【子どもの防犯対策】じつは休憩スペースのあるトイレが危険!わが子を事件から守るために親が絶対に知っておくべきこと

【子どもの防犯対策】じつは休憩スペースのあるトイレが危険!わが子を事件から守るために親が絶対に知っておくべきこと
いまだ子どもが巻き込まれる事件や事故が絶えません。3~6歳の幼児の親が子どもを危険から守るために気をつけるべきことについて、NPO法人日本こどもの安全教育総合研究所理事長の宮田美恵子さんに伺いました。 ※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。
目次

ひと昔前よりも子どもの防犯について社会全体で語られるようになった今も、幼い子どもが被害に遭う事件や事故のニュースが後を絶ちません。

子どもが危険から身を守るために親が気をつけたいこと、幼児にどうやって防犯について意識させればいいのか、NPO法人「日本こどもの安全教育総合研究所」理事長の宮田美恵子さんにお話を伺いました。

幼児は「一人にさせない」が大前提

子どもを狙ったり、巻き込まれてしまう事件・事故が絶えません。自分の子どもが危険にさらされないように、親が気をつけるべきことはなんでしょうか。

おやこのくふう編集部 編集部

幼児期の3~6歳という年齢は、基本的に子どもが一人になるべきではない段階と言えます。なぜなら「自分の困りごとを周囲の人に伝える力がついていない」から。

この年頃は迷子になったり不審者から声をかけられたりするなどの危険に遭っても、自分でSOSを出すのが難しいです。それゆえ犯罪や突発事故に巻き込まれやすいですし、交通ルールも完璧に身についていない時期なので自動車事故に遭う可能性も高く危険です。

「伝える力」がつくまでは必ず保護者や先生などの大人と一緒に行動するようにしましょう。 

スーパーやファミレス…明るく人が多い場所でも注意!

幼い子どもが一人になるというのは、どういった場面があるのでしょうか

おやこのくふう編集部 編集部

普段から大人と行動していても、さまざまな場面で一瞬の「隙」が生まれて子どもが一人になってしまうのはよくあることです。

スーパーやファミレスなど、おやこでよく訪れる場所であれば子どもだけでトイレに行かせたり、お菓子売り場に置いて別の売り場に行ってしまったりなど、少し油断してしまうことはありませんか?

「犯罪の起こる場所=暗い場所」と想像しがちですが、実際にはこういった明るく人の多い場所でも、子どもが一人になることで連れ去りや性犯罪などの犯罪が発生しています。

2011年に熊本県で起きた女の子の殺害事件は、まさにスーパーのトイレが現場となりました。私は現場にも足を運びましたが、明るくいたって普通のスーパーなんです。

子どもにまつわる犯罪が起こるのは以下の3つの条件が揃ったとき、と言われています。

  1. 子どもを狙う人間がいる
  2. ターゲットとなる子どもがいる
  3. 監視者がいない

例えば、スーパーのレジで並んでいるときに子どもがトイレに行きたいと言って、思わず一人で行かせた…など、こういった場所でもこの条件が揃うことはじつはよくあります。

不審者が子どもに声をかけていたとしても周囲にいる第三者が見ているとも限りませんし、仮に見ていたとしてもそれが保護者なのか不審者なのかを判断することは難しいということを覚えておいてください。

「トイレ」に要注意!異性親でも付き添いは必須

子どもの防犯上、どんな場所に警戒すべきですか?

おやこのくふう編集部 編集部

建物の中でも「死角」が多いところは注意が必要です。スーパーやコンビニなどは、商品棚が高く、死角が多いためそこで性犯罪の被害が起きることもあります。

なかでもトイレは最も注意したい場所の一つ。最近はスーパーやショッピングモール、遊園地などでも、トイレ入口の前に休憩スペースが確保されていることがありますよね。ベンチや自動販売機がありゆっくり休めるように工夫されていますが、実はこれを悪用する犯罪者がいます。

休憩場所であるベンチでなら、長時間スマホをいじって座っていても違和感はありません。子どもを狙う人間にとっては、ターゲットが来るまでじっと待つことができる格好の場所なんです。

幼児期でも5~6歳になってくると、親は成長や自立の証と思って一人でトイレに行かせようと考えるかもしれません。でも、トイレ内は防犯カメラもなく死角も多い警戒すべき場所です。必ずついて行くようにしましょう。

異性の親の場合、トイレの中までついていけない場合があります。そんなときはどう対処したらいいでしょうか?

おやこのくふう編集部 編集部

就学目前の年齢になると、性別の違うトイレに行かせることに抵抗があったり、本人が嫌がったりすることもありますよね。

そんなときは子どものトイレの入口の外で待機しているのでOKです。男の子に「お母さんは入口にいるから、一人でいってらっしゃいね」と大声で伝えることで誰かが見守っていることがわかり、子どもを狙う人間へのけん制になります。

幼児に「身を守る方法」を教えるコツ

幼い子どもを一人にさせないように注意をしたうえで、子ども自身にも「自分の命と体を守る重要性」を伝えるにはどうしたらいいでしょうか

おやこのくふう編集部 編集部

幼児期は、目で見ていないものを想像する力がまだ足りません。「もし変な人に声をかけられたら」「車に乗せられそうになったら」などのいろんなケースを言葉で話しても、具体的にイメージすることができないのです。

そんな幼児に大切なことを伝えたいときは、以下のことを意識してお話をしてあげてください。

幼児に身を守る方法を教えるときは、「この公園から出ないで、中だけで遊ぼうね」「誰かに他の場所に行こうと言われたら、大きな声でお母さんを呼んでね」など

  1. シンプルに
  2. 守ってほしい場所で
  3. 具体的・限定的に
伝えるのがコツです。

約束は命を守ることにつながる

幼児期の子どもはなかなか真剣に話を聞いてくれなかったり、覚えてくれなかったりと心配な部分もあります

おやこのくふう編集部 編集部

幼児、とくに3歳ぐらいの子は約束を守ることをいきなり言われても難しいので、普段から「信頼できる大人の指示に従える」「ルールや約束を守れるようにする」ということを目標に、家庭や保育園などでも準備してほしいと思います。

「決められた道を通る」「公園の外に出ない」など、約束を守れるようになることは、子どもの防犯上とても重要なことです。

親御さんが普段から手本となって、社会のルールや交通ルール、家庭でのルールを守る姿を見せていくと、子どもは約束を守ることが重要だということが身についていきますよ。

***

出かけた先や公園などの屋外で、ちょっとした「隙」は、どこでもできてしまうもの。そんな「隙」をいかに無くすかは、大人の少しの意識にかかってくるのかもしれません。

普段の生活の中から、防犯意識や約束を守ることをおやこで反復して、習慣にしていきましょう。

『うちの子、安全だいじょうぶ? 新しい防犯教育』(新読書社)
発行:新読書社
定価:単行本(ソフトカバー)1,650円(税込)

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お話を伺った方

NPO法人日本こどもの安全教育総合研究所理事長 宮田美恵子

安全教育学などを専門とし、大学での講義のほか児童・生徒のための安全体験学習プログラムの推進などの生涯学習活動支援にも尽力する。近著に『うちの子、安全だいじょうぶ? 新しい防犯教育』(新読書社)。新聞やテレビ・ラジオ等でも安全教育などについて解説。

日本こどもの安全教育総合研究所

Twitter

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執筆者

ライター 松永あつこ

目が合うと即座に変顔をしてくれる5歳と、ごはんは口に運んでもらう主義の3歳の女の子のママ。主に育児・教育系メディアの編集&ライターをしています。趣味はファミキャン!将来の夢は家族でオーロラを見に行くことです。

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