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TERUさん直伝!子どもの上手な叱り方&ほめ方

まさにこれが知りたかった!【もう子どもを叱らなくてすむ】6つの方法

まさにこれが知りたかった!【もう子どもを叱らなくてすむ】6つの方法
【キッズコーチングの観点から解説】子どもの上手な叱り方を家庭教育アドバイザーのTERUさんに取材。絶対に避けるべき叱り方と、知っているとそもそも子どもを叱る場面を減らすことができる6つのコツを伺いました。
目次

前回はどういうときに子どもを叱るべきか、親として線引きを持っておくことが大切だということ、また上手に叱るためのポイントがわかりました。
今回はより具体的に、子どもに「いけないこと」を伝える表現について。家庭教育アドバイザーのTERUさんに、キッズコーチングの観点から絶対に避けるべき表現と、知っておくと子どもを叱る場面が減らせる親の心得を教えていただきます。

絶対NG!自己肯定感を下げる2大やりがち叱り方

必要なときは子どもを叱ってもよいと思いますが、気をつけたいのはその表現。まずは大前提として、「絶対にこういう叱り方をしてはいけない」という2つのポイントを知っておいてください。

まず1つめは「人格を否定するような叱り方をしない」ということ。
「●●ちゃん、ダメでしょ!」など、結構言いがちかもしれませんね。ダメなことは、子どもではなくあくまで"その行為"なのです。主語は行為にしましょう。
A:「●●ちゃんダメ!走らない!」
B:「走ったらダメだよ!●●ちゃん」
AもBも本質的には「走ってはいけない」ということを注意しているのですが、Aは自分を否定されたようにも感じられますよね。言葉にするとそこまで感じなくても、文字にするとよくわかるのではないでしょうか。

このような叱り方が積み重なると「私ってダメなんだ…」と自己肯定感が下がってしまうこともありえます。

2つめは「子どもにまだその能力がないことを叱らない」ということ。
速く走れない、集中力がない、自分で着替えられないなど、子どもが現時点で能力的にできないことを叱るのはよくありません。 その能力がなければできなくても仕方ありません。
とくに「集中して!」などと叱られても、集中力は意識の問題ではなく"能力"です。発達とともに成長していくものなので、ぜひ見守って欲しいと思います。

叱るという「親からの反応」があることで、子どもが行為を繰り返してしまうことも

叱り方は年齢に応じて変えて行く必要はあるのでしょうか?

おやこのくふう編集部 編集部

そこまで気にする必要はないと思いますが、とくにまだ言葉が理解できない小さなうちは叱ることは全く意味のない行為になってしまうことがあります。
幼児は、「何か大人がアクションを起こし反応を示す=愛情を示してくれる」と感じる脳の仕組みになっているので、叱られるもほめられることも一緒だったりするのです。
怒っているときは、「いつもと違うお母さんだ」「熱量が大きい」と本能的に感じて、子どもの脳ではドーパミンがドドドッと出てきます。それにより、「これをしたらママ・パパが反応してくれるから」「わーっとなるから、やろう」「おもしろい」そういう形で繰り返してしまうことがあります。

確かに…何度言っても笑って繰り返したり、エスカレートすることがあります。そうなると親も疲れちゃいますよね

おやこのくふう編集部 編集部

こういう場合は怒ること自体がとても非効率な行為ですよね。全く効かずに反対に助長してしまっているという…。親も疲れるし、いいことがありません。挙句の果てに、何度言っても繰り返す行動に対して親のドーパミンも上がってきて、より火がついて叱ることが止められなくなることもあります。
叱ることが常態化している家庭では、こんな悪いことを繰り返してしまう悪循環を親が理解できていないことがあげられます。

悪いことをしているという自覚がない子、言葉がまだ十分に理解できていない子は叱っても意味がありません。
親が悩まないためにも、徒労に終わらないためにもこのことを前提として知っておくとよいでしょう。

叱らずにすむ!子どもに伝わる6つのコツ

それでも、やはりして欲しくないことを伝えたいです。叱らずにうまく伝える方法がありますか?

