【先生が解説】通知表の保護者コメントは何を書く?NGの内容とは?例文や書き方を元教員が徹底解説

【先生が解説】通知表の保護者コメントは何を書く?NGの内容とは?例文や書き方を元教員が徹底解説
小学校で学期末や学年末に受け取る通知表。「保護者コメント」には何を書いたらいいのでしょうか?1年生はもちろん、高学年になると書くことに悩んでしまうことも…。元教員ライターが保護者コメントの書き方やNG例を解説します。
目次

長期休み前に子どもたちが持ち帰る通知表は、子どもの成長や小学校での様子が分かるので、楽しみにしている保護者も多いのではないでしょうか。

通知表には「保護者コメント欄」があることが多く、何を書いたらいいのかと頭を悩ませた経験のある方もいることでしょう。特に、初めてコメントを書く1年生の親御さんは困ってしまいますよね。

通知表のコメント欄は家庭と学校が繋がる大切なツールで、1年生はもちろん高学年になっても先生たちは重要視しています。

今回は元小学校教員ライターの秋野みんみが、保護者コメント欄の例文や書き方について解説します。

通知表に保護者のコメント欄があるのはなぜ?

通知表に保護者コメント欄があるのは、おもに保護者が通知表を見たかどうかを確認するためです。
また、先生方は保護者からのコメントの内容を通して評価の意図を正しく受け取ってもらえているかを確認したり、家庭の教育方針について知るヒントを得たりしています。

私も教員時代には、「夏休み、アサガオの水やり毎日頑張ったんだね。すごいね!」「大好きなプールにたくさん行ったんだね。楽しかった?」など、保護者のコメント内容を参考に子どもたちに声かけをしていました。

幼稚園や保育園のころと比べて、小学校では担任の先生から子どもの様子を聞いたり伝えたりする機会が減ってしまいます。だからこそ、通知表の保護者コメント欄をぜひ有効活用していきたいですよね。

それでは、どんなことを書いていけばよいでしょうか。具体的に紹介していきます。

通知表の保護者コメント欄に書く内容

通知表のコメント欄に書く内容には基本的にルールはありませんが、家庭と学校が繋がるせっかくのチャンスなので、印鑑やサインのみで終わらせてしまうのはおすすめできません。

ここではコメント欄に書く内容について項目ごとに詳しく解説します。

先生への感謝の言葉・挨拶

コメント欄の書き出しは、担任の先生に対する感謝の言葉から始めると良いでしょう。先生だから特別というわけでなく、お仕事上でもまずは日頃の感謝を述べた上で要件を伝えるのがマナーです。 長々と伝える必要はないので一言添えるだけで、印象がとても良くなります。

ここで、教員時代に私が実際に保護者の方からいただいた文面の書き出しを紹介します。

  • 「いつもお世話になり、ありがとうございます」
  • 「いつも〇〇のことを見守ってくださり、ありがとうございます」
  • 「今学期も熱心なご指導をありがとうございます」
日頃、連絡帳で担任の先生に伝えたいことがある場合もですが、このような書き出しから始まると、しっかりとした保護者だなという印象を与えることができるでしょう。  

先生からのコメントに対する返事

通知表に先生からのコメントがある場合には、その内容についての返事をするようにしましょう。保護者が感じたことや考えたことを書くことで、先生もコメントを読んでくれたんだなと分かります。

また先生は、今学期に一番伝えたいことを凝縮してコメントにしていることがほとんどなので、ポジティブな内容については子どものことをしっかり褒めてあげましょう。

「ろうか掃除をていねいに頑張っていたことを知り、うれしく思います。家庭でも褒めたらとても喜んでいました」
などのように、家庭で先生からのコメントをもとに子どもを褒めたことを伝えるのも良いでしょう。

子どもの家での様子

通知表をもらった後は、長期休みに入ることがほとんどです。
そのため、休み中の様子や特に頑張ったことなど学校では把握しにくい内容を書くのが良いでしょう。特別大きなことを書く必要はなく、

  • 「カブトムシのお世話を頑張っていました」
  • 「朝ごはん作りのお手伝いをしてくれました」
のように事実を端的に書くだけで十分です。

先生たちは1人で30人以上の子どもを受け持っているため、一人一人からゆっくりと休みの話を聞くことができません。そのため、休み明けには書かれている内容を頼りに声をかけたり話を膨らませたりして、子ども達とコミュニケーションを取ることが多いのです。

