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読み書き、計算…入学前にどこまで教えたらいいの?

学力がぐんと伸びる子は"体験"している!プリント学習より大切な「イメージ力」を育てる10の遊び

学力がぐんと伸びる子は"体験"している!プリント学習より大切な「イメージ力」を育てる10の遊び
【教育の専門家・TERUさんが徹底解説!】小学校から始まる学びのベースとして幼児期には実体験がとても大切。意識して取り入れたい遊びや体験を紹介します。
目次

小学校から始まる算数や国語などの勉強。小学校生活をスムーズに始められるように、就学前から読み書きや計算などの勉強を始めるご家庭も多いのではないでしょうか。

しかし、とくに幼児期には「プリントでの学習よりも大切なことがある」という、家庭教育アドバイザーのTERUさん。

それは、生活の中で"将来の学びにつながる実体験"をしておくこと。さまざまな体験をとおして、子どもに学びの基礎となる「イメージ力」を養っておくことがとても大切なのです。

プリント学習の前にまずは実体験が重要!

小学校以降、学力がぐんと伸びる子に育てるために、幼児期にできることはありますか?

おやこのくふう編集部 編集部

小学校からの勉強の準備や学力の基礎となる知育は、どうしてもプリント中心の取り組みになります。しかし、プリントで問題に向き合う前に、遊びの中での実体験を通して物事に対するイメージを作ることがとても大切なのです。実体験にもとづいたイメージ力は、プリント問題で問われていることの理解を助けてくれます。

小学生以降に学力がぐんと伸びる子に育てるため、幼児期にとくに体験させておきたいことを10個ピックアップして紹介します。

小学校入学前に取り組みたい遊び&体験したいこと

未就学児のうちに何を体験させておくのがよいか、具体的に紹介していきます。これらは小学校受験の対策としても取り組まれることが多いものですが、あくまで、勉強ではなく遊びの中で楽しく体験することがポイントです。

1.野菜や果物の断面を見る

野菜や果物の断面がどうなっているのか観察しましょう。外見はよく知っていても、切った中がどうなっているか、意外とわからないものもあります。どんな色?種はある?など、断面を観察することで、子どもにとってさまざまな発見があるはず。

理想はいっしょに料理をして、子どもが自分で切って断面を観察すること。いろんな方向から切ってみて、切り方が違えば断面も違うことを体験を通じて知ることができるといいですね。

また、料理を一緒にしなくても、食卓で食べるときに断面を観察して「こんなふうになってるんだね」「おもしろいね」と会話をするだけでもOKです。

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2.観覧車の回り方と人の動きを知る

遊園地やテーマパークへ行く機会があれば、ぜひ観覧車へ!
実際に乗って体験するだけでなく、順番を待っているときなどに観覧車の回り方とそこに人が乗っていく流れをいっしょに観察してみましょう。

観覧車のボックスが1つ空いて、先頭に並んでいた4人家族が乗ったら、列に並んでいた人が4人減る…など、観覧車と乗る人の動きが連動したイメージをもてるようになることが大切です。

大人が細かく説明する必要はなく、観覧車にかかわる一連の仕組みがイメージできるようになればOKです。

3.天秤・はかりを使う

重さの概念を視覚的に理解するために、天秤やはかりに触れておくことが大切です。可能であれば、「上皿天秤」と「上皿はかり」を体験しておきましょう。

上皿天秤は、左右に重さが違うものを載せると重い方が下がるという重さの原理原則を視覚的に理解できます。ただ載せるだけでなく、載せる前に両手で載せるものを持ち、どちらが重いか予想してから載せると五感の刺激にもなるのでおすすめです。左右に異なるものを載せて釣り合わせるチャレンジもおもしろいですよ。

上皿はかりは、重さの感覚を数字で理解することができます。デジタル式よりも、目盛りがあり針が回るはかりのほうが、重ければ数字が大きくなることを視覚的に理解しやすいためおすすめです。

上皿はかりを家に用意できるのなら、おもちゃの一つとして遊んだり料理のときに使ったりしてみましょう。たとえ家になくても、祖父母の家に遊びに行ったときなどに遊ぶ程度でも構いません。一度でも使って、そのしくみを理解しておけるといいですね。

