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子育て先進国スウェーデンに学ぶコミュニケーション術

日本の子育ても環境も素晴らしいと自信を持って!海外事情などの情報に振り回されず「軸」をもった子育てを

日本の子育ても環境も素晴らしいと自信を持って!海外事情などの情報に振り回されず「軸」をもった子育てを
子育てしやすい国・スウェーデンの教育に子育てのヒントを学ぶこの連載。今回は教育方法学の専門家・中山芳一先生が、子どもが切り替えが難しいシーンでの対応を紹介しつつ、子育てで大切にすべき本質について考えていきます。
目次

スウェーデンで幼児教育に携わる田中麻衣さんとの連載「子育て先進国スウェーデンに学ぶコミュニケーション術」も今回が最終回となりました。

彼女のレポートから、私たちは本当にたくさんのことを学ぶことができました。そして、海外に目を向けて新しい視点や知識が得られたのもとてもよかったですね!

この最終回は、日本でもスウェーデンでも変わることなく大切にしていきたい子育て術を、みなさんと共有していきたいと思います。

切り替えが難しいこんな場面どうする?

日本でもよくある切り替えの必要な子育て場面について、田中麻衣さんからスウェーデンではどにような声かけを大切にしているのか教えてもらいました。

着替えを面倒くさそうにしている子への声かけ

  1. 「〇〇の後はお着がえするよ~!」
  2. 「靴下持って来て!」「ボタンとめられるかな?」
  3. 「着がえたら外でいっぱい遊ぼうね!」

1はわが子に見通しを持てるようにしていく声かけ、2は具体的にやることを提示していく声かけ、3はその後に楽しみを持たせていく声かけになります。

これを見ると「日本でも大切にしていることだなぁ~」と思いませんか?

では、こちらはいかがでしょうか。

テレビを観ている子にごはんの声かけ

  1. 砂時計を一緒に見て「この砂がなくなったらごはんだよ」
  2. 切り替えのためのわかりやすい音楽を鳴らして「音楽がなったからごはんだよ」
  3. 「テレビを見たい気持ちはわかるけど、いまはごはんを食べてほしいな」

1は視覚を通じて切り替えをわかりやすくしている声かけ、2は声で伝えるのではなく音楽を合図にして切り替えを促している声かけ、3はわが子の心境に寄り添いながら親側の主張も伝えている声かけになります。

こちらも、砂時計や音楽を使わなくても、同様の意図で子どもにわかりやすいように工夫して声かけをしている方も多いのでないでしょうか。

ちなみに、スウェーデンでは寝起きなども含めたこれらの生活の中にある切り替え場面で「ルーティーン」を大切にしているそうです。つまり習慣化することの大切さですね。

適切な習慣に変えることで、子どもは混乱や困惑をすることなく、次第に適応して(なじんで)いきます。これもまた日本でとても大切にされてきたことですね。まさに「早起きは三文の徳」です。

大切なのは子育ての軸を明確にすること

これらの事例から、私がみなさんと何を共有したいのかおわかりでしょうか?

時折、日本以外の国がとても素晴らしい子育てや教育に取り組んでいるとクローズアップされることがあります。しかし、その多くは、かねてより日本でも大切だといわれてきたことばかりなんです。
「隣の芝が青く見える」ように、なんとなく海外が良く見えちゃうんです。

でも、日本の子育てや教育だって素晴らしいですよ。特に、海外からどんどん良いところを吸収しようとしている日本は、なおさらのことでしょう。

ただし、色々な子育ての考え方から何でもかんでも「いいとこどり」をしようとすると、ブレッブレの子育てになってしまいます。大切なのは子育ての軸をもつこと!

これまで大切にされてきた「心」を名義替えした非認知能力も、教育系人気YouTuber葉一さんのシンプル子育ても、そしてスウェーデンの子育ても…いろんな言い方でみなさんがよくわかっていらっしゃる大切な子育てのあり方を伝えてきました。

これらは、いずれも本質は同じなんです!あとはみなさんの子育ての軸を明確にしていくこと、これに限ります!!

***

6月下旬から、中山芳一先生による「子育ての軸の持ち方」をテーマにした連載がスタート予定です。お楽しみに!

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お話を伺った方

スウェーデン就学前学校Guldklimpar COO 田中 麻衣

福岡県生まれ。大阪大学外国語学部卒。高校と大学で1年ずつのスウェーデン留学を経て2012年に移住。スウェーデン学童保育の再建をきっかけに、スウェーデンの学校運営に携わるようになる。ストックホルム大学にて校長資格取得。教頭、校長職を経て、現在は幼稚園運営及び特別支援教育専門のコンサル企業に所属し、各地現場の環境・内容・方法等のマネジメント及び人材育成に携わっている。

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執筆者

岡山大学准教授 中山 芳一

1976年岡山県生まれ。岡山大学 全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のためのキャリア教育に取り組むとともに、幼児から小中高学生の各世代の子どもたちが非認知的能力やメタ認知能力を向上できるように尽力している。9年間没頭した学童保育現場での実践経験から、「実践ありき」の研究をモットーにしている。『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(ともに東京書籍)ほか著書多数。最新刊は監修をつとめた『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』(東京書籍)。

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