通知表への感想

各教科の成績を見て評価の良かった項目について考えたり、前学期までの成績と比べたりして感想を書いてみましょう。

「算数に苦手意識があるようで家でも宿題に苦戦しましたが、前回と比べて成績が上がり母子共に喜んでいます」
このように、素直な感想を書くだけで大丈夫です。

子どもの今後の目標

学校での学習や生活全般においての目標を書くのもいいでしょう。
この時大切なのは、子どもと一緒に今学期をふり返った上で次学期の目標について話し合ってから書くことです。
親が勝手に努力してほしいことを書くことは、子どもと先生の関係に悪影響を与える可能性があるのでやめましょう。

子どもと親が互いに納得した目標を伝えることで、先生も学校でできる適切な支援や声かけをしてくれることでしょう。

締めの言葉

書き出しと一緒で、コメントの印象を良くしてくれるのが締めの言葉です。

  • 「2学期も引き続きよろしくお願いいたします」
  • 「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」

など一言で書き添えて、コメント欄を終わらせるのが良いでしょう。

通知表に書かない方が良い内容

通知表に書く内容には決まりはありませんが、だからといって何を書いてもよいわけではありません。必要に応じて電話をしたり直接会って話をしたりすることも考えましょう。

通知表を学校に持っていくのは子どもですから、子どもが見てしまっても嫌な思いをしない内容にすることが大切です。

それでは具体的に書かないほうが良い内容について紹介します。

子どもに関するネガティブな内容

通知表に子どもの悪口や欠点などを書かないようにしましょう。
子どもが学校に持っていくときに通知表を見てしまう可能性は大いにあると思っておいた方が良いです。

親としては謙遜して書いただけのつもりが、それを見た子どもの心を大きく傷つけてしまう可能性もあるのです。
また先生が子どもに対して先入観をもってしまうかもしれません。

客観的に通知表を見た事実を感想として書くようにしましょう。

学校や先生への意見・要望

学校や先生に向けての意見や要望を通知表に書くのは避けましょう。

感情的に書かれた文章は、実際の思い以上に過激に伝わってしまう場合があります。また、子どもがそれを読んでしまうことで、子どもが先生に不信感をもち、先生との関係が悪くなってしまうことも大いにありえるでしょう。

学校での過ごし方や成績について不満や疑問がある場合には、電話や連絡帳で伝えたり学校に出向いて話をしたりすることをおすすめします。

どうしても通知表に書きたい場合には、

  • 「今後の家庭学習に生かしていきたいので、算数に『もうすこし』がある理由を教えていただけたら幸いです」
  • 「家庭でも丁寧な字を書くことを伝えていきますので、学校でも声かけをしてくださるとうれしいです」
のように「~してもらえたら嬉しい。」のようなニュアンスで伝えるのが良いでしょう。

子どもに向けたメッセージ

通知表には子どもに向けたメッセージを書く保護者もいますが、基本的には保護者コメント欄は家庭と学校を繋ぐところです。

子どもへのコメントは直接伝えたり手紙で伝えたりすると良いでしょう。

通知表の保護者コメント欄の例文

それでは実際に保護者コメント欄の例文を5つのパターンに分けて紹介します。 ぜひ、参考にしてください。

例文:子どもの家での様子をメインに伝えたい場合


パターン①

いつもお世話になっております。
休み時間には友だちと外で楽しく遊んでいたとのことで、楽しく学校に通っていることを嬉しく思っています。
夏休み中も近所の友だちとプールをしたり公園に出かけたりして、毎日のように外で遊んでいました。おかげでずいぶんと体力がついたように感じています。
今後も元気いっぱいで学校に通えるように、家庭での生活リズムに気をつけながら過ごしていこうと思います。
引き続き、ご指導よろしくお願いいたします。

パターン②


1学期はお世話になりました。
夏休みは祖父母の家に1人で泊まりに行きました。
従妹たちと海に行ったり虫取りに行ったりして、とても楽しかったようです。先生にも虫取りの話を聞いてもらいたいと言ってました。
2学期も頑張る!と前向きな気持ちでおりますので、家庭でもその気持ちが続いていくように見守って行きたいと思います。
2学期も引き続きよろしくお願いいたします。