おやこのくふう編集部 編集部

子どもは言われたことを1回ですぐできるようにはなりません。その行動ができるようになるためには「繰り返し」伝えることが必要となります。私たちは、100回、1000回繰り返すべき、なんて言うこともあります。
「どうして何度も言っているのにわからないのかな」と親は悩みがちですが、それはまだ繰り返しが足りないためです。繰り返し"普通に"伝えればできるようになるのです。

繰り返し伝え続けることは前提として…より子どもに伝わりやすくなるちょっとしたテクニックと、大切にしたい親の姿勢をお伝えしますね。

1.ポジティブな言葉に変換して伝える

「走っちゃダメ!」ではなく、「歩こうね」など、同じ意味でも肯定的に伝えてみましょう。多くのことがプラスの表現に変えられますので、少し立ち止まって言葉を選んでみてください。

2.親が悲しんでいる気持ちを伝える

「そんなことを言うとママ悲しい」など、親がどう感じているかの「思い」を伝えることは実は効果的。
私の経験で、何度繰り返し伝えても効果がなかったご家庭で、「お母さんが本当に悲しい」という思いを伝えて一瞬で良くなったケースがあります。それだけではなく、お母さんを気遣い、優しい言葉をかけてくれるようにもなったそうです。
落ち着いて論理的に話すことに加えて、「どう感じているか」をメッセージとして伝えることが大切。親が悲しんでいる姿は、やはり子どもにも響くものです。私の経験では、とくに女の子にはよく響くような気がします。

3."していいこと"も一緒に伝える

「人は叩いちゃいけないよ!でも、枕だったらいいよ!」など、して欲しくないことに加えて、していいことも伝えます。
これは、心理的なテクニックでもあります。人は 否定されるとやめたくなくなるけど、許可をされると許可に引っ張られる傾向にあります。

4.絵本で教える

親として気になる子どもの行動が見えたとき。その行動をテーマとして扱っている絵本で教えていくことはとても効果的です。 「いじわるをしちゃいけない」「嘘をいっちゃいけないなど」多くの親の悩みごとを語ってくれている絵本はたくさんあります。そういう本を用意して一緒に読んでみましょう。
子どもはストーリーの中に入り込んで知ることでスッと受け入れやすく、自己投影しやすいです。

5.叱ったあと改善されたらほめる

叱った行動が直っていたときに認めてあげることができているか。これもとても大切です。
親は気になったときには叱りますが、言いっぱなしでフォローできていないケースがよくあります。子どもが「できてる自分を見てくれていない」と感じてしまうのはよくありません。
ちゃんとできていたり、気を付けられている様子が見られた時は「頑張ってるね」など、声かけをしてあげましょう。

6.きちんと子どもの話を聞く

これはそもそも親子関係の根幹に当たる部分です。親が子どもの話を聞けばどんな問題も解決すると私は思っています。叱らなくてはいけないその背景には、親が話をしっかり聞いていないからということも多いです。
子どもの話したいことを聞けているか、叱る前に少し考えてみてください。子どもには「親が自分を受け入れてくれている、ちゃんと見てくれている」という安心が大切。いつも自分の話をちゃんと聞いてくれるから、自分もママやパパに言われることは受け入れようというスタンスができあがります。
何ごとも、信頼している人から言われると、直そうと思えますよね。親子でも、信頼関係が大切なんです。なめてもなめられてもいけません。

この6つのポイントを意識するだけで、子どもにより効果的に親の気持ちを伝えていくことができます。

***

子どものことを思って「やめさせたい」という一心でつい感情的に叱ってしまったりするものですが、それにはいいことが何もない…ということがわかりました。
まずは人間対人間の信頼関係を築き、そのうえで普通に繰り返し伝える。特別なことではありませんが、心構えを変えるだけでも子どもを叱る場面はぐっと減らせるような気がします。

次回は、それでも子どもにイラッとしてしまったときの収め方、つい叱りすぎてしまったときの対応など、親の気持ちの部分についてお話を伺っていきましょう。

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お話を伺った方

家庭教育アドバイザー TERU

キッズコーチングの専門家。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者6万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku

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執筆者

ライター 赤司 陽子

大学卒業後、製薬会社での勤務を経て、大手教育関連企業に転職。約10年間幼児教育・小学生教育事業に携わる。その後夫の海外赴任に随行し、アメリカで出産・育児を経験。多様な価値観に触れる。帰国後、フリーのプランナー・エディター・ライターとして活動中。現在、5歳女子・3歳男子の年子育児に奮闘中。

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