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のんたん先生教えて!子育ての気になる…どうすべき?

よそ見や寄り道が多くてなかなか進まないわが子に毎日イライラ…。大人が我慢するしかないの?

よそ見や寄り道が多くてなかなか進まないわが子に毎日イライラ…。大人が我慢するしかないの?
「森のようちえん さんぽみち」(兵庫県西宮市)の園長"のんたん"こと野澤俊索さんに、子育てで気になるテーマについて自然保育でのエピソードを交えて綴っていただく連載。今回は「どうして子どもは寄り道ばかりしてちっとも前に進まないの?」というお話。
目次

親子で道を歩くとき、虫や植物、落ちているものなど…子どもには誘惑がいっぱい。
なかなか前に進まず時間がかかり、「ちゃんと歩いて」「早く」と急かしてしまったり、つい自転車に乗せて目的地まで急いで行ってしまったりするものですが…

子どもの道草が多い理由や親としてどう関わっていったらよいのかを、自然保育を実践する「森のようちえん さんぽみち」の園長、野澤俊索さんにお聞きしました。

***

先日、家の前の道でお散歩しているお父さんと4歳くらいの男の子の親子に出会いました。

男の子はにこにこしながら、道路の溝をのぞきこんだり、街路樹を揺らしてみたり。てててーっと走ってきたかと思うと、私の車をのぞいてまたお父さんの方に走って帰ります。

お父さんも「行くよ」と声をかけるのですが、子どもは一向に聞く耳持たず。そして極めつけに、子どもだけ猛ダッシュでいま来た道を逆方向へ。その後から子どもを追いかけて右往左往するお父さん。ああ、大変そうだなあ(笑)!

はたから見るとほほえましい事なのですが、当事者は大変ですね。思い通りにいかないのが子どもというものですが、そうわかっていてもイライラしてしまうことがあるでしょう。こんなときに何が起きているのでしょうか?

刺激を求めて歩き回るのは"子どもらしい当たり前の姿"

毎日を森で過ごす"森のようちえん"という私の園では、午前中に森のおさんぽへ出かけます。

「お散歩」ではあっちへうろうろ、こっちへうろうろ、子どもたちは散り散りに、葉っぱが散るように歩きます。読んで字のごとく、お"散"歩ですね。
そうするとたくさんの発見があっておもしろいのです。子どもたちは何か気になる発見をしてあちらへ惹きつけられて行ったり、また何かないかなと思う気持ちからこちらへやって来たりします。森の中は発見に満ちあふれていて、それは子どもの興味によってみんな違います。

歩き始めてしばらくすると、アリの行列があって子どもたちの座り込みが始まりました。そのまま15分くらいはもうじっとそのままです。

それに興味がない子は木の根元を掘っていたり、またある子は枝を集めていたり、丘を登っていたり。それぞれが思い思いにしたいことをしながらお散歩しています。

そのうち緑色にキラキラ光るタマムシを見つけました。すると、どれどれと子どもたちが集まってきて、みんながここにいるという一瞬があったりします。そしてまた散り散り。大人の足で歩けば10分くらいの距離を、こうして1時間くらいかけてのんびりと歩きます。

幼児期の子どもたちはこの世界に生まれてまだ数年。子どもたちにとってこの世は初めて目にするものや耳にするもの、嗅ぐもの触るもの味わうものでいっぱいです。

そうして五感をどんどん使うことで、脳の神経回路を刺激し発達させていきます。「成長する」という人間の生理現象の仕組みに基づく欲求から、子どもたちは思い思いの刺激を求めて動きまわります。それがお散歩であり、遊びになるのです。

そう考えると、あちらこちらへふらふら歩いたり、座り込んで石のように動かなくなったりすることは、成長の過程にある子どもらしい当たり前の姿と言えます。

ときには子どもの「もうちょっと」にたっぷり付き合う日も!

しかし、ここで一つ問題があります。デパートや駅、車の通る道路や家の中でそんな「お散歩」ができるでしょうか?

社会の中で子どもたちが自由にふるまうと、予期せぬ事故やトラブルになりかねません。また、生活リズムが乱れてしまったり、約束の時間に遅れてしまったりします。
「早く急いで!」
「危ないからちゃんと歩いて!」
という時には、大人の方にもちゃんとした理由があるのです。

子どもにとってはゆっくり歩くことや、思い思いのお散歩をして付き合ってあげることが良いことだとわかっていても、四六時中そうすることはできませんね。
子どものしたいことと、大人のしたいことは概して一致しないものです。

一致していないので、どちらかに決めないと前に進みません。そして生活の場面では、どうしても大人の理由を優先しがちになります。

そんな時は、子どもに「ごめん」と一言謝って、大人に付き合ってもらいましょう。手をつないでしまったり、泣いていても連れて行ったり。

そしてその分、あとで子どものしたいことを優先する時間もつくってあげましょう。子どもも大人も、したいことをする時と、ゆずる時が必要で、そうやってお互いにバランスがとれていくものなのです。

思い通りにならないということは、しっかりと自分をもっている証拠。人間らしく成長しようとしている証拠です。そこはそれほど心配することはありません。

そして大人の都合で「早く!ちゃんと!」と言ってしまう日があっても大丈夫。その代わりに、子どもの「まって、もうちょっと」に付き合う日もちゃんとつくってあげてくださいね。

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執筆者

森のようちえんさんぽみち園長 野澤 俊索

NPO法人ネイチャーマジック理事長、兵庫県自然保育連盟 理事長、森のようちえん全国ネットワーク連盟 理事
神戸大学理学部地球惑星科学科 卒業。
兵庫県西宮市甲山にて、建物を持たず森を園舎とする日常通園型の自然保育「森のようちえんさんぽみち」を運営して10年。今では2歳から6歳までの園児29名と一緒に、雨の日も風の日も毎日森へ出かけていく日々。愛称は"のんたん"。森のようちえん全国連盟では指導者の育成を担当している。
プライベートでは生まれたばかりの赤ちゃんの子育ても楽しみにしている。

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第2・4木曜日 更新

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