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話題の育児書を読んでみた!子育てブックレビュー

大切なのは子どもを信じること。【花まる学習会】熱血先生が教えてくれる「1人で生き抜く力」の育て方

大切なのは子どもを信じること。【花まる学習会】熱血先生が教えてくれる「1人で生き抜く力」の育て方
『花まる学習会式 1人でできる子の育て方』(箕浦 健治 著/高濱 正伸 監修/日本実業出版社刊)を子育て中のライター、タキザワミユキさんが読んだブックレビューです。 ※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。
目次

「子どもが身の回りのことを自分1人でやってくれない」とお悩みのママ・パパは多いのではないでしょうか。

筆者も正にその1人。5歳の長男は体こそ大きいものの、なんでもすぐ「1人じゃできない!」「ママがやって!」という甘えん坊です。下の子のお世話もあるので、「自分1人でできるようになってくれたら楽なのに…」と思ったり、「このまま1人でできないままだったらどうしよう」と不安になったり…。

そんなときに出会ったのがこの本『花まる学習会式 1人でできる子の育て方』!「1人でも立派に生きていけるようになるために必要な力」の育て方、そのために親がするべきことを著者の経験を通してわかりやすく教えてくれています。

本の中で語られる子どもの成長のエピソードには思わず涙…。ママだけでなく、パパにも読んでほしい1冊です!

「1人でできる子」ってどんな子ども? 

「1人でできる子」ってどんな子どもでしょう?「何も言わなくても親の言った通りに動ける子ども」?確かにそれも間違いではないのですが、著者、箕浦健治(みのうらけんじ)さんが語る「1人でできる子」は少し違います。

箕浦さんは花まる学習会の野外体験部部長として、延べ5万人を超える子どもたちの成長を見守ってきた幼児教育のスペシャリスト。子どもだけではなく保護者にも「ファイヤー」と呼ばれ親しまれている、頼れる熱心な先生です。

そんな箕浦さんが「1人で社会を生き抜くために必要な力」として挙げるのが、相手の気持ちを考えることが出来る『思いやり』と逆境に立ち向かっていく『たくましさ』。この両方を兼ね備えた人こそ魅力的で、社会を幸せに生きていけると言うのです。 「確かにその通りだけど、どうやったらそんな子になるの?」って思っちゃいますよね。そう、それこそがこの本のメインポイント。

子育て中に起こりがちなシチュエーションを例に挙げ、コラムを交えながら、「1人でできる子」に育てるために必要な心構えや子どもへの効果的な声がけについて丁寧に答えてくれています。

自身も2人の娘の父親であるファイヤー先生。言葉の端々に子どもたちへの深い情熱が感じられて、「そりゃ皆ついていきたくなるよね」と感心してしまいました。

「人生を生きる基礎力」の鍵は4~9歳!

子どもの特性として、4~9歳の幼児期の子どもは「自分はなんでもできる」と思っているとか。その時期こそが子どもの「人生を生きる基礎力」を育てる鍵であると箕浦さんは言います。

本書の中で強く響いた言葉の1つに「『失敗自体ない』という価値観をもつ」という言葉がありました。幼児期の子どもが無謀なことに挑戦してできなかったとしても、ママやパパからのプラスの声がけがあれば、「いつかできる!」と信じ、また挑戦することができる。それは「失敗」ではなく「成功に向かっている最中」なのです。

筆者の5歳の長男も、大人から見て明らかに無謀なことでも「できる!」と言って聞かないことが多々ありました。「その根拠のない自信はなんなんだろう?」と半ばあきれていましたが、それこそが幼児期の子どもの特性であり、彼の無限の可能性だったんですね!

そんな長男ですが、最近「失敗」や「間違い」を気にすることが増えてきたかも…。思えば母親である私が無意識にマイナスな言葉を発していたのかもしれません。今からでも遅くない!「失敗なんてない」という言葉を胸に、長男の行動をプラスに受け止めて、プラスの声がけをしていきたいと強く思いました。

子どもの「学力」と「知性」を伸ばすには?

親として、やはり気になるのは勉強のこと。

子どもの「学力」と「知性」を伸ばすには、「子どもの特性を理解した上で、家庭でできることを考えることが大切」というのが本書での答えです。

勉強を始めても「集中力が続かない」「じっと座っていられない」子どもは少なくないはず。実はこれは子どもの発育上、仕方のないことだそう。9歳くらいまでの子どもは体が未発達なので、ときどき体を動かして血の巡りをよくする必要があるんです。

この場合の解決法は、「大人がきっかけを作ってあげること」。子どもがそわそわし始めたら、「外でダッシュ1本してから勉強しよう」と落ち着いて勉強に入れるようなきっかけを与えてあげるのです。このように本書では保護者から寄せられたお悩みに、著者が解決法をわかりやすく提案してくれています。

筆者が「なるほど!」と思ったのは、「教えるときは子どもと同じ方向を向く」こと。

筆者の長男は洋服のボタンを留めるのが苦手で、すぐ「ママがやってよ~!」と袖だけ通してやってきます。ひどい時には服だけ放り投げてくることも。そんなときはいつも子どもの正面に座ってやってみせていました。

でも、そうすると手の動きが左右逆になるので、子どもにはとてもわかりにくいんですよね。この本を読むまで気がつきませんでした…。

そこでその晩、パジャマのボタンを留めるときに後ろに回って、子どもの手に自分の手を添えてやってみました。すると長男がぼそっと「そっか。そうやるんだ」と呟いて、残りのボタンに自分で手をかけたんです!その日から自分でやるように…とはまだ完全にはなっていませんが、一歩を踏み出せたような気がしました!

大切なのは親の気持ちより、子どもの気持ち

子どもは親が思うよりあっという間に成長していくもの。

子どもにはなるべく傷ついてほしくない…それは親として当たり前の感情です。しかしそんな子どもを守るための言葉や行動が、時に子どもの「社会を生き抜く力」の成長を妨げることもあります。

「1人でできる子」に育てるには、ママやパパがいつだって子どものことを信じて、いつだって応援し、時には静かに見守ることが大切。

筆者はまだまだ甘えん坊の長男についぶつぶつ言いながら手を貸してしまうこともあるのですが、箕浦さんのような広い心で子どもの気持ちに寄り添い、受け止められるようになりたいと意識改革中です。

大切なのは親の気持ちより、子どもの気持ち。子育てに迷ったときに何回も読み返したい、そんな1冊に出会えました!

『花まる学習会式 1人でできる子の育て方』
著:箕浦 健治
監修:高濱 正伸
発行:日本実業出版社
定価:単行本(ソフトカバー)1,540円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,188円(税込)
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【わたし的評価】
満足度   ★★★★★
実践度   ★★★★☆
読みやすさ ★★★★★
わかりやすさ★★★★☆

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執筆者

ライター タキザワミユキ

何にでも興味津々なやんちゃな3兄妹を育てるママライター。留学・語学学校での勤務経験を活かし、さまざまなテーマで執筆しています。子供たちの笑顔が毎日の癒し!子供の成長はあっという間だなと実感する日々です。

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