幼児期の運動あそびに親の指導は禁物!大人ぶらずにいっしょになって遊ぼう!

幼児期の運動あそびに親の指導は禁物!大人ぶらずにいっしょになって遊ぼう!
心や脳の発達とともに、体もぐんと発達する就学前のこの時期。子どもが楽しく体を動かして遊べる時間には「大人のちょっとしたサポートが有効」だと発育発達学の専門家、中村和彦先生は語ります。
目次

3歳~6歳ごろの幼児の「運動」は、楽しく体を動かす遊びを中心に行うこと。

でも一緒に遊ぶときについ「やり方が間違っているよ」「こうしなさい」などと指導をしてしまい、楽しく遊べなかった…と反省したことがある親御さんもいるのではないでしょうか。

私たち大人が、子どもと遊ぶときに心がけたいのはどんなことでしょう。

子どもたちが大好き、われわれ親にもおなじみの「パプリカ」のダンス、「ブンバ・ボーン」の体操の監修もされている発育発達学の専門家・山梨大学の中村和彦先生が、この時期の運動について詳しく教えてくださいました。

幼児期から少しずつ身に着けたい。生涯健康で過ごすために必要な運動習慣

そもそも運動はどうしてするのでしょうか…?

運動は技能の取得や勝ち負けを競うことが目的ではなく、健康を維持するためのものです。

20歳以上を対象に、1週間に1回以上体を動かしている人がどのくらいいるかという割合を調査した「運動実施率」というものがありますが、その最新の調査では日本は53.6%とかなり低い数字が出ています。
ちなみに外国はといいますと、アメリカでは70%、ドイツは90%で、日本の運動実施率は、大人も子どもも先進国では最下位です。

いまは平均寿命が高い長寿の国の日本ですが、このままではこれから先、肥満の人が増え、生活習慣病の問題が深刻になってくるでしょう。

生涯にわたって健康を維持するための「運動の習慣化」を急がねばなりません。

幼児のうちに運動あそびによって、みずから、おもしろく、のめりこめる運動する習慣がついていると、運動しようとする力、運動し続ける力を生み出し、中学生高校生になっても、大人になっても、ずっと楽しく運動を続けていけることがわかっています。

生涯を通しての健康に大きく影響する…「運動あそび」の大切さがわかりますね。

体を動かす、となると親があれこれ指導したくなってませんか?

そこで、やっぱりおすすめしたいのは、親子で遊びを思いきり楽しむことです。

子どもが何かにハマるきっかけの一つに「親といっしょ」ということがあります。

大人が思っている以上に子どもはお母さん、お父さんが大好き。

母親や父親といっしょに楽しみたい!というのはそれだけで遊びのモチベーションになるというわけです。

そんなときに、よくあるのが親のスパルタ指導…。

ボールの投げ方をこうしろ、ああしろと細かく教えたり、ひたすら走ることを強要したり。

それでは、「おもしろく」「ここちよく」「みずから」という遊びで大切にしたいことが実現しなくなってしまいます。

残念なことに、ますます子どもは体を動かすことが好きでなくなってしまうのです。

親が目指したいのは「あそびの配達人」

では、そんな運動あそびを、子どもが楽しむにはどうしたらいいのでしょうか。

一番大切なのは、大人も大人ぶらないで一緒に遊ぶことです。

上手にやらなきゃ、教えなきゃなんて思う必要はありません。

一緒に夢中に遊んでくれるのが、子どもが夢中になれる大きなきっかけになります。

つい、こうするといいよ、ああするといいよって言っちゃうんですよね

編集部

また、子どもは大人の動きを見ていて「盗む」のも得意。

最初はボールをうまく投げられてなくても、あれ、パパはこんな風に投げてるかも?と体で理解して真似して、いろんなくふうをして、いろんな動きをマスターしていきます。

そんな「みずから」の変化を促せるように、大人がちょっとサポートしてあげるといいでしょう。

ちなみに、「プレイリーダー」という言葉を聞いたことはありますか?

ドイツを発祥とする運動遊びを先導する人のこと。 オーストラリアでは「プレイデリバラー」とよばれていて、子どもたちに遊びを届ける人という意味ですね。

近年日本でも文部科学省(スポーツ庁)が推奨し、自治体や企業、NPOなどが「プレイリーダー」の養成をはじめています。

現在は、東京都世田谷区の羽根木公園のプレイパーク、ボーネルンドの室内あそび場「キドキド」、福島県郡山市のペッピキッズなどで、プレイリーダーと出会うことができます。山梨県甲府市では誰でも参加できるプレイリーダー養成講座も開かれています。

プレイリーダーは、運動技能の指導を行うのではなく、あくまで子どもたちが運動遊びにのめりこんで夢中にさせることを目的とし、やる気をださせるような声がけなどを大切にしています。

その「プレイリード」を意識して子どもと遊んでみましょう。

親子の時間は子どもにとってうれしいもの

教えるのではなく、まず自分が楽しそうに遊んで見せ、興味をもってきたら、さりげなく誘導してみましょう。まずは、やってみたい!おもしろそう!と思わせることが大切です。

自我が目覚める4歳以降の子どもたちは、やってみたい、おもしろそうという意識は強いので、大好きな父親か母親がリードすれば、きっとのってきてくれるはずです。

最初はうまくできなくても大丈夫です。

大切なのは子どもと一緒に共有の時間をもつこと。 それが子どもにとって嬉しい。そういう観点で関わってみてください。

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お話を伺った方

山梨大学 教育学部長・大学院教育学研究科長 中村 和彦

1960年甲府生まれ。筑波大学大学院体育研究科修了。子どもの遊びの重要性、基本的な動きの発達などを研究。文部科学省中央教育審議会専門部会委員。NHKおかあさんといっしょの体操「ブンバ・ボーン」、2020応援ソング「パプリカ」のダンスを監修。

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