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保育士が教える小学校入学までに身につけたいこと

【小学校の給食対策】15分ほどで食べなければいけないことも!楽しい給食時間を送るために家庭でやっておきたいこと

【小学校の給食対策】15分ほどで食べなければいけないことも!楽しい給食時間を送るために家庭でやっておきたいこと
決められた時間の中で、苦手な献立も含めて食べなければいけない小学校の給食。気になる給食の悩みと対応方法を元保育士の炭本まみさんが教えます。
目次

給食は子どもにとって楽しい時間。でも幼稚園や保育園と違い、準備・運搬・配膳から片付け・最後の運搬まで子どもたちが行うのが小学校生活です。

1年生であっても、ある程度生活に慣れてくれば先生が手伝いながらも子どもたちが盛り付けと配膳を行います。
準備・運搬から食事、そして片付けまでの時間はトータルで45分程度。一体食べる時間は何分あるの?うちの子大丈夫かな?と心配になるかもしれません。

また、熱い汁物なども子ども同士で配膳します。こぼさず配膳したり、ちょうど良く盛り付けしたりといった準備も行います。

小学校の給食事情と、家庭でフォローしたり意識して取り組んでおきたいことを、元保育士の炭本まみが解説します。

給食を食べる時間は15分~20分

小学校では4時間目の授業が終わり次第、机の上を片付けたり机の上を拭いたり、手洗い・トイレなどを済ませ、給食の準備がスタートします。

入学してしばらくは、調理員の方々が教室まで給食を運んでくれたり、高学年の子どもたちが運んできてくれたりします。
また、盛り付けは担任の先生が行い配膳だけを子ども達が行うこともあります。

いずれにしても、4時間目の授業が終わってから準備・配膳・「いただきます」までを15分間ほどで行わなければなりません。1クラスの人数が約35名前後ですから、大変な忙しさです。

初めのうちは配膳中にこぼしたり、ふらふら歩く子どもとぶつかって床に散らばってしまったりとトラブルも多いので、ヘルプの先生が入ることも。

それでもゴールデンウィーク明けから5月末にかけて、少しずつ1年生の子どもだけで準備をするようになってきます。
4時間目の授業を少し早めに終わらせて準備に取り掛かる時間を確保するクラスもあるほど、先生は大変な思いをしていることでしょう。

準備が整ったらいよいよ食事の時間ですが、上手くすすんでも、給食後の中休みの時間まではすでに30分を切っているかもしれません。片付けのことを考えると実際に食べる時間は15~20分程度と考えられます。
子どもたちも食べ慣れない味わいや調理方法、牛乳が苦手、量が多くて食べきれないなど、さまざまな壁にぶつかることも。

初めのうちは、休み時間を確保できず5時間目が始まる寸前まで給食の片づけをしているクラスがあるほど。

給食時間が苦手にならないようにするために、家庭で事前に練習しておけることや慣れておいた方が良いことが結構ありそうですよね!

おうちで少し意識をすることで、子どもが小学校の給食時間も楽しく過ごせる工夫をご紹介しましょう。

家庭でも食べる時間や過ごし方を意識して

おうちの夕飯の様子はどのような感じでしょうか。
ちなみに筆者は、小中学生の子どもたちとテレビをつけながらお喋りしながら食事をしています。年齢の違う子どもと親が、共通の話題で盛り上がったり笑ったりと楽しく一緒に過ごせるのは食事の時間だけ…という年齢にまで成長してしまいました。

今でこそ、テレビを見ながらでもさっさと食べ終えることができるようになり、準備や配膳、片付けや食器洗いもしてくれて、とても助かるようになりました。

しかし長男が小学生のころは、食事が遅い、よくこぼす、嫌いなものを食べさせると嘔吐することもある、と長男はもちろん先生も大変困っているようでした。

このため小学校入学前は、さまざまなことに意識を持って食事の時間を過ごしていました。 当時、家庭で練習したり、意識していたことを紹介します。

テレビを消して食べることに集中

食事の時間は地域のニュースやお天気予報、楽しいバラエティー番組が放送される時間。親も子どもとテレビを見てリラックスしたいですよね。

でもわが家の場合にはテレビを消すことで、食事に集中できるようになり、使っている食材や、学校給食のメニュー、学校であったこと、先生に叱られたことなどを話してくれるようになりました。

小さな頃は味覚が育ち切っていないため、小学1年生であっても、まだまだ偏食が多いはずです。
けれどひとかけらでも食べられたらOK。または、食べられない時は無理させず残させました。その際も、子どもから「残してもいい?」と自発的に聞かせるようにしていました。

こちらから「どうするの?残すの?」と声をかけてばかりいると、学校でも言えなくなるといけないと感じていたからです。

誰しも苦手な食べ物はあるはず。そのうち食べられるようになるかもしれません。
嫌いなものを無理に食べることよりも、給食の時間が楽しかった、残したけれどほかのものは食べられたと満足できる気持ちが大切だと考えています。

時間を意識しながら食べる習慣を

小学校の給食の悩みの一つは食べる時間が短いこと。
筆者の家では「今、時計が18時15分だから、18時30分からのアニメに間に合うように15分で食べよう!」などと時間を意識させながら食べました。

無言で食べることもあったり、急いで食べるようなときもありましたが、慣れてくると15分あれば、主食・おかず・汁物・副菜・果物などを食べられるようになっていきました。
慣れるまでは大変ですが、子どもの得意で好きなメニューを増やすなどしていけば意外と食べられるものですよ♪

嫌いなもの、苦手な調理方法の克服を少しずつ

学校給食は、地元のご当地料理やどこかの地方の郷土料理がメニューになることも…。また、細かい骨のある魚料理、酢味噌和え、酢の物など現代っ子には馴染みのない調味料を使った料理や、食べるのが面倒な料理が出るうえに、毎日牛乳が付きます。

地元の給食だよりは、その学校の公式サイトに掲載されていたり、町内会の回覧板で回ってくる地域があることも。同じ地域であれば献立はだいたいどの学校も同じなので、ママ友から写真を送ってもらうなどして、あらかじめ給食で出やすいメニューを知っておくのも良いでしょう。

おうちでもトライしておけば「あ、これおうちでも食べたことあるかも?」と思って少し安心できるかもしれません。全て食べられなくても少し口を付けられるだけでも、子どもの自信になりますね!

