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子どもの食のお悩みQ&A

【保育園栄養士がエール】「野菜が苦手でも気にしすぎる必要なし」!好き嫌い克服について親が知っておくといいこととは

【保育園栄養士がエール】「野菜が苦手でも気にしすぎる必要なし」!好き嫌い克服について親が知っておくといいこととは
【保育園の栄養士が解説】子どもの食の悩みに答える連載。食の悩みの定番である「好き嫌い」ですが、不思議と園では食べられていることも多いもの。そんな疑問や悩みに元保育園勤務の栄養士・砂糖さおりさんがアドバイスします。
目次

子どもの食事に対する悩みといえば、やはり好き嫌いを挙げるひとが多いのではないでしょうか。食の悩みのアンケート結果でも2位だった好き嫌い。園で子どもたちを見ていても、やはり野菜が嫌いという子が多いようです。

野菜がわからないように工夫して調理したり…それでも食べてくれないと困ってしまいますよね。

野菜嫌いな子が多いのはなぜ?

子どもの好き嫌いで真っ先に思い浮かぶのが野菜ではないでしょうか。野菜はビタミンやミネラルの補給源として「体に良い」というイメージが強く、子どもがなかなか食べないと不安になりますよね。

しかし野菜には子供が苦手に感じやすい理由があります。

味を構成する要素は「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うまみ」の5つがあります。

「甘味」「塩味」「うまみ」はそれぞれエネルギー源の糖質、からだの調子を整えるミネラル分、からだを作るタンパク質と、人間が生きていくのに不可欠なものの味です。そのため子どもが好む味もこの3種類とされています。

一方「酸味」や「苦味」は腐敗物や毒を表す味としてインプットされており、子どもは本能的に避ける味だと言われています。ピーマンが嫌われやすいのは、子供が本能的に苦味を警戒しているからなのです。

また野菜に限った話ではありませんが、子どもの好き嫌いは味のほかにも食感や見た目、においなどが関係するといわれています。

子どもに「どうして食べないの?」とじっくり聞いてみるとよいかもしれません。食べられない理由を親御さんに聞いてもらうことで、安心できたり調理法のヒントになったりしますよ。

関連記事:「もっと野菜を食べてほしい!」ピーマン、にんじん、きのこ…子どもが野菜を嫌いな理由にそのヒントが隠されていた!

園では食べるのに、家では食べないのはなぜ?

園の給食では好き嫌いなく食べられるのに、家では食べないのはなぜ?と疑問に思う親御さんも多いでしょう。

その原因は食べる環境の違いにあります。園では先生やお友達といっしょに食べるので、つられて食べてしまうことが少なくありません。園の先生は子どもの気持ちを乗せるのがとても上手ですから、苦手なものをひとくち食べただけでもとても大げさに子どもを褒めます。

先生が「最初に野菜を食べる勇者はどこにいますか~?」と話しかけて、口に入れる子がいたら「かっこいい~!!」とたくさんその子を褒めます。そうするとそれを見ていた周りの子どもたちまでつられて食べてしまうということも(笑)。

なかなか同じように家庭でやるのは難しいですが、食事中の雰囲気作りはとても大切。子どもがほんの少しだけでも食べたら大げさすぎるほど褒めてあげたり、子どもの苦手なものを親御さんが美味しそうに食べているのを見せることから始めてみましょう。

苦手な食べ物に接する機会を増やしてあげる

また苦手な食べ物に、親近感を持ってもらえるように工夫してみるのもおすすめです。

例えばトマトが嫌いな子だったら、いっしょにトマトを育ててみます。毎日水をあげたり、「大きくなるのが楽しみだね」と声をかけたりしてあげれば苦手なトマトにも愛着を持ってくれるかもしれません。

またスーパーで買い物をするときに、子どもにお願いしてトマトをかごに入れてもらいます。その日の夕食に「○○ちゃんが買ってくれたトマトだよ」と言って食卓に並べてみましょう。

このように苦手な食べ物と関わる機会を増やしてあげることで、子どもが苦手な食べ物に対する捉え方を変えるきっかけを作ることができますよ。

親の言葉に影響されていることも

子どもの好き嫌いは、意外と親御さんにかけられた言葉で固定化されていることもあります。

子どもの食が進まないと「それ嫌いなの?」とか「○○嫌いなんだね」などと声をかけがちですが、そんな言葉がけから本人も「これは嫌い」と認識してしまうことがあります。

嫌いなものを料理の中に分からないようにしていれば食べてくれるのに、認識すると途端に食べなくなるという場合は子どもが「これは嫌い」と認識してしまっているからかもしれません。

食が進まないのは、好き嫌いだけでなく、その食材に対して子どもの噛む力が合っていないだけという可能性もあります。

子どもが食べ物に対して嫌がる様子を見せた場合、「これはまだうまく食べられないね」や「はじめましてだったね、ゆっくり食べてみようね」と声をかけてあげましょう。献立に根気強く出し続けることで、ひょんなことから食べてしまうことも多いですよ!

味覚が発達するまで、見守ってあげよう

子どもの味覚は小学校中学年あたりで大人の味覚に近付くと言われています。それまでは苦味や酸味に敏感だったり、食感や見た目にも大きく好みが影響されます。

そして大人でも「今日はこれが食べたい気分」と思うように、子どもにも気分があるものです。ふとした拍子に食べたい気分が訪れるように、食べなくてもあまり無理強いはせず、食べた時はおおいに褒めてあげましょう!

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執筆者

栄養士 砂糖さおり

栄養士として保育園や病院で働いた経験を活かしてライターとして活動しています。 保育園で子どもたちとご飯を食べるのが最高の癒しでした♪ 栄養、食材、子育てママ・パパさん向けコラムを中心に執筆中。

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