連載
【おもちゃのプロが教える】子どもの発達とおもちゃ

【発達段階別に紹介】乳幼児期に楽しみたい「人形遊び」。表情は?サイズは?…意外に知らない選び方とその知育効果とは

【発達段階別に紹介】乳幼児期に楽しみたい「人形遊び」。表情は?サイズは?…意外に知らない選び方とその知育効果とは
子どもたちが夢中になって遊ぶおもちゃの一つ、人形遊び。ひと口に「人形」と言っても、さまざまな種類があり選べないという人も多いのではないでしょうか?城東よつばこども園園長の瀧薫先生に発達に応じた人形の選び方を伺いました。
目次

子どもの発達とおもちゃに関する著書もある、城東よつばこども園園長の瀧薫先生に「良いおもちゃ」の選び方を聞く連載。今回は男の子も女の子も1度は夢中になるおもちゃの一つ、人形遊びについて考えてみます。

本格的に人形遊びを始めるのは2歳ごろからです が、実は乳児期にもお人形遊びは大切です。発達 に応じて変わっていく人形との関わり方と人形を選ぶ時のポイントを解説してもらいました。

人形遊びと子どもの発達

ほかのおもちゃと同様に、人形遊びも年齢に応じて遊び方が変わっていきます。
コミュニケーション能力や想像力などを育む効果があるお世話遊びや、見立て遊びを始めるのは1歳3ヶ月〜1歳半ごろからといわれています。 だからと言って、0歳〜1歳の乳児期には人形が不要というわけではありません。人形の柔らかい感覚は子どもの精神的な安定に役立ちますし、乳児期に人形と関わる経験をすることで幼児期以降のお人形遊びにも差が出てきます。

人形遊びは乳児期から始めたい

0歳~1歳の乳児期におすすめの人形は肌触りが良く、0歳の子どもでもぎゅっと抱っこしやすいサイズ・形の人形です。汚れやすいので、丸洗いできるものもいいですね。

自我が芽生えてくる1歳3ヶ月から1歳半くらいになると、子どもが人形を抱っこしたり、ミルクを飲ませたりとお世話遊びをする姿も見られるでしょう。

2歳ころ~お世話やマネが楽しい時期

2歳ごろになると、子どもがお人形のママになりきって病院に連れて行ったり、お着替えをさせたりと、より生活に密着したお世話をする姿が見られます。

そのため、この時期の子どもには赤ちゃんのような見た目の「ベビー人形」がおすすめ。子どもはパパやママに自分がしてもらったことを人形を相手に模倣することで、自分がパパやママに大切にされたという体験を追体験します。

最初はマネから入りますが、だんだんと行為の本質に気づいていく力を養うのです。

3歳ころ~大人になりきって遊ぶ

3歳を過ぎるともう少し高度な「演技」をするようになります。ママのような身近な存在よりも保育園の先生など少し遠い立場の役割を担うことも。

例えば複数の人形を並べてご飯を食べさせてあげるのもその1つ。「いただきます」 「おいしいね」など、普段自分がママや保育園の先生に言われていることを口にする姿も見られるでしょう。 このように 子どもは、大人の真似をしながら少しずつその行為の意味に気付いていきます。

お人形の選び方の基本

世の中にはさまざまな人形がありますが、子どもの見立て遊びや想像力を育むのに適している人形とそうでない人形があります。また年齢によって発達につながりやすいものも異なります。

では実際、人形を選ぶ時はどんな点に注意したらいいのでしょうか。

無表情の人形を選ぶこと

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人形を選ぶ時は無表情の人形がおすすめです。
子どもは「食べ過ぎておなかが痛い」「プレゼントをもらって笑う」…など人形を通して見立て遊びをします。場面に応じて悲しい顔に見えたり笑顔に見えたりする無表情の人形のほうが、子どもが人形の感情をイメージしやすく、想像力が広がりやすいのです。

子どもと人形のサイズ感

特に2〜3歳の子どもの場合、ごっこ遊びをする時は子どもが大人に扮することがほとんどです。お人形のサイズは、子どもと大人の大きさの違いがそのまま、人形と子どものサイズ感になるのが理想。

膝にのせたり、おんぶをしたり…と子どもにとって赤ちゃんのように扱えるくらいのサイズ感の人形を選ぶと、子どもがよりごっこ遊びに熱中してくれるでしょう。

座らせられること

柔らかい人形は子どもの安心につながりますが、見立て遊びやごっこ遊びをするころの子どもには適度な固さがあり、関節が動いて座らせられる人形のほうがおすすめです。

また赤ちゃんらしくカエル足になっていると、おむつ替えや洋服の着脱がさせやすいです。

購入するときはお世話グッズも一緒に

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子どもが1歳3ヶ月〜1歳6ヶ月ころになり、お世話遊びをするようになったら、人形だけでなくおむつやおしりふきなどの人形のお世話グッズや身の回りのものも揃えてあげると遊びの幅がぐっと広がります。

保護者の方に余裕があれば、フェルトなどで簡易的なものを作ってあげてもいいですね。

お人形遊びに大人はどう接する?

子どもが人形で本格的に遊び始める前に大事なことがあります。

それはパパやママが「これは人形だから」と雑に扱うのではなく、人形を大切に扱っている姿を子どもに見せて人形に命を吹き込んであげること。子どもはパパやママの姿を見て人形に愛着を持ち、大切に扱うことを覚えていくのです。

子どもの人形遊びに付き合うのが苦手な親御さんは、「この子は今何を表現しようとしてるのだろう?」と子どもの気持ちに寄り添ってあげるといいですよ。

例えば子どもが「お人形がおなかが痛いって言ってるの」と言ってきた時「人形が病気だと思っているんだな」と考えることができれば、自然と「どこが痛いのかな?」と声かけできるようになるのではないでしょうか。?

おすすめのお人形

最後に前述のような選び方をもとに、園でも子どもたちが遊んでいるお人形たちを紹介します。

ケーセン社 ジルケくま・うさぎ

ケーセン社のジルケぐまは、適度な大きさ・弾力があって抱き心地が抜群です。ベロア地・タオル地なので手触りが優しく、毛が抜けづらいためアレルギーの子どもも比較的扱いやすいです。

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ゴッツ 抱き人形 マフィンベビー

身長33センチと子どもが抱っこしやすく、洋服の着脱がしやすいカエル足の人形です。お着替え用のアクセサリーが豊富にあるため、遊びの幅が広がります。

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ケーセン社 ジルケ人形

ケーセン社のジルケ人形は、子どもの気持ちを反映しやすい素朴な目鼻立ちが特徴です。性別や髪型、洋服の組み合わせが豊富にあるので、お気に入りの子を見つけてあげるといいですね。

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ケーセン社 ブラウンベア

ぬいぐるみなら、座らせることができるブラウンベアがおすすめです。抱き心地の良いサイズ感と適度な固さと重さがあり、子どもにとってホッと安心できる存在でしょう。

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見た目のかわいさだけでなく、お世話遊びや見立て遊びなどを通して子どもの愛着形成や表現力、想像力やコミュニケーション力などさまざま能力を育てる人形。

年齢や発達に合ったものを選べば、時にはお友達として、赤ちゃんとして子どもに寄り添ってくれる存在になってくれそうですね。

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