どうしても食べられなさそうまたは、食べられないメニューが出たときは、子どもから先生に「減らしてほしい、食べられない」と伝えられるようにしたいですね。

食が細い、偏食が多い、牛乳が苦手など、食事の面で気になることは事前にお話ししておいたり、家庭訪問やお手紙、家庭環境調査などにしっかり記載しておくとより安心です。

自分の食べられる量、嫌いな食べ物を把握させよう

子どもの食べる量については、ママやパパは知っていて残さないように盛り付けて食べさせていることでしょう。
でも意外と子どもは自分の食べられる量を把握していないものです。

おうちなら残したり失敗しても大丈夫。カレーの日など、自分で盛り付けさせてみてはいかがでしょうか。
「自分の食べられそうな量をお皿に入れるんだよ」と話し、残したりお代わりしたりすることを繰り返し、自分の食べられる適切な量を知っていくはずです。

そのうち、盛り付けをするときに「パパのご飯はこれくらい、ママはこれくらい、弟は少なめ」など、家族の分量も分かってくるようになります。

人によって食べる量は違ってくるということも、新しい発見になり、学校生活でも役立つことでしょう。

また、苦手としている食べ物は「ピーマン」「牛乳」など食材・素材はわかっていても、調理方法まではわからないものです。
フライなら食べられるけれど煮物や汁物の魚は食べられない、骨の少ない鮭は食べられるけれど鱈など骨の細かな魚は苦手など、子どもと一緒に確認しながらメモしておいたり、おうちでも食べる練習をしておくと良いですね。

配膳はお手伝いから徐々に子どもの役割へ

食事は、盛り付けと食べることだけではなく、事前にテーブルを片付けてふきんで拭く、箸やコップ、お皿を並べる、飲み物を出すなどさまざまな下準備が必要です。

まずはこうした準備から少しずつお手伝いさせてみましょう。
習慣になれば、「ごはんができたよ!」と声をかけると、テーブルを片付けたり拭いたりと何も言わなくても動けるようになります。

また、キッチンから食事を運んだり。トレーに家族分のお味噌汁を載せて配膳したりもできるようになります。

学校の給食当番では、こうした準備も大切な役割。家庭で習慣づけておけば、学校生活でも違和感なく動けるでしょう。

失敗してもOK!絶対に叱らず文句を言わないで

家庭でさまざまな経験をさせる目的とは、「おうちで失敗をし経験をかさねること」にあります。
こぼしたり、転んだり、割ったりと色々なトラブルが起きるでしょう。

トラブルは子どもがしようと思って起こしているわけではありませんし、子ども自身が「失敗した」という思いで胸を痛めているはず。

ですから、家庭では子どもが失敗をして叱ったり怒鳴ってはいけません。
まずは子どもの心配をする声をかけましょう。
「ヤケドしなかった?」「大丈夫?」「ケガしなかったかな?」と声をかけるだけで子どもはすぐに「やり方がいけなかったかな?」と反省したり思い返したりできるものです。

ここで「何やってるの!」「よそ見してるからでしょう」などと怒鳴ってしまえば逆効果。もうお手伝いはしなくなってしまったり、「お手伝い」という意識になってイヤイヤするようにもなってしまいます。

失敗したときに隠したり、黙っていたりするのは、叱られるのが怖いから。こぼしたら一緒に拭いたり拾ったりして、安心させてあげましょう。
失敗をしたから、このやり方はいけなかったんだ、次はどうしたらいいかな?子どもは失敗から学ぶはず。お説教や怒鳴り声はぐっとこらえて、慰めてあげましょう。

こうすることで、失敗をしたときにすぐに謝ったり、どうしたらよいか聞けるようになるのです。学校で失敗したとき、子どもが先生や周囲の子どもに対しどんな姿であってほしいか、考えて対応してみてくださいね。

配膳だけではなく、食器を下げる習慣も

給食は食べ終わった後は必ず自分で下げることになります。家庭でも、ごはんを食べ終わったあとは、洗うまではできなくてもキッチンに食器を下げるように習慣化したいですね。

***

学校給食の現状と、そのためにできる家庭でのフォローや練習の方法をご紹介しました。 初めての場所で、初めての食べ物を、「黙食」しなければならない現代の子どもたち。

小学校も保育園や幼稚園でも、おいしいね、食べたことないなぁ、おかわりしたい! これ苦手だな。昨日のテレビ見た?などと子ども同士の楽しい会話もできないのが現状です。

特に食べることが苦手な子ども、偏食の多い子どもにとっては給食は辛い時間になりがち。 おうちでできることは、まず自分の食事の適切量を知ること、苦手なものを把握すること、そして先生に申し出られるようにしておくことです。

入学したての頃はまだ先生に話しかけることさえできない子どももいるため、家庭から学校への伝達、バックアップも必要です。

ぜひ子どもたちの楽しい学校生活のためにも、少しずつ意識しながら準備をしていきましょう。

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執筆者

炭本まみ

保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。

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