【じつはちょっと不安】顔の半分がマスクで隠れているのが日常…子どもの発達は大丈夫?「withマスク時代の子育て」とは

【じつはちょっと不安】顔の半分がマスクで隠れているのが日常…子どもの発達は大丈夫?「withマスク時代の子育て」とは
コロナ禍で3歳以上の幼児のマスク着用も当たり前になった今。マスクで口元が隠れていることによって、子どもの発達やコミュニケーションにどのような影響があるのか、親としてどのようなサポートができるかを、岡山大学 全学教育・学生支援機構の原田新先生に伺いました。
目次

新型コロナウイルスの感染防止のため、外出時や人が集まるところではマスク着用が当たり前の社会となりました。子どもたちにとっては、友だちや先生の顔半分が常にマスクで隠れていることがすっかり日常に。

編集部には、コロナによって子どもたちの様々な体験の機会が奪われることを懸念する声のほか、子どもが"マスクでつねに口元を隠した人たち"に囲まれた生活を送ることの発達への影響を心配する親の声も届いています。

唯一マスクを外した状態で子どもと接することができるのが家族。今後もしばらくは感染対策がマストである中、家庭でどのようなサポートができるかを、臨床心理を専門にする岡山大学の原田新先生に伺いました。

マスクによって感情の読み取り、感情表現が妨げられる面も

マスクで口元を隠した状態での生活が続くことで、子どもたちに何か影響はあるのでしょうか。

おやこのくふう編集部 編集部

まず、単純に口がマスクで覆われているので相手の声が聞こえにくく、自分の声も相手に伝わりづらくなり、コミュニケーションが取りにくくなっています。

そして、人間は言葉でコミュニケーションを取るのはもちろんですが、じつは"非言語コミュニケーション"といわれる言葉以外のコミュニケーション方法、例えば表情や口角の上がり下がり、声のトーンなどから相手の感情を読み取っている部分が大きいんです。

マスクで口元が隠れることで相手の表情や声の調子がわかりにくく、感情を読み取りにくくなります。

まだ語彙力や感情表現が発達の途上にある未就学児の子どもたちが、相手の感情を読み取ったり、自分の気持ちを言葉で表現しようとする際に、マスクがそれらを妨げてしまう側面もあるのかなと感じています。

家庭では普段の延長線上でコミュニケーションを大切に

親として子どもにどのようなサポートができるのでしょうか。

おやこのくふう編集部 編集部

マスクなしの素顔で接することができるのは、唯一、同じ家に住む親御さんや兄弟姉妹、祖父母などの家族ですよね。そのため、まずは家庭で対面で関わる機会を増やすことが挙げられると思います。

また、マスクで伝わりにくくなった感情面を伝えるために、親をはじめ周囲の大人がマスクをしているときに、ボディランゲージを豊かにして子どもたちに伝わりやすくするといった方法もよいとは思います。

でも、子どもだけでなく、親もコロナの影響を受けて、大変なご苦労をされ、未だ緊張状態の続く生活に苦しんでいる方も多いと思います。そんな中で子どものケアまでというのは正直とても大変なこと。
コロナだからあれもこれもしなければ!ととらえるのではなく、普段の延長線上でできることをしていくのがよいと思います。

たとえば、お風呂に入っている間や夜寝る前に、子どもとゆっくり話をする機会をもつなど、日々の中でちょっとプラスでできることで十分。

顔を見ながらコミュニケーションを増やす、今までよりは少し多めに取ろうという程度の気持ちで大丈夫です。

余裕がある方であれば、子どもの感情を言語化してあげることを意識してみてください。子どもの気持ちをくんで、「今こういう気持ちなんだね」と言葉にしてあげると、子どもが自分の感情を言葉にしていく手助けになります。

今の時代だからこそオンラインも活用したい

また、オンラインでのやりとりは今だからできるコミュニケーション手段のひとつです。

離れたところにいるおじいちゃんおばあちゃんと、定期的にオンラインでやりとりする、対話はもちろん、コロナ禍でなかなか披露する機会もなくなってしまった、園や学校で習った歌を聞かせてあげるのもいいですね。

画面を通してならマスクは不要。まさに今の時代だからこそできる工夫だと思います。

制限されているからこそ伸ばしていける力がある

子どもは大人に比べて柔軟で、大人が思っている以上に適応能力が高いです。
マスクによって意思表示をしていく環境が制限をされたときに、それを補う別の能力が発達していくことは十分考えられます。

例えば、目元から読み取る力が増えていく、それ以外のジェスチャーや声のトーンから読み取るコミュニケーションが発達していく可能性もあります。また、自分の意思を正確に伝えるために、より相手の目を見て話をしようとする力なども伸びていくかもしれません。

制限されているからこそ伸ばしていける部分があって、withマスク時代なりのコミュニケーションの方法を、子どもたちなりに模索し、進展させていくのかなという感じがしています。

この未曾有の状況で、親がなんとかしてあげなければと思って頑張りすぎるのも心配です。ある程度は子ども自身の力を信じてあげることも大切だと思います。

***

子どもへの影響を心配しすぎることはない、という原田先生のアドバイスを聞いて、少し安心しました。
コロナ禍であろうとなかろうと、家庭でのコミュニケーションはできるだけ大切にしたいもの。無理のない範囲で今後も心がけていけるといいですね。

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お話を伺った方

岡山大学 准教授 原田 新

岡山大学 全学教育・学生支援機構准教授。専門は臨床心理学、青年心理学。現在、岡山大学の障がい学生支援室で障がいを有する学生への支援を行う。東日本大震災後の学校における子どもの心の支援や、西日本豪雨災害後の保護者支援など、被災地支援も度々行っている。

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執筆者

ライター Ichika

山梨県生まれ。関西、九州での生活を経て11年ぶりに地元に戻りライター業をスタート。身内や友人に教育関係者が多く、たくさんのヒントを得ながら自分なりの育児を模索中。子育て経験をもとにした体験談やコラムも発信しています。

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