【幼児は食中毒リスク高!】いたみにくいお弁当を作るには?いますぐ知りたい「7つのお弁当衛生ルール」

【幼児は食中毒リスク高!】いたみにくいお弁当を作るには?いますぐ知りたい「7つのお弁当衛生ルール」
【管理栄養士が解説】調理後時間をおいてから食するお弁当は何かといたみやすいもの。幼児は大人より食中毒にかかりやすく、気温が25度以上の夏日には、特にお弁当衛生に注意が必要です。絶対押さえておきたいポイントを徹底的に解説します。
目次

ぐんぐん気温が上がり、さらに湿度も高くなるこれからの季節は、それに伴って食中毒が起こる危険性もぐっと上がる季節です。

中でも園弁当は、調理後時間をおいてから食すること、保管状況が完全でないこと、食するときに親は同席していないことなどから、食中毒にならないための細心の注意を図る必要があります。

そこで、知っているようで意外に知らない「お弁当衛生ルール」をこの記事ではしっかり紹介していきます。

幼児は大人よりも食中毒にかかりやすい

例えば大人と幼児が同じものを食べても、子どもだけ下痢や発熱、嘔吐といった食中毒の症状が出たというケースがよくあります。

これは、幼児は大人に比べ胃腸が未発達であること、抵抗力が低く食中毒の原因菌から自身を防御する力が弱いから。

つまり、幼児は大人よりも食中毒にかかりやすいため、しっかりと対策することが必要なのです。

お弁当は普段の食事以上に細心の注意が必要

作りたてをすぐに食べる普段の食事とは違い、作ってから時間が経過してから食べるお弁当。

食中毒の原因菌がついてしまっていたら、時間の経過とともに菌が増殖してしまいます。とくに温度も湿度も高くなるこれからの季節は食中毒の原因菌がもっとも活発に増殖する環境なので注意が必要!

そのためには、作るときからの衛生対策が何よりも重要です。

さて、こちらのお弁当は、衛生的にはNGだらけ。その理由がわかりますか?

それでは早速、解説していきますね。

ルール1:生野菜は絶対NG!

インスタグラムなどでは、仕切りや彩りに生のレタスなど使っているお弁当をよく目にすることがあります。でも、これは絶対NG!!

じつは野菜にはよく洗っても土壌菌がついている可能性のあり、この時期加熱をしないで生で入れるのは大変危険です。

さらに、レタスなどの葉物野菜やきゅうりなどは水分含有量が多く、ほかのおかずに触れ合うと、そのおかずの塩分によって時間が経つと水分が出てしまいます。水分が多い状態は食中毒の原因菌にとって絶好の環境に。

以上の点から、野菜は必ず加熱をしてからお弁当に入れるようにしましょう。なお、プチトマトはヘタをとってしっかり洗い水けをしっかり拭けばそのまま入れてもOK。

*ただし4歳以下の子どもには誤飲・誤嚥の可能性があるため、切る必要があります。衛生面を考えるとお弁当に入れないことが望ましいでしょう。

また、果物は土壌菌がついている可能性が低いため、生のままでもOKですが、水分が多いため別容器に入れて持っていくようにしましょう。

ルール2:加熱はしっかりと!!

食中毒の原因菌の多くは75℃1分以上の加熱で死滅します。そのため、お弁当に入れる食材はしっかり加熱するようにしましょう。

肉や魚はしっかり加熱している人が多いと思いますが、またまたインスタグラムなどで意外に多いのが「半熟のゆで卵」です。これは絶対にNG!

卵にもサルモネラ菌という食中毒の原因菌が潜んでいることがあります。お弁当に入れる際にはしっかり 「かたゆで」にしましょう。卵焼きやオムライスなども同様です。

見落としがちなのが、ハムなどの食肉加工品や、ちくわ、かまぼこ、魚肉ソーセージなどの魚肉加工品。食中毒予防の観点からするとこれらも炒める、焼くなど一度加熱調理をしてからお弁当箱に入れると安心です。

さらに注意は「作りおきおかず」。冷蔵庫や冷凍庫で保存してあった作り置きおかずは、入れる前にしっかり加熱することをお忘れなく!

