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【保育士が教える】園とのコミュニケーションのコツ

【保育士が本音で解説】病み上がりの登園で気をつけることは?登園OKのタイミングと大切にしたい園とのコミュニケーション

【保育士が本音で解説】病み上がりの登園で気をつけることは?登園OKのタイミングと大切にしたい園とのコミュニケーション
何かと体調を崩しがちな子どもの病み上がりの登園のタイミングは悩ましいところ。元保育士の炭本まみさんが、そんな病み上がりのタイミングについて、保育士・親どちらの立場からも解説します。
目次

保育園や幼稚園生活では、集団生活のためさまざまな感染症が流行しやすい環境です。風邪をはじめ、熱や発疹、嘔吐や食欲不振などをともなう症状があるときは何日か欠席することでしょう。

働いている親であれば、子どもの体調不良とはいえ職場に何日もお休みの連絡をするのは辛いこと。できることなら早く良くなってもらい、出勤したいと思うのが正直な気持ちではないでしょうか。

けれど、子どもが「病み上がり」のとき、いつから登園させても良いのでしょうか。熱が無ければOK? 解熱しても1日は様子を見て欠席したほうがいいの? とても迷いますね。

今回は病み上がりの子どもの登園OKのタイミングと、大切にしたい園とのコミュニケーションについて炭本まみが元保育士の立場から紹介します。

保護者自身もしっかりケアを

熱や嘔吐、食欲不振などに加え、機嫌の悪さや泣き止まないなど、子どもの看病は保護者も気力・体力が奪われる大変な毎日でしょう。
親も子どもから病気をもらってしまったり、看病に疲れ切ってしまうこともありますね。

入園して半年から1年くらいはさまざまな感染症にかかって、欠席してばかりだったという子もいるかもしれません。

仕方がないこととはいえ、保護者の方も仕事にならず、職場と家庭の板挟みになり、精神的にも疲れることでしょう。

ママ・パパ交代で看病をしたり、実家が近い場合は少しの間看病をお願いしたり、職場にも家庭の事情を詳しく伝えておくなど、一人で抱え込まず周囲にも理解を求めることが大切です。

また、職場をお休みして子どもの看病をする際は、子どもの眠っている時間は保護者も横になって休むようにし、自分自身の心と体のケアをしておきましょう。

病み上がりの子どもの様子をよく観察しよう

子どもの体調が回復してきたと感じたら、熱や食欲以外にも子どもの機嫌や体の動き、話し方などもよく観察しましょう。保護者にべったりと甘えてくっついてきたり、少し離れただけでも泣いたりあとを追ったり、すぐに不機嫌になる場合は、まだまだ本調子ではないかもしれません。

保育園や幼稚園で集団生活を送ることは、思いのほかエネルギーや体力が必要です。病み上がりの際、家庭では元気でも園生活を送るまでの体力が戻っていない場合も多いものです。熱が下がり食欲があっても、よく観察をしておきましょう。

熱が無く食欲があっても、鼻詰まりがひどい、または鼻水が垂れてくる、咳が頻繁に出る、機嫌がよくないなどの様子がある場合は、もう一日欠席し、様子を見たほうが良いでしょう。
登園させたい気持ちもよくわかりますが、やはりここではぐっと我慢して休まることが、病気をぶり返したり、弱っているところにほかの病気をもらってこないためにも大切です。

熱がない、食欲あり、よく眠れているなら登園OK

もし体調不良で病院の診察を受けているようなら、医師に登園のタイミングを聞いておくのが安心です。
病院に行くほどでもないなら、午前中に熱があっても、午後からは下がり体調が落ち着き、咳や鼻水もさほどなく、夜も元気であれば、翌日は登園してもほぼ大丈夫でしょう。
夜間もよく眠れて、翌朝も平熱で食欲や元気があるのであれば登園しても良いでしょう。

やむを得ず登園するならコミュニケーションを密に

熱・咳・鼻づまりなどの調子がよく、食欲もあり、機嫌も良い場合、登園する際は連絡帳やメモで担任の先生に体調を連絡しておきましょう。
いつ発熱し、昨日は1日元気、今朝も鼻水は少し出るけれど食欲があり元気である、など経過や現在の状態を伝えておくと先生も安心しますね。

また投薬や鼻水の始末、衣類の調節、水遊びや外遊びの中止など、園側にちょっと配慮していただきたいことも書いておきましょう。
連絡帳を見るタイミングはお昼寝の時間になってしまうこともあるので、登園させた朝、メモでお渡ししたり、口頭でも伝えておくと更に伝わりやすくなります。

また、子どもの体調が万全でなくても、発熱していなければどうしても登園させなければならないことがあるかもしれません。本当はもう一日欠席させたいところだけれど、仕事の都合上、出勤しなければならない…やむを得ずそんなこともあるでしょう。

どうしても体調が悪いようであれば、職場に電話してもらうなど、連絡を入れてほしいことも伝えておきましょう。

こういった際は、わが子に目配り・気配りをいつもより多くしてもらったり、また、いつもの活動に参加できない場合は、先生方の人員が必要にもなります。

お手数をおかけします、お世話になります、よろしくお願いいたします、など、お礼やお願いの言葉も必ず添えてお願いするようにしましょう。
そうしなくても先生方はきちんと配慮してくれるはずですが、先生との円滑なコミュニケーションを維持するためにも、大切なこととなるでしょう。

職場にも早退の可能性があることを伝えておこう

子どもの体調不良が続くと、仕事をお休みしにくいものですが、園から連絡があった場合は早退させてほしいことを伝えておくと良いですね。

ただ、仕事を休みにくいからという理由で、まだ体調不良のお子さんを園に預け、園からの連絡を職場で待つという方法は、子どもの体に負担をかけ、先生方にも時間を取らせてしまい、ほかの園児にも良くありません。

子どもが小さいうちは体調を崩すのは仕方のないことですよね。心苦しいかもしれませんが、なんとか職場に理解してもらえるようお願いしましょう。

体調不良を長引かせないためにもしっかり休ませよう

集団生活は、元気な体調でも一日過ごすことで大変疲れをともないます。体調不良をぶり返したり、何度も繰り返したりしないためにも、やはり症状が落ち着いても1日〜2日は家庭でゆっくりと休み、本来の調子となってから登園することが一番です。 でも仕事の事情や長いお休みが続くと、多少の無理がやむを得ないこともあるでしょう。
そのためにも普段から園と職場とのコミュニケーション、礼節を忘れず、また、子どもにも生活リズムをしっかり整えた毎日を送らせてあげましょう。

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執筆者

炭本まみ

保育士として10年勤務し、今は中学生と小学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。

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