろんこになって遊ぶのが好き」「女の子なのに、全然お手伝いをやりたがらない」といった、「女の子なのに」という枠に子どもを当てはめないでください。

女の子育児に限らず、子育てにおいて一番危険なのは、「普通」にこだわりすぎることです。「女の子は普通こういうものだ」と「普通」にこだわると、子どもの「普通」じゃない部分が短所に見えてきたり、問題に思えてきたりします。その「普通」の目をなくすと、今まで問題に見えていたものがスッと解決するものです。

子どもの問題を作り上げているのは、まぎれもなく親の見方であって、「男の子・女の子」という分け方もその1つです。

本当に大切なことは、性別に関わらず、その子の個性を受け入れて伸ばしてあげることです。当てはまらない部分はその子の個性と考えて、広い視野で子育てをしていただきたいですね。



■TERUさん本人が動画で完全解説!「女の子 子育て10ケ条」

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女の子は親の姿を通して成長していく…親としてはドキッとする言葉ですが、敏感で共感力の高い女の子だからこそ。近くで寄り添う親は、自身の言動を振り返ってみる必要がありそうですね。

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お話を伺った方

家庭教育アドバイザー TERU

幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku

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執筆者

ライター 西方 香澄

徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。

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