ルール3:加熱後、素手で触らない

まず、お弁当作りの前にはせっけんでしっかり洗うこと。これは大原則です。

しかし、手はしっかり洗っても、目に見えない菌がたくさんついています。調理中やお弁当を詰める際に素手で触ってしまうことがもっとも大きい食中毒リスクといっても過言ではないでしょう。

そのため、おにぎりを握るときは必ずラップに包んで握りましょう。また、加熱したあとの肉や魚などを切るとどうしても手で触ってしまうので、加熱前に食べやすい大きさに切ってから加熱するようにしましょう。

どうしても素手で触るのが避けられないというときは、100円ショップなどで販売している、使い捨て用の薄手の手袋を活用するのもおすすめです。

ルール4:汁気のあるおかずはNG!汁気のないおかずを選ぶ

とにかく水分はお弁当衛生の敵!お弁当には汁け(水分)の多いおかずは避けましょう。焼く、炒める、揚げるなどの調理法を選ぶと、汁けが出ません。

また、汁けが出やすい野菜料理もちょっとした工夫で安心です。

例えばお弁当に緑色がほしいときの定番「ほうれん草のおひたし」。だしの汁気がたっぷりでNGです。

そこで、ゆでたほうれん草にちぎった焼き海苔を加え、しょうゆを少し。焼き海苔が水分を吸ってくれるので、汁けが出ません。

赤い食材がほしいときに活躍する「にんじん」。

煮物にするとどうしても汁けが気になります。

すりごまと少しのしょうゆ、砂糖を混ぜ、レンジ加熱したにんじんに和えれば、にんじんのごま和えの完成。ごまの香りで野菜も食べやすく一石二鳥です。

ルール5:おかず同士を接触させない

おかずがぎゅうぎゅうに詰め込まれたお弁当。のっけ弁などいま話題になっていてとってもおいしそうなのですが、衛生面からするとおすすめできません。

ほかのおかずにに菌が移るのを防ぐためにも、また汁けが流れてしまうのを防ぐためにも仕切りカップを活用しましょう。

繰り返し使えるシリコン製のものや、100円ショップでも使い捨てのかわいいカップが販売されています。

ルール6:しっかりと濃い目に味つける

幼児食を作っていると、薄味、薄味、と気を配りがちですがお弁当は違います!!

しょうゆや塩などの塩分、砂糖の糖分は菌の増殖を抑える効果があるため、お弁当のおかずはいつもより少ししっかりめに味付けをするようにしましょう。

また酢や梅干し、しそなどを味付けに加えるのも殺菌効果が期待できるのでおすすめですよ。

ルール7:冷ましてから、お弁当箱のふたをする

おかずやご飯が冷めないうちにお弁当箱のふたをしめてしまうと、湯気でお弁当箱の中は湿度が高い環境に。

おかずやご飯はしっかり冷ましてから詰めるようにするのが鉄則です!

ご飯は特に、冷めるまでに時間がかかります。朝起きたら、まずはご飯が冷めやすいようにお皿に広げ、それからおかずを作り始めるといいですね。

最近は、ふたに保冷剤が入れられるお弁当箱や、かわいい保冷バッグなどのお弁当グッズも充実しています。

お昼の時間までお弁当の温度が上がらないように保つことも食中毒を防ぐうえで大事なポイントですので、ぜひ活用してみてくださいね。

***
以上のルールを守って、同じ食材でお弁当を作ってみました。

コツをつかめば、むずかしくはありません。ぜひ、今一度ルールをチェックしてみてくださいね!

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執筆者

管理栄養士・料理研究家 尾花 友理

給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談などを経験。料理研究家のアシスタントを経て、大手レシピサイト運営会社にてレシピ開発や動画撮影に従事後、独立。管理栄養士としての豊富な知識とリアルな生活者の気持ちや暮らしに寄り添った、取り入れやすい栄養アドバイスやレシピに定評がある。

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