セリア「ほかほかすいはんき」「マヨケチャ」…棚から消える大ヒットおもちゃの裏側にこの会社あり!中の人に聞いた開発秘話

セリア「ほかほかすいはんき」「マヨケチャ」…棚から消える大ヒットおもちゃの裏側にこの会社あり!中の人に聞いた開発秘話
今や店頭に並ぶとすぐにSNSを中心に人気になる100均のおもちゃ。じつはヒット商品の多くを大阪府にあるメーカー「株式会社ポニー」が製造しているんです。企画開発者の方にヒットの裏側をインタビューしました。
目次

近年、とても充実している100円ショップのおもちゃ。今やほとんどのママ・パパが一度は購入したことがあるのではないでしょうか。「おやこのくふう」でもたくさんの100均おもちゃを紹介してきました。

その中でもセリアの「ほかほかすいはんき」や「ぱくぱくチキンナゲット」、「マヨネーズ&ケチャップ」など、面白いしかけがあったり「写真映え」も意識したデザインで大ヒットしたおもちゃは「何軒もハシゴして手に入れた…」なんて人も。 実はこれらのおもちゃ、すべて同じ会社が製造しているんです!

その会社は、大阪府にある創業50年近くのメーカー株式会社ポニー。 なぜ面白いおもちゃを100円ショップという舞台で産み出し続けられるのか…何か秘密があるはず…!
100均マニアでポニーのおもちゃファンでもある編集部Oが株式会社ポニーの企画部の明石さんと営業部の橋本さんにインタビューしてみました!

企画からパッケージ作成まで3人で!

編集部
いつも楽しいおもちゃをありがとうございます!ポニーさんは30名ほどの規模の会社ですが、おもちゃの企画はどんなメンバーでされていますか?

明石さん
注目していただき、ありがとうございます! 実はおもちゃの開発は3名のチームで担当しています。全員デザイナー出身で、企画・デザイン・図面作成・パッケージ作成まですべてこの3名で担当しているんです。

編集部
なんと…!一般的なメーカーであれば、企画・生産・マーケティング…などで分担するものを一手にやってらっしゃるんですね!すごい。

明石さん
大変ですが、その分商品に対する思い入れが強くなるのがメリットです。ちなみにインスタグラムの投稿や商品名のネーミングも私たちが手がけています。

編集部
たしかに「ほかほかすいはんき」「つむゆらアニマル」「ファミレスピンポン」など、ネーミングもわかりやすくて楽しいです!お忙しそうですが、年間でどのぐらい商品を出していらっしゃるのでしょうか?

橋本さん
以前は中国からおもちゃを輸入して販売もしていましたが、5年前ぐらいからオリジナル商品に力を入れてきました。現在は、年間50〜60のオリジナル商品を開発しています。1つの商品ができるまでに年単位の期間がかかることもあるんですよ。

楽しい「しかけ」は子どもとの日常にヒントが

参照元

編集部
ポニーのおもちゃといえば、パカっと開けると炊きたてご飯が現われる「ほかほかすいはんき」ナゲットにソースをつけられる「ぱくぱくチキンナゲット」レストランの店員を呼ぶボタン「ファミレスピンポン」など、面白いしかけが特徴です。こうしたアイデアはどうやって考えていますか?

明石さん
100円ショップやおもちゃ屋さんはもちろん、最近は雑貨屋にもおもちゃが置いてありますよね。大人にウケているものを子どものおもちゃに使えないか…など市場調査をしながらアイデアを日々探しています。
さらに私自身が3人の子育て中の母なのですが、子どもとの日常にもアイデアが潜んでいることもよくあります。

編集部
なんとなく、商品を見ながら「コレ、絶対子育てしたことある人が考えているな…」と思っていました!具体的に商品に反映したものを教えてください。

明石さん
例えば、「おりこうドールチェア」という商品は、わが子が小さいころ使っていた「バンボ」という赤ちゃん用の椅子をヒントにしています。お人形遊び用に同じような形の椅子を作ったら子どもは喜ぶんじゃないか…というアイデアから生まれました。
「ぱくぱくチキンナゲット」は、子どもがナゲットを食べる様子を見ていたら、絶対にソースにつけるなと思って商品に反映したり…。子どもの行動を想像しながらアイデアを出しています。
わが子には必ず試作品を試してもらうのですが、「次はどんなおもちゃ?」と、とっても楽しみにしているんですよ。

編集部
お子さんに試してもらう中で、ヒントになったできごとはありましたか?

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明石さん
厚焼きたまごを作れる「たまごやきつくっちゃお」は、開発段階から「卵焼きは手前から巻く人と奥から巻く人がいるね」という話が出ていたのですが、子どもに試してもらったらやっぱり気にせずどちらからでも巻くんですよね。
そこで、パッケージにどちらからも巻けることを注意書きで入れるようにしました。

トレンドに合わせた色味も工夫

参照元

編集部
パッケージや商品カラーもくすみカラーだったりと工夫されていますよね。

明石さん
以前はおもちゃといえばビビットな色味が定番でしたが、最近はやはり写真映えも意識した色味やくすみカラー、おままごと系なら木製のキッチンに馴染む色など、かなり変わってきました。ただ、前述のように開発に年単位の時間がかかるので、トレンドを外さないようにするのがちょっと大変です。
パッケージも100均おもちゃが充実している中で埋もれてしまわないように、表だけをパッと見てわかるように工夫しています。

編集部
なるほど…。流行の移り変わりが早いですからね。以前に比べて商品の入れ替わりなどは早くなっているのでしょうか?

橋本さん
そうですね。実はもう何年も変わらず売れ続けているロングセラー商品もあります。ただ、ヒット商品の移り変わりは時代の流れなのか、以前よりも早くなっている気はしますね。

編集部
そんな中で明石さんがとくに思い入れのある商品はありますか?

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明石さん
「マヨネーズ&ケチャップ」ですね。実はコストなどの関係で材料に2色しか使うことができなかったんですが、その中で本当にうまく表現できるだろうか…と工夫を重ねた商品です。

編集部
再販もされた大ヒット商品ですね。たしかに改めて見ると2色ですね…!これ、ふたの部分にも穴が開いていて、100均おもちゃなのにすごく考えられているなと感心しました。

明石さん
万が一、誤飲したときに窒息しないための穴を開けています。おもちゃの対象年齢は、遊ぶお子さまの年齢に合わせることが基本ですが、誤飲などの不安要素がある商品は通常より高い年齢設定にしたり、企画段階でなるべく小さな部品がないように工夫したりと、安全面に考慮しています。

大人も子どもと一緒に楽しんで!

参照元

編集部
おままごとおもちゃがとくに人気ですが、今後はどんなおもちゃを作っていきたいですか?

明石さん
今後は男の子に人気のおもちゃを充実させていきたいと思います。また、大人向けに「ヲタ活グッズ」なんかも企画・進行しています。

編集部
ポニーさんが手がけられた商品には、「スターザウルス」「ツールセット」など、男の子に人気の商品もたくさんありますよね。大人向け商品も開発中とは!楽しみです。
最後に100均おもちゃを楽しみにしているおやこに向けてメッセージをお願いします。

明石さん
今はSNSなどで反応を見ることができるので、私たちが作ったおもちゃで楽しんでもらっているのが何よりの励みになっています!ぜひお子さんだけでなく、ママ・パパたちにも楽しんで遊んでもらえればと思います。

***

100円ショップで気軽に購入できるおもちゃですが、その裏にはメーカーのたくさんの想いが詰まっていました。「おやこのくふう」編集部では、これからもポニーの楽しいおもちゃに注目していきたいと思います!

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