例文:子どもの今後の目標をメインに伝えたい場合

パターン①

〇〇先生、いつも丁寧なご指導をありがとうございます。
国語の成績が上がったことをとても喜んでおり、〇〇の自信に繋がっているように感じています。
2学期も50問テストで100点をとるために、漢字ノートに自主勉強をすると張りきっています。
今後とも、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

パターン②

いつもお世話になっております。
算数に「もうすこし」があったことが悔しかったようで、どうしたら2学期に「できる」になるかな?とおやこで話し合いました。
本人は授業で分からないことがあった時には、自分から友達や先生に聞くようにすると言っていたので、応援していこうと思っています。
また、家庭でも引き続き宿題の見直しをしていくようにいたします。
2学期もよろしくお願いいたします。

例文:子どもが頑張ったことをメインに伝えたい場合


パターン①

いつもお世話になりありがとうございます。
学校のソフトバレーボールの授業がとても楽しかったようで、バレーボールを買って家でパスの練習をしています。
4年生になったら地域のバレークラブに入りたいと夏休みは父親と一緒に公園で体力づくりのジョギングを頑張りました。
自分から何かをやりたいということが3年生になって増えており、成長を感じております。 2学期もよろしくお願いいたします。

パターン②

1学期はお世話になりました。
夏休みは毎日朝ごはん作りに挑戦しました。
インターネットで味噌汁の炊き方を調べたり、母からフレンチトーストの作り方を習ったりと様々なメニューを作っていました。
朝ごはんを作るために、朝6時に目覚まし時計をセットして自主的に起きられるようになり大きな成長を感じています。
絵日記に朝ごはんの写真を貼っているので、ぜひ見てあげてください。 今後ともよろしくお願いいたします。

例文:先生に対する返信やお礼をメインに伝えたい場合

パターン①

いつもお世話になりありがとうございます。
音読をみんなの前で褒めてもらったことが嬉しかったようで、家庭でも音読の宿題は自分から積極的に取り組んでいました。音読発表会でリーダーとして活動できたことが、さらに自信につながっているようです。
2学期は図書室の本をたくさん読んでいろいろな言葉を知りたいと言っておりましたので、休日も家族で読書の時間をつくろうと思います。
引き続き、ご指導よろしくお願いいたします。

パターン②

1学期はありがとうございました。
係活動の話はお家でもよくしてくれており、みんなの役に立てることがとても嬉しいようです。
クラス替えで仲良しの友だちと離れてしまい不安を感じているようでしたが、係活動を通して新しい友達ができたことから、夏休みも「早く学校に行きたい!」と申しておりました。
2学期も楽しく学校に通えたら嬉しいです。何かあればいつでも教えてください。 引き続き、よろしくお願いいたします。

例文:小学校1年生の初めての通知表に対するコメント例

パターン①

いつもお世話になっております。
初めての学校生活ですが、先生の優しい言葉かけやていねいな指導で、毎日楽しく学校に通うことができました。
夏休みは学校から持ち帰ったアサガオの水やりを忘れずに頑張っていました。「葉っぱではなくて土に水をあげるようにするんだよ。」と弟に話しており、学校での学びが生かされているようです。
2学期も、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

パターン②

1学期は大変お世話になりました。
引き算が苦手で涙が出たこともありましたが、先生や友だちにはげまされて頑張ることができたと喜んで報告してくれました。
2学期に算数で100点をとりたいと、夏休みは計算カードをコツコツ続けていました。目標の100点がとれるように、2学期も引き続き家庭でのサポートを続けていきたいと思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。

***

通知表の保護者コメント欄は学校と家庭を繋げるための大切なツールです。できるだけポジティブなことを先生に伝えていくようにしていきましょう。

先生側も通知表の評価や文章の意図を正しく受け取ってもらえているかな?と、通知表の配布にはいつもドキドキしているものです。保護者コメント欄にていねいな言葉でコメントが書いてあると先生としても安心しますし、好印象間違いありません。

ぜひ、例文を参考に保護者コメント欄を上手に活用していきましょう。

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執筆者

ライター 秋野みんみ

元小学校教員ライター。公立小学校で10年の勤務経験有り。 現在は転勤族の妻で息子の育児に奮闘中!教員経験を生かして、お役に立てる情報を発信してきます♩

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