上皿はかりを使って「これは何グラムかな?」と当てっこ遊びをしてもいいでしょう。繊細な重さの感覚を味わういい実体験になりますよ。

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4.バネはかりを使う

バネはかりも、重さの実体験ができるツールです。ホームセンターなどでバネを2つ買い、重さの違うものを吊るして重い方がより下がることを体験してみましょう。家にあるものを吊るすため、バネは強度が高いものよりも、少しの力でよく伸びるものを選ぶのがおすすめです。

重さが違うものを吊るして比べるだけでなく、同じものを左右に複数個吊るして、数が多い方が重くなることを体験してもいいでしょう。

5.あみだくじ遊び

頭の中でルールを理解しながら指でたどっていくあみだくじは、いい知育トレーニングになります。はじめは上から下へ進むオーソドックスなあみだくじで遊び、慣れてきたら左から右に進むあみだくじもやってみましょう。

さらに慣れたら、道の途中にシールなどの障害物を設置し、障害物があると曲がれないというルールを追加してみてください。

ささっと紙に書くだけでできるシンプルな遊びですが、学びにつながる大切な感覚を養うことができます。

6.サイコロ遊び

サイコロも幼少期から遊んでおきたいものの1つ。サイコロを使う遊びといえば、すごろくがおなじみですね。

出た目の数をパッと把握できるようにすることだけでなく、対面の数字を足すと7になるというサイコロの概念にも触れておけるといいですね。。足し算ができるようになってきたときに「上の面が1だから、下の面は何?」と聞くなどして、算数への土台を作っておきましょう。

さらにサイコロの展開図にまで触れられるとなおいいですね。厚紙に展開図を描き、それを切ってサイコロを手作りしてみましょう。親が作ったサイコロを開いて展開図を確認する方法でもOK!工作の延長のような気持ちで取り組んでみてください。

サイコロの展開図は全部で11種類あります。ネットで検索すると出てくるので、参考にするといいですよ。

7.パズル

パズルは、絵本に並ぶ能力開発や知育に欠かせないアイテムです。特別なものを使う必要はなく、普通のパズルでいいのでいろいろな種類のもので遊んでみてください。

シンプルなジグソーパズルや、くもんの「図形モザイクパズル」のような置くタイプ、「賢人パズル」のような立体パズル、「ロジカルルートパズル」のような組み合わせ系など、子どもの年齢や好みに合わせて気に入ったもので楽しく遊びましょう。

8.歯車のしくみを知る

小学校高学年の算数で出てくる歯車の問題。幼児期には、そんな歯車の仕組みを視覚的に理解できる体験をしておきましょう。まずは、歯車が2つ噛み合うとお互いが反対方向に回ることを理解できればOKです。

歯車が内蔵されているおもちゃを開いて見てもいいですし、歯車遊びのおもちゃもありますよ。使って遊ぶことで、自然にそのしくみを理解することができます。

9.重ね遊び

重ね遊びは「模様の書かれた2枚の透明な紙を重ねるとどんな模様になるか?」のような問題へのイメージを育む実体験です。遊びとして取り組めるように工夫して、イメージ力と論理的思考力を育てましょう。

まず透明の折り紙か下敷きを用意し、正方形に切ります。硬い素材が長持ちするのでおすすめです。正方形を複数枚作ったら、マジックでいろいろな線や模様を描きましょう。模様はなんでもOKです。

それらを重ねて、模様の変化を実際に見てみてください。できる模様を予想したり、作りたい模様をあらかじめ決めてどれを重ねればよいか考えたりするのもいいですね。

10.季節の行事を体験する

豊かな感性を育てるうえで、季節の行事を体験することは大切です。夏は花火、秋は紅葉狩りといった季節のイベントを家族で楽しみつつ、それにまつわる季節の花、旬の食べ物を見たり味わったり、五感で体験しましょう。

季節の概念はその知識に実体験が伴っていることが大切です。「教える」だけでなく、あくまで子どもが体験しながら知っていけるように意識してくださいね。

▶おやこで楽しむ暮らしの歳時記

TERUさん本人が解説!勉強面で小学生以降に伸びるためにしておきたい実体験


実際に体験してイメージできることであれば、勉強で出てきたときにぐんと理解力が高まります。

いずれも特別なことではありません。ふだんの生活、遊びの延長で取り入れていけるといいですね。

このような体験に加えて、「知ってる」「見たことがある」といった知識も増やしておきたいもの。次の記事では、勉強につながる知識を増やすために日頃から意識しておけることを紹介します。

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お話を伺った方

家庭教育アドバイザー TERU

幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku

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執筆者

ライター 西方 香澄

徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。

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